第6話『旅行…?』
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『…旅行、ですか?』
翌日、KiLLER KiNGの仕事についていると、昨日の小連休の話がどんどん進んでいるらしく、明謙くんから聞かされたのは、みんなで旅行に行かないか、というものだった
「そうそう、たまにはそういうのも悪くないよねってみんなで話してて」
『へえ…どこに行くかはもう決めてあるんですか?』
「うん!」
明謙くんは笑顔で頷く
「…あ、でも、ちゃんとみのりちゃんの意見も参考にするからね!」
『いや、私は…』
明謙くんが明るくそう言うのだが、私は未だに悩んでいた
チームメイトでもない私が、参加してもいいのかと
「…みのり、難しい顔してる」
『えっ』
反射的に頬に手をやるけど、自分では自分がどんな顔してるのかはわからなかった
「…もしかして、俺達と旅行行くの嫌?」
遙日が珍しく自信なさげに言うので、私は慌てて首をぶんぶんと横にふる
『そ、そんなことはないです!』
「…本当に?」
『ほ、本当です!』
私の必死な様子に、遙日と唯月は安心したように頬を緩める
「折角、みんな参加するって言ってるから、みのりちゃんにも来てほしいんだけどな…」
明謙くんが呟く
「そうそう、最初は乗り気じゃない人もいたんだけど、みのりが来るかもって言ったら、みんな参加するって言ってくれたんだ」
『…私?』
「うん、そう。みのりちゃん」
明謙くんが私を見て笑う
『…でも、そう言うことなら…私も、行きたいです』
そう小さく呟くと、それが聞こえたらしく、明謙くんは明るく笑った
「よかった!」
「…そういえば、さっきからトノ、一言も発言してなくない?」
「…え?あ、あぁ…」
『…!』
顔色が何だか悪い…
『…殿さん、体調悪いの隠してませんか?』
私がそう問いかけると、殿さんは驚いたように目を見張る
「…どうして、ですか?」
『いつもより声のトーンが低いし、顔色が悪いんです』
私がそう告げると、殿さんは小さくためいきをつく
「…大丈夫です。仕事はちゃんとこなしますから」
『そう言うことじゃなくて…ちゃんと、体調が悪いときは教えてください。でないと…できるフォローも出来なくなってしまいます』
私が真剣に訴えると、殿さんは呟く
「…でも…」
「そうだよ、弥勒!」
「…明謙?」
「俺たちだってそう思う!」
「うん」
「…遙日…唯月…」
「だって僕たち、チームなんだから!」
殿さんがこちらを見たので、私は力強く頷く
「…すまない」
そういうと、殿さんがガクンと膝をつく
『殿さん!?』
慌ててかけよって抱き起こし、額に手を当てると、凄く熱かった
「…どう?」
『すごい熱です…かなりつらかった筈なのに…』
「お、俺、スタッフさんに知らせてくる!」
『はい、お願いします』
遙日がスタッフに知らせに行ったので、私はとりあえず体制を変え、殿さんを膝枕する形にした
『…唯月くん、申し訳ないんですが、どこかで冷えピタ買ってきてくれますか?』
「…うん、わかった」
唯月は頷きすぐに動いてくれた
「み、弥勒…」
…明謙くん、凄く動揺してる…
『明謙くん、落ち着いてください』
「…みのりちゃん…」
私がそう言うと、明謙くんは力なく座り込む
「…僕、弥勒の不調に、全然気付いてあげられなかった…」
『…明謙くん…』
明謙くんは自分を責めているようだった
『明謙くんが自分を責める必要はありませんよ。たまたま私が気付いただけですから』
そう微笑みかけると、明謙くんは悔しそうに手を握る
『…優しいんですね』
「え…?」
私の言葉に、明謙くんは目をまるくして顔を上げる
「…そんな、僕は…」
