第2話『仕事、決まる』
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「わぁぁ…!」/「…!」
私がスプーンとフォーク、それから人数分の麦茶を持っていくと、明謙くんと唯月くんが、ロールキャベツを見て目を輝かせていた
その横で、遙日くんもなんだか自慢げだ…
『…どうかしたんですか?』
「…っ、ご、ごめん、あんまり美味しそうだったから…」
唯月くんが頬を赤くしながら答えてくれた
『そうなんですか…ふふ、お口に合えばいいですけど』
私はそう言いながら、テーブルに飲み物と食器を置いた
「…みのり、ありがとう」
『え?何がですか?』
キョトンとする私に、三人は笑った
「…よし!食べようぜ!」
遙日くんの言葉に、唯月くん達は席についた
…ので、私も席につく
「…それじゃあ、いただきます!」
「「いただきます」」
三人は手をあわせてそう言ってから食べ始めた
『…どう、ですか?』
不安になって問いかけた
すると
「めっっっちゃくちゃ美味しい!」
「うん」
「僕も凄く美味しいです!」
三人から笑顔を向けられ、私はそっと息をはいた
よかった…
とても美味しそうに食べてくれる三人に、私も笑顔になる
一番最初に食べ終わったのは遙日くんだった
遙日くんは、まだ足りないのか私を見る
『…あ、おかわりですね、ありますよ』
そういうと、遙日くんは目に見えて喜ぶ
すると、そのあとすぐに明謙くんも食べ終え
「僕もいいですか?」
と問われ、勿論、と答えた
『唯月くんはどう?一杯で足りる?』
唯月くんは首を横に降った
「…僕も、欲しい」
食べ終わったお皿を、そっと差し出され受けとる
『ふふ、わかりました。少し待っててくださいね』
私は嬉しくなって、三人の空のお皿をお盆にのせ、キッチンへ向かう
三人のところにおかわりを届けたあと、私は自室に向かい、自室からあるものを持ってきた
一方その頃のリビングでは…
「…ハル、抜け駆け禁止」
「えー?そんなこと言うなら、ゆづも来ればよかったじゃん?」
「だって…ハルもみのりも、すごいいい雰囲気だったから…明謙も、そう思うよね?」
「え?えーっと…僕は…」
歯切れの悪い明謙に、遙日はいじの悪い笑みを見せる
「…ま、いいけど。知らない間に俺かゆづがみのりと結ばれても怒らないでよ?」
挑発的な言い方に、明謙は眉を寄せた
「…でも、彼女のことを好きなのが、僕たちだけ、とも…限らないよね」
唯月が言った
すると、その場に沈黙が降りた
『…すみません、お待たせしました!』
私がリビングに戻ると、その場の全員が私を見た
『…え…?』
思わず後ずさると、明謙くんが私の手の物に気づいて声をあげる
「…あ、それ…」
『あ、そうそう、折角だから、写真でも撮りたいなって思って』
私の手のなかには、一眼レフがある
「え、そんな本格的なの持ってるの?」
『うーん…本格的かどうかはわからないけど…写真を撮るのは好きで、良く撮るから…』
そう、この間部屋の中を探していたときに見つけた一眼レフ
折角なら、この光景をとっておきたいと、そう思ったのだ
『…3人とも、お写真撮っても大丈夫ですか?』
私が眉を下げて聞くと、三人は頷いてくれた
すると、遙日くんが突然立ち上がり、こっちに来る
その後に唯月くんと明謙くんも来た
え…?と私が混乱していると、カメラの操作を確認していた遙日くんが、グッと私の肩を抱き寄せた
カメラのレンズを自分の方に向け、シャッターボタンに指を置いている
「はい、チーズ」
『え…?』
私は相当間抜けな顔をしていたと思う…
だけど遙日くんは、その写真を確認して嬉しそうに笑うのだ
「…うん、設定は大丈夫そうだね。ゆづ、明謙っち!来なよ!」
遙日くんがそういうと、唯月くんが私を挟んで遙日くんの隣、明謙くんは後ろから私の肩に手をおき顔を出している
「…ほら、みのりも笑って」
『は、はい…!』
唯月くんに耳元で囁かれ、私はビクッとしながら笑顔を作った
「いくよー?はい、チーズ!」
カシャッ
撮ると、遙日くんが写真を確認して笑う
