阿修悠太
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私と、阿修さん…悠太さんが結ばれてから数年、私たちは結婚した
恋人だった時から、凄く甘えたがりだった悠太さんは、夫婦になってからも健在で
…でも、夫婦になってからは、より頼もしい悠太さんを見ることが増えて、私はますます悠太さんに夢中になっていた
そんなある日…
『悠太さーん、朝ですよー』
「…うーん、後5分…」
『…もう』
部屋のカーテンを開けて、朝の光を取り込む
「…うーん…まぶしいよ…」
『朝ですからね。ほら、お仕事なんでしょう?起きてください』
悠太さんの寝ているベッドに近付き、悠太さんを揺さぶって起こそうと、手を伸ばしたとき
『え…?』
ぐいっと力強く腕を引かれ、気づけば私は悠太さんの上に寝転んでいた
『悠太さん…起きてたんですね?』
「…えへへ」
頭の上にある悠太さんの顔を見上げると、悠太さんが嬉しそうに笑う
『起きてたなら、準備しないと…』
私がそう言うと、悠太さんは私を抱き寄せる
「やーだ」
『え…?』
「だって…ここのところみのりちゃんといちゃいちゃできてないから、みのりちゃん不足なんだもん…」
悠太さんは可愛らしくぷくっと膨れて見せた
『…ふふ』
「あ、また笑った…。そんなみのりちゃんには…ー!」
悠太さんが私の頬に手を当て、唇を奪う
『ん…』
ちゅ、と音をたてて、悠太さんの唇が離れる
「…キスのお仕置き」
『…っ!』
私が恥ずかしくなって、ぐりぐりと悠太さんの胸に頭を擦り付けると、悠太さんは笑う
「…ふふ、そんなに恥ずかしがって…可愛い」
また悠太さんが私にキスをしようと迫ってくるので、私は慌てて彼の肩を叩いた
『ちょ、悠太さん!朝からはダメですからね!?』
「えー…」
『えー…じゃないです!』
その後、私が必死にお願いして、悠太さんに起きてもらった
朝御飯を食べながら、悠太さんが私に問う
「…そういえば、最近みのりちゃん、全然食べないよね?ダイエットでもしてるの?」
『え?いや、そんなことはないですよ?』
「嘘。何年君と一緒にいると思ってるの、それくらいわかるよ」
『…悠太さん…』
「…それで、何かあったの?」
『それが…最近、食べ物の匂いを嗅ぐと、気持ち悪くなってしまって…』
「…えっ、それじゃあみのりちゃん、毎日僕のご飯作るのも辛いんじゃない?」
『それは大丈夫です。…それに、悠太さんはお料理苦手でしょう?だから、私が作らないと』
「みのりちゃん…」
悠太さんが心配そうに私を見ている
「…ねぇ、今日、僕が帰ってきたら、病院行こう?」
『え?』
「何かの病気だといけないし…なにより、僕が心配」
心配そうにそう言われてしまえば、私はうなずくことしか出来なかった
ー…
午後、悠太さんは帰宅すると、車を出して病院まで連れていってくれた
病院で、診察待ちする事しばらく
「阿修さーん、阿修みのりさーん」
「あ、呼ばれた…。行こう?」
『はい』
私は悠太さんに手を引かれ、診察室へ
症状を話すと、検査してみましょうと言われ、検査すると、驚くことを言われた
「…先生、妻は…」
「旦那さん、奥さん、おめでとうございます。妊娠されていますよ」
『「…え?」』
私と悠太さんの言葉が被った
「今は、妊娠五週目ですね」
『…にん、しん…?』
私は驚いて、それしか言葉が出なかった
でも、私とは逆に、悠太さんは凄く喜んでくれて…