『そうやって、人のために心を痛めることができる…。それは、その人が持っている優しさができることだと思うんです』
「…その人が持っている、優しさ…?」
『そうです。だから、明謙くんは本当に優しいんだと思います』
「…優しさ…」
明謙くんが、握っていた手を緩めるのを見て、安堵した
「みのり!みんなに知らせてきた!」
『遙日くん…ありがとうございます』
「…あれ、唯月は?」
『唯月くんなら、私がお願いして、冷えピタを買いにー「ただいま」…あ、お帰りなさい!』
丁度よく唯月も戻ってきた
「…どう?トノの様子」
『今は眠っています。凄く汗をかいているので、少しは体温が下がればいいんですが…』
私は持っていたハンカチで、殿さんの額の汗を拭った
『…それで、皆さんのお仕事はどうなるんですか?』
「雑誌のインタビューだから、俺達だけ先にやって、トノは体調が回復してからでいいって言ってくれたよ」
『よかった…』
「…でも、どうするの?」
『え?』
「だって、みのりは女の子だし、一人じゃ、どう考えてもトノを連れて帰るなんてできないだろうし…」
そう心配してくれる遙日に、私は笑いかける
『タクシーを拾っていくので大丈夫です。皆さんは、今はお仕事の方に集中してください』
「…でも…」
すると、明謙くんが突然電話をかけてくると言って部屋から出た
『明謙くん…?』
そのあとすぐに戻ってきて、笑顔で告げる
「まっすー達が来てくれるって!」
『え?増長さん、お仕事は?』
「今日はオフだったんだって!で、まっすーの他に数人来てくれるらしいから」
『明謙くん…ありがとうございます、助かります』
明謙くんは、やっぱり優しい…
「そっか、とりあえずよかったー」
「…はる、そろそろ行かないと不味いんじゃない?」
「あっ!ほんとだ!ゆづ、明謙!行くよ!」
「うん」
明謙くんも出ていこうとするけど、途中でこっちを振りかえって微笑む
「わかった!…みのりちゃん、ありがと。あと、弥勒のこと、よろしく!」
『はい、任せてください!』
私がそう答えると、明謙くんは安心したように笑って、手をふって出ていった
ー…
私が控え室で待っていると、こんこんとノックされた
『あ、はい!どうぞ!』
殿さんがいるので動くわけにもいかず、その場で返事をすると、扉が開いた
『…!増長さん!』
「やあ」
「僕たちもいるよ~」
そう言って横から顔を出したのは、
『…是国さんと、阿修さん?』
…なんだか珍しい組み合わせだな…
そんなことを思っていると、三人は扉を閉めて入ってくる
「…大丈夫?」
『私は大丈夫です。それより殿さんが…』
「うん、そうだね。早く部屋に連れていこう。…悠太、殿くん背負える?」
「うん、大丈夫だよ!」
『すみません、お願いします…』
「任せてよ!」
阿修さんはそう笑顔を見せてくれた
是国さんと増長さんに助けてもらいながら、阿修さんが殿さんを背負う
「江藤さん、立てる?」
増長さんが腰を屈めてそう問いかける
『はい、私は大丈夫でーあっ』
ずっと正座していたから足が痺れてしまったようで、慌てて立ち上がろうとすると、ふらついてしまった
すると、増長さんが抱き止めてくれて、転ばずにすんだ
「…大丈夫?」
『す、すみません…!』
「ふふ、俺は大丈夫だよ」
「ずっと正座してたみたいだから、足が痺れたのかもね」
是国さんがしゃがんで私の足をツンツンとつつく
『っ!や、やめてくださ…』
思わずそんな声が出ると、三人は目を見張って私を見る
『…え?』
その様子に圧倒されていると、是国さんが言う
「…いい?みのり。そう言う声は、他の男の前では絶対に出しちゃだめだよ?」
『えっ…』
そんなに変な声だったのかな…
と内心しょんぼりしていると、是国さんが脅すように言う
「でないとー…襲われるよ?」
『えっ!?』
お、おそ…!?
