『…それでさー、…』


「なっ、お前いい加減学習しろよー!!」


最近の昼休み、
俺のクラスメートの江藤の所に藤崎がよく来るようになった。


江藤は凄く楽しそうに笑っていて、彼奴もそれを見て嬉しそうに笑っている。


そんな光景を見て胸が痛む俺は、きっと江藤のことが好きなのだろう。











何で、彼奴の隣にいるのが僕じゃないんだろう。












…彼奴が笑顔を見せるのが、俺じゃないんだろう。











別に、笑いかけてくれない訳じゃない。











それでも、俺に笑いかけるのより彼奴に笑いかけるほうが多いなんて思って嫉妬する僕はおかしいんだろうか。












彼女が愛しくて堪らなくて、











でも話し掛けることすら恥ずかしくて出来なくて、











彼女が話し掛けてくれると嬉しくなって…











彼女に対して芽生える感情全てが始めてで、どうしたらいいかわからなくて。











彼奴に笑いかける彼女を見て、彼女が僕だけのものになればいいのに、そう思う自分には、僕自身も驚きだった。











君にもそんな人がいるんだね、と笑った榛葉さんの気持ちがその時は少しわかった。











自身でも驚きだったのだから、彼女にそんな彼女を覚えた事が。











もどかしい、

(僕にもう少し勇気があれば、君を僕のものにできたかもしれないのに、)