「やったぁ…!みのりちゃん、僕たち、お父さんとお母さんになるんだよ!」
『…お父さんと、お母さん…』
「…奥さん、突然のことで動揺されていると思いますが、しっかり旦那さんと話し合って、産むかどうか、決めてくださいね」
『…はい』
「…みのりちゃん…?」
先生の話を聞いて、うつむく私を、悠太さんは、心配そうに見つめていた…
自宅に戻ると、悠太さんは私をソファに座らせると、自分は床の上に座り、真っ正面から私を見る
『…悠太、さん…?』
突然の行動に、目をパチパチさせていると、悠太さんが真剣な…それでいて、少し悲しそうな顔で、私に問いかける
「…みのりちゃん、もしかして…僕との子供、産むの嫌?僕のこと…嫌いになった…?」
その言葉を聞き、私はあわてて首を横に振る
『そんなことないです!』
「…じゃあ、なんで妊娠がわかったのに、喜んでくれないの…?」
『…マタニティブルーって、知ってますか?』
「え?うん、言葉だけなら聞いたことあるけど…ごめん、すぐ調べるから、ちょっと待ってて!」
悠太さんは、すぐにスマホでマタニティブルーを検索した
「…これって…」
『…はい。たぶん、今の私はマタニティブルーだと思います。別に、悠太さんの事が嫌いになったわけでも、悠太さんと私の子供を産みたくないわけでもないですから』
私がそう告げると、悠太さんはなんだか安心した様子だった
「…わかった。君の気持ちが落ち着くまで、ゆっくりして。あ、あと、今後の食事は僕が作るからね!」
『…悠太さん…』
悠太さんの理解ある発言に、私はとても安心した
『…ふふ、キッチンは壊さないでくださいね』
「え、大丈夫だよ!僕あれから成長したもん」
『…確かに、昔よりずっと逞しく、頼れる旦那様になりましたよね』
私がそう微笑みかけると、悠太さんは嬉そうに笑った
ー…
あれから数週間がたち、私のマタニティブルーはすっかり解消されていた
「みのりちゃん!朝御飯できたよ!」
『はい、ありがとうございます』
その理由は、時間がたったから、ということもあるけど、なにより、旦那様である悠太さんが、かいがいしくお世話をしてくれるようになったからだ
あの日、病院で妊娠を告げられたとき…悠太さんは仕事で忙しいし、私だけで赤ちゃんを育てるのかと思うと、不安で仕方がなかった
でも、悠太さんが私の話をしっかり聞いてくれて、理解してくれて、尚且つ家事を積極的にしてくれるようになったから…私は、悠太さんとなら大丈夫。お腹の子を、悠太さんと育てたいと、思うことができたのだ。
『…ねぇ、悠太さん』
「ん?なあに?みのりちゃん」
私の前で、私が食べるのを見ている悠太さんに、私は言った
『私…お腹の子を、産みたいです』
私が目を伏せてそう言うと、悠太さんは目を丸くして、それからとびっきり嬉しそうに笑った
「…っ!うん!頑張って、一緒に育てようね!」
悠太さんの言葉に、私は頷いた
そして、出産を間近に控えた頃
大きくなったお腹を、一人そっと撫でていると、ガチャリと音がして、玄関の鍵が開いた
「ただいまー」
あ、悠太さんだ…
私はそう思って、ゆっくりと玄関までいく
悠太さんは、私が玄関まで行くと驚いていた
「わっ!みのりちゃん!?わざわざ玄関まで来てくれたの…?」
『だって、悠太さんをちゃんとお迎えしたくて…』
「そっか…ありがー…!?みのりちゃん!?」
私は、急にお腹が痛くなった
これってまさか…陣痛…?