「こら、竜持。あんまりからかわないの」
『ま、増長さぁん…』
増長さんが是国さんをなだめつつ私の頭を撫でてくれる
「…まぁ、竜持の言っていることは本当だけどね」
『えっ』
増長さんがそうボソリと呟いたので、私は慌てて距離を取ろうとするけど、まだ痺れがとれてなくてふらつく
「あー…、ごめん、そんなことしないから」
増長さんがそう言ってまた支えてくれた
「(…まっすー、結構この状態生殺しなんじゃ…)」
「(だろうね…はあ、みのりにはもっと警戒心持ってもらわないと)」
「(だね…)」
二人がそう小声で話していたことは、私には聞こえなかった
「…ほら、みのりちゃん、まっすー、行くよ?」
『あっ、ごめんなさい阿修さん!』
阿修さん、殿さんを背負ったまま待っててくれたんだ…
「…さ、行こう?」
『はい!』
「…足は大丈夫?」
床にとんとんと爪先を叩いて確認する
『…はい、大丈夫です!すみません、お待たせしてしまって』
「んーん、大丈夫だよ」
そのまま、私たちは出入り口まで行き、タクシーを拾って、皆さんのマンションに向かうのだったー…
6-1.殿さん、倒れる
(ストイックに練習してたからだろうな…少しは休んでほしい)
翌日、KiLLER KiNGの仕事についていると、昨日の小連休の話がどんどん進んでいるらしく、明謙くんから聞かされたのは、みんなで旅行に行かないか、というものだった
「そうそう、たまにはそういうのも悪くないよねってみんなで話してて」
『へえ…どこに行くかはもう決めてあるんですか?』
「うん!」
明謙くんは笑顔で頷く
「…あ、でも、ちゃんとみのりちゃんの意見も参考にするからね!」
『いや、私は…』
明謙くんが明るくそう言うのだが、私は未だに悩んでいた
チームメイトでもない私が、参加してもいいのかと
「…みのり、難しい顔してる」
『えっ』
反射的に頬に手をやるけど、自分では自分がどんな顔してるのかはわからなかった
「…もしかして、俺達と旅行行くの嫌?」
遙日が珍しく自信なさげに言うので、私は慌てて首をぶんぶんと横にふる
『そ、そんなことはないです!』
「…本当に?」
『ほ、本当です!』
私の必死な様子に、遙日と唯月は安心したように頬を緩める
「折角、みんな参加するって言ってるから、みのりちゃんにも来てほしいんだけどな…」
明謙くんが呟く
「そうそう、最初は乗り気じゃない人もいたんだけど、みのりが来るかもって言ったら、みんな参加するって言ってくれたんだ」
『…私?』
「うん、そう。みのりちゃん」
明謙くんが私を見て笑う
『…でも、そう言うことなら…私も、行きたいです』
そう小さく呟くと、それが聞こえたらしく、明謙くんは明るく笑った
「よかった!」
「…そういえば、さっきからトノ、一言も発言してなくない?」
「…え?あ、あぁ…」
『…!』
顔色が何だか悪い…
『…殿さん、体調悪いの隠してませんか?』
私がそう問いかけると、殿さんは驚いたように目を見張る
「…どうして、ですか?」
『いつもより声のトーンが低いし、顔色が悪いんです』
私がそう告げると、殿さんは小さくためいきをつく
「…大丈夫です。仕事はちゃんとこなしますから」
『そう言うことじゃなくて…ちゃんと、体調が悪いときは教えてください。でないと…できるフォローも出来なくなってしまいます』
私が真剣に訴えると、殿さんは呟く
「…でも…」
「そうだよ、弥勒!」
「…明謙?」
「俺たちだってそう思う!」
「うん」
「…遙日…唯月…」
「だって僕たち、チームなんだから!」
殿さんがこちらを見たので、私は力強く頷く
「…すまない」
そういうと、殿さんがガクンと膝をつく
『殿さん!?』
慌ててかけよって抱き起こし、額に手を当てると、凄く熱かった
「…どう?」
『すごい熱です…かなりつらかった筈なのに…』
「お、俺、スタッフさんに知らせてくる!」
『はい、お願いします』
遙日がスタッフに知らせに行ったので、私はとりあえず体制を変え、殿さんを膝枕する形にした
『…唯月くん、申し訳ないんですが、どこかで冷えピタ買ってきてくれますか?』
「…うん、わかった」
唯月は頷きすぐに動いてくれた
「み、弥勒…」
…明謙くん、凄く動揺してる…
『明謙くん、落ち着いてください』
「…みのりちゃん…」
私がそう言うと、明謙くんは力なく座り込む
「…僕、弥勒の不調に、全然気付いてあげられなかった…」
『…明謙くん…』
明謙くんは自分を責めているようだった
『明謙くんが自分を責める必要はありませんよ。たまたま私が気付いただけですから』
そう微笑みかけると、明謙くんは悔しそうに手を握る
『…優しいんですね』
「え…?」
私の言葉に、明謙くんは目をまるくして顔を上げる
「…そんな、僕は…」
『そうやって、人のために心を痛めることができる…。それは、その人が持っている優しさができることだと思うんです』