「いいじゃんこれ!」
「うん…みんないい笑顔」
「僕にも見せて!」
「はい、明謙っち!」
「…うん、凄い良いと思う!」
「だよな!ほら、みのりも見て!」
隣にいた遙日くんがカメラの画面を見せてくれた
それは、とっても綺麗に撮ってあって、私は息を飲む
「…どう?いいっしょ?」
『うん…遙日くん、カメラ使うの上手いんだね』
「まーね!」
私が誉めると嬉しそうに笑う遙日くん
だが、ふと目にした時計に、驚く
『…もう17:00か…』
「え、もうそんな時間!?」
「…みたいだね」
「そんなぁ…」
目に見えて落ち込む三人に、私は言う
『…あの、きっとまた会えますから!』
すると、遙日くんがばっと顔を上げた
「そうだ!連絡先交換すれば良いんじゃん!」
「…確かに…」
「うん、それならいつが空いてるかとか、どこにいるかとか、聞けるしね!」
「ね、いいよね!?」
顔を近づけてそう言われ、断る理由もなかったので承諾した
『…はい、大丈夫です』
「やったぁ!まずは俺からね!」
遙日くんがポケットからスマホを取り出し、操作する
電話番号とメールアドレス、それから、例のチャットと通話が無料でできるアプリのIDを交換した
もちろん、唯月くん、明謙くんとも
「よっし!これで完璧!」
「…はる、明謙、そろそろ帰らないと…」
「え、マジ?うわ、急げ!」
3人は慌ててロールキャベツを完食すると、荷物を持って急いで玄関の方に向かう
私もそれを追いかけ、玄関でお見送りした
「それじゃあ、今日はご馳走さまでした!」
『いえいえ、また来てください』
「うん、来る、絶対来る!」
「こら、はる。…本当に、ありがとう。美味しかった」
『こちらこそ、ありがとうございました』
3人と挨拶を交わすと、3人は玄関の扉を開け、出ていった
リビングに戻ると、カメラが目に入ったので、先程の写真を確認する
…確かに、私のそばに3人が写っていて、これは夢では無いんだ、と改めて思った
2-2.この世界ではじめての写真
(…遙日くんに肩を抱き寄せられたときとか、唯月くんに囁かれたときとか、3人に囲まれてたとき…凄いドキドキした…)
私がスプーンとフォーク、それから人数分の麦茶を持っていくと、明謙くんと唯月くんが、ロールキャベツを見て目を輝かせていた
その横で、遙日くんもなんだか自慢げだ…
『…どうかしたんですか?』
「…っ、ご、ごめん、あんまり美味しそうだったから…」
唯月くんが頬を赤くしながら答えてくれた
『そうなんですか…ふふ、お口に合えばいいですけど』
私はそう言いながら、テーブルに飲み物と食器を置いた
「…みのり、ありがとう」
『え?何がですか?』
キョトンとする私に、三人は笑った
「…よし!食べようぜ!」
遙日くんの言葉に、唯月くん達は席についた
…ので、私も席につく
「…それじゃあ、いただきます!」
「「いただきます」」
三人は手をあわせてそう言ってから食べ始めた
『…どう、ですか?』
不安になって問いかけた
すると
「めっっっちゃくちゃ美味しい!」
「うん」
「僕も凄く美味しいです!」
三人から笑顔を向けられ、私はそっと息をはいた
よかった…
とても美味しそうに食べてくれる三人に、私も笑顔になる
一番最初に食べ終わったのは遙日くんだった
遙日くんは、まだ足りないのか私を見る
『…あ、おかわりですね、ありますよ』
そういうと、遙日くんは目に見えて喜ぶ
すると、そのあとすぐに明謙くんも食べ終え
「僕もいいですか?」
と問われ、勿論、と答えた
『唯月くんはどう?一杯で足りる?』
唯月くんは首を横に降った
「…僕も、欲しい」
食べ終わったお皿を、そっと差し出され受けとる
『ふふ、わかりました。少し待っててくださいね』
私は嬉しくなって、三人の空のお皿をお盆にのせ、キッチンへ向かう
三人のところにおかわりを届けたあと、私は自室に向かい、自室からあるものを持ってきた
一方その頃のリビングでは…
「…ハル、抜け駆け禁止」
「えー?そんなこと言うなら、ゆづも来ればよかったじゃん?」
「だって…ハルもみのりも、すごいいい雰囲気だったから…明謙も、そう思うよね?」
