『ふんふんふーん♪』


今日も仕事を終え、無事自宅に帰ってきた


『はぁー！お疲れ様！自分！』


そう言いながら、麦茶をぐいっと飲み干す


今日は金曜日


明日から土、日と休みだから、なんだか浮かれているんだろう


『よーし！休みはB-proのゲームを目一杯やろう！』


そう浮かれていたとき


『…？』


グラッと視界が揺れて、私は気を失ってしまった






ー…


みのり…


みのり…！


「みのり！」


『っ！？』


強く名前を呼ばれて、ハッと意識が戻った


『…ここは…』


「あぁ、よかった…やっと目が覚めたのね！」


『…？』


ボーッと見知らぬ天井を眺めていたら、誰かに顔を覗き込まれた


…この人って…澄空さんそっくり…


私がまじまじと彼女を見ていると、彼女が心配したように問う


「…どうしたの？痛いところでもある？」


『…えっと…』


私が返答に困っていると、澄空さん(仮)が
苦笑する


「目覚めたばかりだものね…今は無理をしない方がいいわ」


『…？』


澄空さん(仮)は私の頭を優しく撫でる


…なんだろう、これ、懐かしいような…


そんな感覚を覚えながら、目を細めると、澄空さん(仮)が笑う


「ふふ、貴女、いつも頭を撫でると嬉しそうな顔をするわよね」


『え…？』


いつもー…？


ズキン


頭が痛み、目をつむる


「…みのり…？大丈夫？」


『あ…はい、少し頭痛がしただけなので』


「そう…無理はしないでね」


澄空さん(仮)は優しく笑うと、今の状況を説明してくれた


なんと、私は雨の中、澄空さん(仮)の誕生日ケーキをとりに行く途中で、倒れてしまったらしい


「お医者様は貧血だろうっておっしゃってたわ」


『…あの』


「何？」


澄空さん(仮)の言動に、なんだか違和感を感じ、おどおどしながら尋ねてみることにした


『…あの、貴女と私は、どんな関係で…』


「えっ！？私のこと忘れちゃったの…！？」


澄空さんが悲しそうな顔をする


「…きっと、急に倒れたから混乱してるのね。私は、貴女の姉で、私たちは姉妹なのよ」


『姉妹…！？』


澄空さん(以下略)が部屋に飾ってあった写真立てを手に取り、私に見せてくれる


そこには、小さい頃の澄空さんと、私らしき女の子が写っていた


「みのりは、昔から病弱だったから…この子は、私がずっと見てないとって、思ったな…」


澄空さんが、昔を懐かしむように目をほそめ、写真をなぞった


『…そうだったんですね…』


「…ええ」


澄空さんは頷く


「とりあえず、貴女も目覚めたことだし、色々とすることがあるから、みのりは大人しく寝てなさいね」


澄空さんにそうさとされ、頷く


「それじゃあ、少し出てくるわね」


澄空さんはそう言うと、この部屋を出た


『…あの澄空さんは、本物…？』


私は少しでも情報が欲しくて、テレビをつけた


すると、アイドル番組がやっていて、そこには、"あの"キタコレ、MooNs、THRIVEが写っていた…


『…っていうことは、ここはB-proの世界…』


そして、私は…主人公の、澄空つばささんの…妹に転生してしまったのである…





1-1.突然の出来事

(これはどうすればいいんだ…？)