「…その人が持っている、優しさ…?」
『そうです。だから、明謙くんは本当に優しいんだと思います』
「…優しさ…」
明謙くんが、握っていた手を緩めるのを見て、安堵した
「みのり!みんなに知らせてきた!」
『遙日くん…ありがとうございます』
「…あれ、唯月は?」
『唯月くんなら、私がお願いして、冷えピタを買いにー「ただいま」…あ、お帰りなさい!』
丁度よく唯月も戻ってきた
「…どう?トノの様子」
『今は眠っています。凄く汗をかいているので、少しは体温が下がればいいんですが…』
私は持っていたハンカチで、殿さんの額の汗を拭った
『…それで、皆さんのお仕事はどうなるんですか?』
「雑誌のインタビューだから、俺達だけ先にやって、トノは体調が回復してからでいいって言ってくれたよ」
『よかった…』
「…でも、どうするの?」
『え?』
「だって、みのりは女の子だし、一人じゃ、どう考えてもトノを連れて帰るなんてできないだろうし…」
そう心配してくれる遙日に、私は笑いかける
『タクシーを拾っていくので大丈夫です。皆さんは、今はお仕事の方に集中してください』
「…でも…」
すると、明謙くんが突然電話をかけてくると言って部屋から出た
『明謙くん…?』
そのあとすぐに戻ってきて、笑顔で告げる
「まっすー達が来てくれるって!」
『え?増長さん、お仕事は?』
「今日はオフだったんだって!で、まっすーの他に数人来てくれるらしいから」
『明謙くん…ありがとうございます、助かります』
明謙くんは、やっぱり優しい…
「そっか、とりあえずよかったー」
「…はる、そろそろ行かないと不味いんじゃない?」
「あっ!ほんとだ!ゆづ、明謙!行くよ!」
「うん」
明謙くんも出ていこうとするけど、途中でこっちを振りかえって微笑む
「わかった!…みのりちゃん、ありがと。あと、弥勒のこと、よろしく!」
『はい、任せてください!』
私がそう答えると、明謙くんは安心したように笑って、手をふって出ていった
ー…
私が控え室で待っていると、こんこんとノックされた
『あ、はい!どうぞ!』
殿さんがいるので動くわけにもいかず、その場で返事をすると、扉が開いた
『…!増長さん!』
「やあ」
「僕たちもいるよ~」
そう言って横から顔を出したのは、
『…是国さんと、阿修さん?』
…なんだか珍しい組み合わせだな…
そんなことを思っていると、三人は扉を閉めて入ってくる
「…大丈夫?」
『私は大丈夫です。それより殿さんが…』
「うん、そうだね。早く部屋に連れていこう。…悠太、殿くん背負える?」
「うん、大丈夫だよ!」
『すみません、お願いします…』
「任せてよ!」
阿修さんはそう笑顔を見せてくれた
是国さんと増長さんに助けてもらいながら、阿修さんが殿さんを背負う
「江藤さん、立てる?」
増長さんが腰を屈めてそう問いかける
『はい、私は大丈夫でーあっ』
ずっと正座していたから足が痺れてしまったようで、慌てて立ち上がろうとすると、ふらついてしまった
すると、増長さんが抱き止めてくれて、転ばずにすんだ
「…大丈夫?」
『す、すみません…!』
「ふふ、俺は大丈夫だよ」
「ずっと正座してたみたいだから、足が痺れたのかもね」
是国さんがしゃがんで私の足をツンツンとつつく
『っ!や、やめてくださ…』
思わずそんな声が出ると、三人は目を見張って私を見る
『…え?』
その様子に圧倒されていると、是国さんが言う
「…いい?みのり。そう言う声は、他の男の前では絶対に出しちゃだめだよ?」
『えっ…』
そんなに変な声だったのかな…
と内心しょんぼりしていると、是国さんが脅すように言う
「でないとー…襲われるよ?」
『えっ!?』
お、おそ…!?
「こら、竜持。あんまりからかわないの」
『ま、増長さぁん…』
増長さんが是国さんをなだめつつ私の頭を撫でてくれる
「…まぁ、竜持の言っていることは本当だけどね」
『えっ』
増長さんがそうボソリと呟いたので、私は慌てて距離を取ろうとするけど、まだ痺れがとれてなくてふらつく
「あー…、ごめん、そんなことしないから」
増長さんがそう言ってまた支えてくれた
「(…まっすー、結構この状態生殺しなんじゃ…)」
「(だろうね…はあ、みのりにはもっと警戒心持ってもらわないと)」
「(だね…)」
二人がそう小声で話していたことは、私には聞こえなかった
「…ほら、みのりちゃん、まっすー、行くよ?」
『あっ、ごめんなさい阿修さん!』
阿修さん、殿さんを背負ったまま待っててくれたんだ…
「…さ、行こう?」
『はい!』
「…足は大丈夫?」
床にとんとんと爪先を叩いて確認する
『…はい、大丈夫です!すみません、お待たせしてしまって』
「んーん、大丈夫だよ」
そのまま、私たちは出入り口まで行き、タクシーを拾って、皆さんのマンションに向かうのだったー…
6-1.殿さん、倒れる
(ストイックに練習してたからだろうな…少しは休んでほしい)