私が必死に痛みに耐えていると、悠太さんはスマホを取り出し、病院に電話をかけて、指示をあおいでいた
「…はい、はい、わかりました。失礼します」
悠太さんは電話を切ると、そっと私を抱き上げた
『…っ、ゆう、た、さん…』
だめ…今の私…重いから…
私はそう思うものの、今ははじめての陣痛に恐怖し、必死で痛みをこらえることしか出来なかった
そんな私を見て、悠太さんは落ち着いて言う
「みのりちゃん、大丈夫。今からすぐ病院に向かうから…つくまで頑張って」
私は頷く
すると、悠太さんは穏やかに笑う
「うん…やっぱり僕のお嫁さんは凄いね!」
悠太さんは、一旦私を玄関の段差に座らせると、車のドアを開けてから、もう一度私を抱き上げ、車の中に座らせるとシートベルトをつけてくれる
「ごめんね、シートベルト、苦しいとは思うんだけど…安全のためだから」
悠太さんは申し訳なさそうにそう言うと、すぐに車のドアを閉めて、自分も乗り込み、車を出した
ー…
悠太さんは、時々私のことを心配そうに振り返りながら、車を走らせた
気付けば病院で、悠太さんはまた私を抱き上げて病院内に入る
「すみません、先ほどお電話した阿修ですがー…」
「はい、お待ちしてました。こちらへどうぞ」
「はい」
悠太さんに抱き上げられたまま、私はとある病室に入る
悠太さんに下ろしてもらい、ベッドに横になった
私が、悠太さんを見上げると、悠太さんは優しく微笑む
「大丈夫。ちゃんとそばにいるからね」
そんな悠太さんは、すごく頼もしかった…
痛みで負けそうになる私に、悠太さんは、私の手を両手で握って、がんばれ、がんばれと励ましてくれる
そのまま分娩室に移され、私は出産に入った
とんでもない痛みに、心が折れそうになるけど…それでも、悠太さんが、必死に私の手を握り、〝がんばれ…がんばれ…!〟と何度も勇気づけてくれたから、私は無事にお産を終えることができた
赤ちゃんの元気な鳴き声を聞いて、私は安心して泣いてしまった
悠太さんを見ると、悠太さんも瞳を潤ませていて…
『…ふふ、これで、パパとママだね』
私がそう笑いかけると、悠太さんは泣いてしまった
その後、検査で母子共になにも異常が無かったため、病室で私は赤ん坊を抱いていた
『…ふふ、どことなく悠太さんの面影があるなぁ…』
そんなことを思いながら赤ちゃんをあやしていると、ノックと共に悠太さんが入ってきた
『…あ、悠太さん』
悠太さんは、赤ちゃんを抱く私を見て、驚いているようだった
『…?どうかしましたか?』
私がそう問いかけると、悠太さんははっと我に返り、はにかみながら言う
「…なんだか、みのりちゃん…母親の顔になったね」
『え…?』
「だって…入ってきたとき、思わず見とれちゃったもん」
悠太さんは照れ臭そうに笑う
『…そう言う悠太さんも、すごく頼もしかったです。もうすっかり父親ですね』
「えへへ…」
私の言葉を聞くと、さらに顔を綻ばせる悠太さん
『悠太さん、赤ちゃん…抱っこしてみませんか?』
「え…僕、大丈夫かな…」
『なにいってるんですか。これから、この子が大きくなるまで、何度も抱っこする事になるんですよ?ほら…』
「う、うん…」
近くに来た悠太さんに、赤ちゃんをそっと渡す
悠太さんは赤ちゃんを抱っこするのははじめてなのか、すごく緊張していた様子だけど、腕の中で眠る赤ちゃんを見て、すごく嬉しそうに笑った
「…この子が、僕たちの赤ちゃん…」
悠太さんが小さく呟く
