第6話『旅行…?』
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マンションにつくと、とりあえずキタコレの部屋に殿さんを運ぶことになった
マンションの廊下を歩きながら、阿修さんを見る
殿さんを背負っているのに、少しも疲れを感じさせない彼に、私は驚いた
「…?どしたの?みのりちゃん」
私の視線に気付いた阿修さんが私を振り返る
『あ、すみません…阿修さん、細身なのに凄く力持ちなんだなって思って』
「…ふふ、ありがと!まぁ、いつも鍛えてるからね!だから、みのりちゃんくらいなら軽々抱っこできるんだから!…試してみる?」
『っ!だ、大丈夫です!』
「えー?ちぇー」
私たちがそんな会話をしていると、是国さんが言う
「ほら、着いたから、悠太はさっさと部屋の中にトノを運んで。和南はトノに布団出してあげて」
「うー…はーい」
「うん、わかった」
そういうと、阿修さんと増長さんは中に入っていった
『…あの、是国さん、私は…』
「あぁ、君はこっち」
是国さんは私を連れてキッチンへと向かう
「僕は飲み物とか薬とかを届けてくるから、みのりは、トノが起きたときに食べれそうなものを作ってくれる?」
『あ、はい!わかりました!』
「食材は、ここにあるものなら何でも使っていいから」
是国さんはそう言うと、風邪薬にコップに入った水、あと冷えピタを持って三人のもとへ向かった
『…よし』
私はそれを見届けると、腕捲りをした
冷蔵庫の中などを確認して、作るものを考える
『…卵粥とかなら、食べられるかな』
私は卵粥を作ることにした
てきぱきと動き、あっという間に卵粥は完成
それから、是国さんたちもお腹減ってるといけないから、おにぎりも作った
『…よし』
作り終わり、ふうと息をつくと、どこからか呟きが聞こえた
「…確かに、これはいいお嫁さんになれる、か」
『え…?』
私が驚いてそっちを見ると、是国さんが壁に寄りかかりながら、じっと私を見ていた
『…え、是国さん…?』
「…さ、そろそろトノも起きるだろうし、行くよ」
『え、あっ、はい!』
私がお盆を探していると、是国さんが差し出してくれた
「これでしょ?」
『はい!ありがとうございます!』
私はお盆の上に、卵粥とおにぎりを置き、持ち上げた
すると、是国さんはそれを当たり前のように受け取り、私を先導する
「ほら行くよ」
『あっ、はい!』
部屋に入ると、殿さんが丁度めざめた所だった
「あ、トノ起きたの?」
「うん、丁度いまだよ」
「…俺は…」
殿さんは状態をのみ込めないのか、困った顔をしている
『殿さん、熱で倒れたんです』
「…あ」
思い出したのか、殿さんが目を見開く
「っ、仕事は…!」
『明謙くんたちがお願いしてくれて、後日、体調が回復してからでいいそうですよ』
私がそう微笑むと、殿さんはぐっと唇を噛む
『…殿さん』
「…なんでしょう」
私が声をかけると答えてはくれるが、顔はあげてくれない
『…明謙くんが、凄く心配していましたよ。もちろん、唯月くんと、遙日くんも』
「…」
『…確かに、お仕事は大切かもしれません。でも、だったら尚更、私達のことは、頼ってください』
「…え?」
殿さんがようやく顔を上げた
『ちょっとでも具合が悪ければ、話してください。そうすれば私たちは、それを支えることができます。私は…チームは、お互いに頼り頼られてこそだと、そう思うんです』
「…江藤さん…」
私は微笑みを返した
少しでも、私の気持ちが届いたら、それでいい
すると、その場にぐぅ、と音がなった
その音は、殿さんのお腹から発せられたもので…
『…ふふ、よかった。これなら、食べられそうですね』
私は卵粥の入った器を差し出す
『…あ、そうだ、このおにぎりは、皆さんにです。よかったら食べてください』
「…え、僕たち?いいの?」
今まで黙っていた阿修さんたちに、おにぎりの器を差し出す
『はい、もちろんです。こんな簡単なもので申し訳無いですが…』
「ううん、ありがとう。いただくよ」
「いただきまーす!」
早速阿修さんが食べ始める
それに続き是国さんも食べ始め、増長さんも食べてくれた
『…どうですか?』
「…うん、凄く美味しいよ」
『よかったです…』
増長さんに微笑まれ、私は安堵する
「うん、凄く美味しいよ!みのりちゃん!ね!竜ちゃん!」
「…悪くはないんじゃない?」
「あ、竜ちゃんがデレてるー!」
「なっ!デレてない!」
『…ふふ』
そんな二人を微笑ましく思いながら殿さんに視線を移すと、殿さんもゆっくり食べてくれていた
『…味、大丈夫ですか?』
「…、はい、美味しいです」
殿さんが頷いてくれたので、私はほっと胸を撫で下ろす
「…あれ、みのりちゃんは食べないの?」
『あ…私は大丈夫です。そこまでお腹空いてないですし…』
