カールハインツさんの申し出を受けたあと、私は彼の家族に紹介されることになった


「…すまない、全員は紹介出来無いのだが…」


まず、最初に紹介されたのは、第一夫人のコーデリアさん


「…ふふ。はじめまして、かわいいお嬢さん。コーデリアよ」


『あ、はい、よろしくお願いします…』


彼女を見て、私はここが某ゲームの世界であると確信した


紫色の長い髪に、色気全開のドレス…


ゲームで見た姿のままだったから


「ふふっ、カールから紹介したい人がいるなんて聞いたときは、どんな女かと思ったけど…可愛いお嬢さんで驚いたわ」


私、娘も欲しかったのよねなんて言うコーデリアさん


…今はまだ、穏やかなのかな？


彼女の悲しい最後を知っているから、胸が痛む


『…はじめまして、コーデリアさん。今日から、よろしくお願いします』


私は、痛む胸を隠し、目一杯笑顔を浮かべた


それを見て、カールハインツさんもコーデリアさんも、穏やかに笑っていた





…次に紹介されたのが、第二夫人、ベアトリクスさん

「…さあ、自己紹介を」


『は、はい…江藤みのりです…よろしく、お願いします…』


しっかりと伸びた背筋に、気品ある態度…初めて見るベアトリクスさんに、私は緊張していた


…けれど、ベアトリクスさんは、私がぎこちなく頭を下げると、クスリと笑って、笑顔を見せてくれた


「…はじめまして、ベアトリクスですわ。みのりさん…だったかしら。よろしくお願いしますね」


そう微笑みかけられ、私も笑顔を浮かべたのだったー





第一夫人と第二夫人

(仲良くやれるといいな…)