『はい。今はまだ産まれたばかりだから、あんまりどっちに似てるとか、そういうのはわかりませんけど…この子が大きくなったら、きっと、悠太さんにそっくりですよ』
私が嬉しそうに笑うと、悠太さんは涙声で言った
「…みのりちゃん」
『はい?』
「この子を…産んでくれて、ありがとう…。絶対…絶対に、君もこの子も、僕が守るから…!」
悠太さんの誓い
(それは、改めて命の尊さを感じた悠太さんと私の、未来永劫の約束)
恋人だった時から、凄く甘えたがりだった悠太さんは、夫婦になってからも健在で
…でも、夫婦になってからは、より頼もしい悠太さんを見ることが増えて、私はますます悠太さんに夢中になっていた
そんなある日…
『悠太さーん、朝ですよー』
「…うーん、後5分…」
『…もう』
部屋のカーテンを開けて、朝の光を取り込む
「…うーん…まぶしいよ…」
『朝ですからね。ほら、お仕事なんでしょう?起きてください』
悠太さんの寝ているベッドに近付き、悠太さんを揺さぶって起こそうと、手を伸ばしたとき
『え…?』
ぐいっと力強く腕を引かれ、気づけば私は悠太さんの上に寝転んでいた
『悠太さん…起きてたんですね?』
「…えへへ」
頭の上にある悠太さんの顔を見上げると、悠太さんが嬉しそうに笑う
『起きてたなら、準備しないと…』
私がそう言うと、悠太さんは私を抱き寄せる
「やーだ」
『え…?』
「だって…ここのところみのりちゃんといちゃいちゃできてないから、みのりちゃん不足なんだもん…」
悠太さんは可愛らしくぷくっと膨れて見せた
『…ふふ』
「あ、また笑った…。そんなみのりちゃんには…ー!」
悠太さんが私の頬に手を当て、唇を奪う
『ん…』
ちゅ、と音をたてて、悠太さんの唇が離れる
「…キスのお仕置き」
『…っ!』
私が恥ずかしくなって、ぐりぐりと悠太さんの胸に頭を擦り付けると、悠太さんは笑う
「…ふふ、そんなに恥ずかしがって…可愛い」
また悠太さんが私にキスをしようと迫ってくるので、私は慌てて彼の肩を叩いた
『ちょ、悠太さん!朝からはダメですからね!?』
「えー…」
『えー…じゃないです!』
その後、私が必死にお願いして、悠太さんに起きてもらった
朝御飯を食べながら、悠太さんが私に問う
「…そういえば、最近みのりちゃん、全然食べないよね?ダイエットでもしてるの?」
『え?いや、そんなことはないですよ?』
「嘘。何年君と一緒にいると思ってるの、それくらいわかるよ」
『…悠太さん…』
「…それで、何かあったの?」
『それが…最近、食べ物の匂いを嗅ぐと、気持ち悪くなってしまって…』
「…えっ、それじゃあみのりちゃん、毎日僕のご飯作るのも辛いんじゃない?」
『それは大丈夫です。…それに、悠太さんはお料理苦手でしょう?だから、私が作らないと』
「みのりちゃん…」
悠太さんが心配そうに私を見ている
「…ねぇ、今日、僕が帰ってきたら、病院行こう?」
『え?』
「何かの病気だといけないし…なにより、僕が心配」
心配そうにそう言われてしまえば、私はうなずくことしか出来なかった
ー…
午後、悠太さんは帰宅すると、車を出して病院まで連れていってくれた
病院で、診察待ちする事しばらく
「阿修さーん、阿修みのりさーん」
「あ、呼ばれた…。行こう?」
『はい』
私は悠太さんに手を引かれ、診察室へ
症状を話すと、検査してみましょうと言われ、検査すると、驚くことを言われた
「…先生、妻は…」
「旦那さん、奥さん、おめでとうございます。妊娠されていますよ」
『「…え?」』
私と悠太さんの言葉が被った
「今は、妊娠五週目ですね」
『…にん、しん…?』