阿修さんの問いかけに、私がそう手をふると、是国さんがずいっとチョッパチャロスを差し出す
『…え?』
「…これなら、お腹空いてなくても食べれるでしょ」
是国さんの気遣いに、胸の辺りが暖かくなった
『…ありがとうございます。いただきますね』
チチョッパチャロスの包みをはがし、口に含む
『…ふふ、美味しい』
私がそう微笑むと、三人は安心したように笑った
そして、殿さんには食べ終わった後に薬を飲んでもらい、もう一度寝てもらった
殿さんを皆さんに見ててもらい、私は食器の片付けをする
『…ふぅ』
とりあえず、よかった
そう思うと、ついため息をつきたくなってしまう
するとー…
「…みのりちゃん?どうしたの?」
『えっ…』
声がして、その方を見ると、阿修さんが心配そうな顔で私を見ていた
『…どうかしましたか?』
私がそう作った笑顔で問いかけると、阿修さんはより表情を険しくする
『…?阿修さー「…無理しないで」』
気付いたら、私は阿修さんに抱きしめられていた
『…そんなこと。無理なんて…』
してない、そう答えようとしたが、阿修さんはよりきつく私を抱きしめると言う
「無理してるよ…みのりちゃん、凄く疲れた顔してるもん…まっすーも、竜ちゃんも、僕も…ほんとは、トノちゃんだけじゃなくて、みのりちゃんのことも心配してる」
『…私…?』
阿修さんはうなずく
「…もちろん、今収録をしている明謙ちんたちや、他のメンバーもそうだよ。…君は、いつも頑張りすぎちゃうから…」
『…阿修さん』
阿修さんの体の温もりに、こわばっていた体から、徐々に力が抜ける
「…目の前で、人が倒れたら…しかも、それが知ってる人だったら…怖いよね」
阿修さんがポンポンと私の背中をあやすように叩きながら、言う
『…っ!』
阿修さんの言葉に、私はようやく気付いた
私は…ショックだったんだ
殿さんが倒れたことが…
でも、私は皆さんのお世話をするA&R…
弱音なんて吐けなくて、必死で自分を奮い立たせていたんだ…
自分の感情を理解すると、ポロポロと涙がこぼれていく
『…っ、すみません…』
私は阿修さんから離れようとするけれど、阿修さんは逆に私を抱きしめる腕に力を入れるだけだった
『…阿修、さん…?』
「…この体制なら、僕からは君の顔は見えない。だから、どんな顔しても、何をしてもいいよ」
阿修さんがそっと私の頭を撫でてくれて…私が本格的に泣き出すのに、そう時間はかからなかった
6-2.ショック
(…でも、私が自分で気付かなかった感情に、どうして阿修さんは気付いたんだろう…)
マンションの廊下を歩きながら、阿修さんを見る
殿さんを背負っているのに、少しも疲れを感じさせない彼に、私は驚いた
「…?どしたの?みのりちゃん」
私の視線に気付いた阿修さんが私を振り返る
『あ、すみません…阿修さん、細身なのに凄く力持ちなんだなって思って』
「…ふふ、ありがと!まぁ、いつも鍛えてるからね!だから、みのりちゃんくらいなら軽々抱っこできるんだから!…試してみる?」
『っ!だ、大丈夫です!』
「えー?ちぇー」
私たちがそんな会話をしていると、是国さんが言う
「ほら、着いたから、悠太はさっさと部屋の中にトノを運んで。和南はトノに布団出してあげて」
「うー…はーい」
「うん、わかった」
そういうと、阿修さんと増長さんは中に入っていった
『…あの、是国さん、私は…』
「あぁ、君はこっち」
是国さんは私を連れてキッチンへと向かう
「僕は飲み物とか薬とかを届けてくるから、みのりは、トノが起きたときに食べれそうなものを作ってくれる?」
『あ、はい!わかりました!』
「食材は、ここにあるものなら何でも使っていいから」
是国さんはそう言うと、風邪薬にコップに入った水、あと冷えピタを持って三人のもとへ向かった
『…よし』
私はそれを見届けると、腕捲りをした
冷蔵庫の中などを確認して、作るものを考える
『…卵粥とかなら、食べられるかな』
私は卵粥を作ることにした
てきぱきと動き、あっという間に卵粥は完成
それから、是国さんたちもお腹減ってるといけないから、おにぎりも作った
『…よし』
作り終わり、ふうと息をつくと、どこからか呟きが聞こえた
「…確かに、これはいいお嫁さんになれる、か」
『え…?』
私が驚いてそっちを見ると、是国さんが壁に寄りかかりながら、じっと私を見ていた
『…え、是国さん…?』
「…さ、そろそろトノも起きるだろうし、行くよ」
『え、あっ、はい!』
私がお盆を探していると、是国さんが差し出してくれた
「これでしょ?」
『はい!ありがとうございます!』
私はお盆の上に、卵粥とおにぎりを置き、持ち上げた
すると、是国さんはそれを当たり前のように受け取り、私を先導する
「ほら行くよ」
『あっ、はい!』
部屋に入ると、殿さんが丁度めざめた所だった
「あ、トノ起きたの?」
「うん、丁度いまだよ」