「え?えーっと…僕は…」
歯切れの悪い明謙に、遙日はいじの悪い笑みを見せる
「…ま、いいけど。知らない間に俺かゆづがみのりと結ばれても怒らないでよ?」
挑発的な言い方に、明謙は眉を寄せた
「…でも、彼女のことを好きなのが、僕たちだけ、とも…限らないよね」
唯月が言った
すると、その場に沈黙が降りた
『…すみません、お待たせしました!』
私がリビングに戻ると、その場の全員が私を見た
『…え…?』
思わず後ずさると、明謙くんが私の手の物に気づいて声をあげる
「…あ、それ…」
『あ、そうそう、折角だから、写真でも撮りたいなって思って』
私の手のなかには、一眼レフがある
「え、そんな本格的なの持ってるの?」
『うーん…本格的かどうかはわからないけど…写真を撮るのは好きで、良く撮るから…』
そう、この間部屋の中を探していたときに見つけた一眼レフ
折角なら、この光景をとっておきたいと、そう思ったのだ
『…3人とも、お写真撮っても大丈夫ですか?』
私が眉を下げて聞くと、三人は頷いてくれた
すると、遙日くんが突然立ち上がり、こっちに来る
その後に唯月くんと明謙くんも来た
え…?と私が混乱していると、カメラの操作を確認していた遙日くんが、グッと私の肩を抱き寄せた
カメラのレンズを自分の方に向け、シャッターボタンに指を置いている
「はい、チーズ」
『え…?』
私は相当間抜けな顔をしていたと思う…
だけど遙日くんは、その写真を確認して嬉しそうに笑うのだ
「…うん、設定は大丈夫そうだね。ゆづ、明謙っち!来なよ!」
遙日くんがそういうと、唯月くんが私を挟んで遙日くんの隣、明謙くんは後ろから私の肩に手をおき顔を出している
「…ほら、みのりも笑って」
『は、はい…!』
唯月くんに耳元で囁かれ、私はビクッとしながら笑顔を作った
「いくよー?はい、チーズ!」
カシャッ
撮ると、遙日くんが写真を確認して笑う
「いいじゃんこれ!」
「うん…みんないい笑顔」
「僕にも見せて!」
「はい、明謙っち!」
「…うん、凄い良いと思う!」
「だよな!ほら、みのりも見て!」
隣にいた遙日くんがカメラの画面を見せてくれた
それは、とっても綺麗に撮ってあって、私は息を飲む
「…どう?いいっしょ?」
『うん…遙日くん、カメラ使うの上手いんだね』
「まーね!」
私が誉めると嬉しそうに笑う遙日くん
だが、ふと目にした時計に、驚く
『…もう17:00か…』
「え、もうそんな時間!?」
「…みたいだね」
「そんなぁ…」
目に見えて落ち込む三人に、私は言う
『…あの、きっとまた会えますから!』
すると、遙日くんがばっと顔を上げた
「そうだ!連絡先交換すれば良いんじゃん!」
「…確かに…」
「うん、それならいつが空いてるかとか、どこにいるかとか、聞けるしね!」
「ね、いいよね!?」
顔を近づけてそう言われ、断る理由もなかったので承諾した
『…はい、大丈夫です』
「やったぁ!まずは俺からね!」
遙日くんがポケットからスマホを取り出し、操作する
電話番号とメールアドレス、それから、例のチャットと通話が無料でできるアプリのIDを交換した
もちろん、唯月くん、明謙くんとも
「よっし!これで完璧!」
「…はる、明謙、そろそろ帰らないと…」
「え、マジ?うわ、急げ!」
3人は慌ててロールキャベツを完食すると、荷物を持って急いで玄関の方に向かう
私もそれを追いかけ、玄関でお見送りした
「それじゃあ、今日はご馳走さまでした!」
『いえいえ、また来てください』
「うん、来る、絶対来る!」
「こら、はる。…本当に、ありがとう。美味しかった」
『こちらこそ、ありがとうございました』
3人と挨拶を交わすと、3人は玄関の扉を開け、出ていった
リビングに戻ると、カメラが目に入ったので、先程の写真を確認する
…確かに、私のそばに3人が写っていて、これは夢では無いんだ、と改めて思った
2-2.この世界ではじめての写真
(…遙日くんに肩を抱き寄せられたときとか、唯月くんに囁かれたときとか、3人に囲まれてたとき…凄いドキドキした…)