私は驚いて、それしか言葉が出なかった
でも、私とは逆に、悠太さんは凄く喜んでくれて…
「やったぁ…!みのりちゃん、僕たち、お父さんとお母さんになるんだよ!」
『…お父さんと、お母さん…』
「…奥さん、突然のことで動揺されていると思いますが、しっかり旦那さんと話し合って、産むかどうか、決めてくださいね」
『…はい』
「…みのりちゃん…?」
先生の話を聞いて、うつむく私を、悠太さんは、心配そうに見つめていた…
自宅に戻ると、悠太さんは私をソファに座らせると、自分は床の上に座り、真っ正面から私を見る
『…悠太、さん…?』
突然の行動に、目をパチパチさせていると、悠太さんが真剣な…それでいて、少し悲しそうな顔で、私に問いかける
「…みのりちゃん、もしかして…僕との子供、産むの嫌?僕のこと…嫌いになった…?」
その言葉を聞き、私はあわてて首を横に振る
『そんなことないです!』
「…じゃあ、なんで妊娠がわかったのに、喜んでくれないの…?」
『…マタニティブルーって、知ってますか?』
「え?うん、言葉だけなら聞いたことあるけど…ごめん、すぐ調べるから、ちょっと待ってて!」
悠太さんは、すぐにスマホでマタニティブルーを検索した
「…これって…」
『…はい。たぶん、今の私はマタニティブルーだと思います。別に、悠太さんの事が嫌いになったわけでも、悠太さんと私の子供を産みたくないわけでもないですから』
私がそう告げると、悠太さんはなんだか安心した様子だった
「…わかった。君の気持ちが落ち着くまで、ゆっくりして。あ、あと、今後の食事は僕が作るからね!」
『…悠太さん…』
悠太さんの理解ある発言に、私はとても安心した
『…ふふ、キッチンは壊さないでくださいね』
「え、大丈夫だよ!僕あれから成長したもん」
『…確かに、昔よりずっと逞しく、頼れる旦那様になりましたよね』
私がそう微笑みかけると、悠太さんは嬉そうに笑った
ー…
あれから数週間がたち、私のマタニティブルーはすっかり解消されていた
「みのりちゃん!朝御飯できたよ!」
『はい、ありがとうございます』
その理由は、時間がたったから、ということもあるけど、なにより、旦那様である悠太さんが、かいがいしくお世話をしてくれるようになったからだ
あの日、病院で妊娠を告げられたとき…悠太さんは仕事で忙しいし、私だけで赤ちゃんを育てるのかと思うと、不安で仕方がなかった
でも、悠太さんが私の話をしっかり聞いてくれて、理解してくれて、尚且つ家事を積極的にしてくれるようになったから…私は、悠太さんとなら大丈夫。お腹の子を、悠太さんと育てたいと、思うことができたのだ。
『…ねぇ、悠太さん』
「ん?なあに?みのりちゃん」
私の前で、私が食べるのを見ている悠太さんに、私は言った
『私…お腹の子を、産みたいです』
私が目を伏せてそう言うと、悠太さんは目を丸くして、それからとびっきり嬉しそうに笑った
「…っ!うん!頑張って、一緒に育てようね!」
悠太さんの言葉に、私は頷いた
そして、出産を間近に控えた頃
大きくなったお腹を、一人そっと撫でていると、ガチャリと音がして、玄関の鍵が開いた
「ただいまー」
あ、悠太さんだ…
私はそう思って、ゆっくりと玄関までいく
悠太さんは、私が玄関まで行くと驚いていた
「わっ!みのりちゃん!?わざわざ玄関まで来てくれたの…?」
『だって、悠太さんをちゃんとお迎えしたくて…』
「そっか…ありがー…!?みのりちゃん!?」
私は、急にお腹が痛くなった
これってまさか…陣痛…?