「…俺は…」
殿さんは状態をのみ込めないのか、困った顔をしている
『殿さん、熱で倒れたんです』
「…あ」
思い出したのか、殿さんが目を見開く
「っ、仕事は…!」
『明謙くんたちがお願いしてくれて、後日、体調が回復してからでいいそうですよ』
私がそう微笑むと、殿さんはぐっと唇を噛む
『…殿さん』
「…なんでしょう」
私が声をかけると答えてはくれるが、顔はあげてくれない
『…明謙くんが、凄く心配していましたよ。もちろん、唯月くんと、遙日くんも』
「…」
『…確かに、お仕事は大切かもしれません。でも、だったら尚更、私達のことは、頼ってください』
「…え?」
殿さんがようやく顔を上げた
『ちょっとでも具合が悪ければ、話してください。そうすれば私たちは、それを支えることができます。私は…チームは、お互いに頼り頼られてこそだと、そう思うんです』
「…江藤さん…」
私は微笑みを返した
少しでも、私の気持ちが届いたら、それでいい
すると、その場にぐぅ、と音がなった
その音は、殿さんのお腹から発せられたもので…
『…ふふ、よかった。これなら、食べられそうですね』
私は卵粥の入った器を差し出す
『…あ、そうだ、このおにぎりは、皆さんにです。よかったら食べてください』
「…え、僕たち?いいの?」
今まで黙っていた阿修さんたちに、おにぎりの器を差し出す
『はい、もちろんです。こんな簡単なもので申し訳無いですが…』
「ううん、ありがとう。いただくよ」
「いただきまーす!」
早速阿修さんが食べ始める
それに続き是国さんも食べ始め、増長さんも食べてくれた
『…どうですか?』
「…うん、凄く美味しいよ」
『よかったです…』
増長さんに微笑まれ、私は安堵する
「うん、凄く美味しいよ!みのりちゃん!ね!竜ちゃん!」
「…悪くはないんじゃない?」
「あ、竜ちゃんがデレてるー!」
「なっ!デレてない!」
『…ふふ』
そんな二人を微笑ましく思いながら殿さんに視線を移すと、殿さんもゆっくり食べてくれていた
『…味、大丈夫ですか?』
「…、はい、美味しいです」
殿さんが頷いてくれたので、私はほっと胸を撫で下ろす
「…あれ、みのりちゃんは食べないの?」
『あ…私は大丈夫です。そこまでお腹空いてないですし…』
阿修さんの問いかけに、私がそう手をふると、是国さんがずいっとチョッパチャロスを差し出す
『…え?』
「…これなら、お腹空いてなくても食べれるでしょ」
是国さんの気遣いに、胸の辺りが暖かくなった
『…ありがとうございます。いただきますね』
チチョッパチャロスの包みをはがし、口に含む
『…ふふ、美味しい』
私がそう微笑むと、三人は安心したように笑った
そして、殿さんには食べ終わった後に薬を飲んでもらい、もう一度寝てもらった
殿さんを皆さんに見ててもらい、私は食器の片付けをする
『…ふぅ』
とりあえず、よかった
そう思うと、ついため息をつきたくなってしまう
するとー…
「…みのりちゃん?どうしたの?」
『えっ…』
声がして、その方を見ると、阿修さんが心配そうな顔で私を見ていた
『…どうかしましたか?』
私がそう作った笑顔で問いかけると、阿修さんはより表情を険しくする
『…?阿修さー「…無理しないで」』
気付いたら、私は阿修さんに抱きしめられていた
『…そんなこと。無理なんて…』
してない、そう答えようとしたが、阿修さんはよりきつく私を抱きしめると言う
「無理してるよ…みのりちゃん、凄く疲れた顔してるもん…まっすーも、竜ちゃんも、僕も…ほんとは、トノちゃんだけじゃなくて、みのりちゃんのことも心配してる」
『…私…?』
阿修さんはうなずく
「…もちろん、今収録をしている明謙ちんたちや、他のメンバーもそうだよ。…君は、いつも頑張りすぎちゃうから…」
『…阿修さん』
阿修さんの体の温もりに、こわばっていた体から、徐々に力が抜ける
「…目の前で、人が倒れたら…しかも、それが知ってる人だったら…怖いよね」
阿修さんがポンポンと私の背中をあやすように叩きながら、言う
『…っ!』
阿修さんの言葉に、私はようやく気付いた
私は…ショックだったんだ
殿さんが倒れたことが…
でも、私は皆さんのお世話をするA&R…
弱音なんて吐けなくて、必死で自分を奮い立たせていたんだ…
自分の感情を理解すると、ポロポロと涙がこぼれていく
『…っ、すみません…』
私は阿修さんから離れようとするけれど、阿修さんは逆に私を抱きしめる腕に力を入れるだけだった
『…阿修、さん…?』
「…この体制なら、僕からは君の顔は見えない。だから、どんな顔しても、何をしてもいいよ」
阿修さんがそっと私の頭を撫でてくれて…私が本格的に泣き出すのに、そう時間はかからなかった
6-2.ショック
(…でも、私が自分で気付かなかった感情に、どうして阿修さんは気付いたんだろう…)