私が必死に痛みに耐えていると、悠太さんはスマホを取り出し、病院に電話をかけて、指示をあおいでいた
「…はい、はい、わかりました。失礼します」
悠太さんは電話を切ると、そっと私を抱き上げた
『…っ、ゆう、た、さん…』
だめ…今の私…重いから…
私はそう思うものの、今ははじめての陣痛に恐怖し、必死で痛みをこらえることしか出来なかった
そんな私を見て、悠太さんは落ち着いて言う
「みのりちゃん、大丈夫。今からすぐ病院に向かうから…つくまで頑張って」
私は頷く
すると、悠太さんは穏やかに笑う
「うん…やっぱり僕のお嫁さんは凄いね!」
悠太さんは、一旦私を玄関の段差に座らせると、車のドアを開けてから、もう一度私を抱き上げ、車の中に座らせるとシートベルトをつけてくれる
「ごめんね、シートベルト、苦しいとは思うんだけど…安全のためだから」
悠太さんは申し訳なさそうにそう言うと、すぐに車のドアを閉めて、自分も乗り込み、車を出した
ー…
悠太さんは、時々私のことを心配そうに振り返りながら、車を走らせた
気付けば病院で、悠太さんはまた私を抱き上げて病院内に入る
「すみません、先ほどお電話した阿修ですがー…」
「はい、お待ちしてました。こちらへどうぞ」
「はい」
悠太さんに抱き上げられたまま、私はとある病室に入る
悠太さんに下ろしてもらい、ベッドに横になった
私が、悠太さんを見上げると、悠太さんは優しく微笑む
「大丈夫。ちゃんとそばにいるからね」
そんな悠太さんは、すごく頼もしかった…
痛みで負けそうになる私に、悠太さんは、私の手を両手で握って、がんばれ、がんばれと励ましてくれる
そのまま分娩室に移され、私は出産に入った
とんでもない痛みに、心が折れそうになるけど…それでも、悠太さんが、必死に私の手を握り、〝がんばれ…がんばれ…!〟と何度も勇気づけてくれたから、私は無事にお産を終えることができた
赤ちゃんの元気な鳴き声を聞いて、私は安心して泣いてしまった
悠太さんを見ると、悠太さんも瞳を潤ませていて…
『…ふふ、これで、パパとママだね』
私がそう笑いかけると、悠太さんは泣いてしまった
その後、検査で母子共になにも異常が無かったため、病室で私は赤ん坊を抱いていた
『…ふふ、どことなく悠太さんの面影があるなぁ…』
そんなことを思いながら赤ちゃんをあやしていると、ノックと共に悠太さんが入ってきた
『…あ、悠太さん』
悠太さんは、赤ちゃんを抱く私を見て、驚いているようだった
『…?どうかしましたか?』
私がそう問いかけると、悠太さんははっと我に返り、はにかみながら言う
「…なんだか、みのりちゃん…母親の顔になったね」
『え…?』
「だって…入ってきたとき、思わず見とれちゃったもん」
悠太さんは照れ臭そうに笑う
『…そう言う悠太さんも、すごく頼もしかったです。もうすっかり父親ですね』
「えへへ…」
私の言葉を聞くと、さらに顔を綻ばせる悠太さん
『悠太さん、赤ちゃん…抱っこしてみませんか?』
「え…僕、大丈夫かな…」
『なにいってるんですか。これから、この子が大きくなるまで、何度も抱っこする事になるんですよ?ほら…』
「う、うん…」
近くに来た悠太さんに、赤ちゃんをそっと渡す
悠太さんは赤ちゃんを抱っこするのははじめてなのか、すごく緊張していた様子だけど、腕の中で眠る赤ちゃんを見て、すごく嬉しそうに笑った
「…この子が、僕たちの赤ちゃん…」
悠太さんが小さく呟く
『はい。今はまだ産まれたばかりだから、あんまりどっちに似てるとか、そういうのはわかりませんけど…この子が大きくなったら、きっと、悠太さんにそっくりですよ』
私が嬉しそうに笑うと、悠太さんは涙声で言った
「…みのりちゃん」
『はい?』
「この子を…産んでくれて、ありがとう…。絶対…絶対に、君もこの子も、僕が守るから…!」
悠太さんの誓い
(それは、改めて命の尊さを感じた悠太さんと私の、未来永劫の約束)