第5話『みんな仲良く』
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『おはようございます!』
私が会社につくと、時計は入り時間の5分前を指していた
なんとか間に合ったことに安堵し、私は自分のデスクに荷物を置いた
『…あ』
ふとパソコンを見ると、付箋が貼ってあった
[今日はTHERIVEのレコーディングよ!頑張りなさい!by.夜叉丸朔太郎]
『夜叉丸さん…』
忙しいのに、わざわざメモを残してくれたんだ…
私も同じように付箋にメモを書いて、皆さんの住むマンションへと向かった
[いつもお疲れ様です。わざわざ付箋を残してくださって、凄く嬉しいです。今日も頑張ります!by.みのり]
ー…
『…ひゃー、いつ見ても大きいマンションだなぁ…』
私はマンションを見上げて呟く
『…よし!』
行こう
私は中へと入っていった
『…えっと、THERIVEの皆さんの階は…』
手帳を開いて確認していると、横から声が聞こえた
「あっ!みのりちゃーん!こっちこっち!」
『え?』
呼ばれた方を向くと、阿修さんと金城さん、愛染さんが、ロビーのソファに座っていた
阿修さんがブンブンと手を振ってくれているので、すぐにわかった
『おはようございます!皆さん』
私は歩いて彼らに近づく
「おはよ」
「…はよ」
「おはよ!もうね、僕たち準備バッチリなんだ!」
『そうなんですか?』
「うん!」
「…今回の曲、悠太の奴が凄く張り切っててさ。剛士の奴も、満更でもないみたいだし」
「…うるせぇ」
「えー、僕たちだけが張り切ってた、みたいな言い方してるけど、けんけんだって結構拘ってたじゃん」
「それはプロとして当然だろ?」
『…ふふ、3人とも、今回の曲の収録、楽しみにしてたんですね』
「うん!だってだって、この曲はごうちんがめずらしくー「おい阿修!」…あ、怒られちゃった」
『…?』
私が首をかしげていると
「…まぁ、すぐにわかるよ」
と愛染さんがフォローするように言った
『?わかりました…』
そう素直に頷くと、愛染さんが笑う
「いい子だね」
「…そういえば、みのりちゃんはなんでここに来たの?」
『あ、そろそろレコーディングに向かわないといけない時間なので、呼びに来ました』
「そっか!ありがとー!」
阿修さんは言葉とともに準備を始める
他二人も、無言で準備を始めていた
ー…
「おはようございます!」
「おはようございます」
「おはようございます」
『おはようございます!』
THERIVEがスタジオ入りすると、スタジオの雰囲気が変わった
「おはよう。それじゃあ早速録っていこうか」
「はい!」
3人は交代で録り、時折愛染さんと金城さんがぶつかる声も聞こえるが、阿修さんがフォローし、THERIVEはレコーディングを終えた
「…よし、お疲れ!…にしても、THERIVEにしては今日は終わるのが早いな。何かこのあと予定でもあるの?」
そう問われ、3人は顔を見合わせる
「…いや、別に特には…」
阿修さんがめずらしく歯切れ悪く答える
「…阿修、愛染、行くぞ」
「あ、まってよごうちん!」
「ハイハイ、そんなに急がない。…みのりもいくよ」
『あ、はい!お疲れ様でした!』
スタッフの皆さんに頭を下げてから、私たちはスタジオを出た
『…いつもは、もっとかかってるんですか?』
私が愛染さんに問うと、彼は肩をすくめて答える
「んー…そうだな。いつもは俺と剛士がもっとぶつかるし、剛士にはこだわりがあるから余計に時間はかかってるかな」
『…じゃあ、今日は調子が良かったんですね!』
私が笑顔で言うと、3人は顔を見合わせて苦い顔をしていた
『それじゃあ、戻りー「ねぇ、みのりちゃん」…?はい?』
戻りましょうと言いかけたところを、阿修さんに遮られる
どうしたんだろう…
3人とも、さっきとは打ってかわって、真剣な表情をしている
「…その…ゆっちー達に、手料理ご馳走したって、ホント?」
『え?あ、はい。唯月くんと遙日くんが道案内してくれたので。不動さんは、次に会った時に一緒に来ていたので…それがどうかしました?』
私が首をかしげて問いかけると
阿修さんがもうひとつ聞いてくる
「あと…そのネックレス。いつもしてないのに、どうしたの?」
『…あ、これは…ある人からもらって…』
私は北門さんたちの時と同じように、濁しながら答える
「…その人からいつもつけてって言われたの?」
『え?いいえ、そんなことは無いです。ただ、凄く綺麗なので、気に入ってしまって…』
私はネックレスに視線を落とした
「…そっか」
そう答えた阿修さんの声は、なんだかいつもより元気が無いように感じた
「…悠太、ちょっと来い。剛士もだ」
「は!?なんで俺まで…!」
愛染さんは、阿修さんと金城さんを連れて行く
「ごめんみのり、先に俺達のマンションに戻ってもらってもいい?」
『はい、私は構いませんけど…』
「はは、ありがとう。それじゃあ、後でね」
愛染さんはそう言うとヒラヒラと手を振って、二人を連れてどこかへ行ってしまった
『…にしても、なんで皆さんのマンションに…』
不思議に思いながら、私は言われた通りにマンションに行った
すると、ロビーのソファにKiLLER KiNGとキタコレが揃っていた
『…どうしたんだろう…』
遠くから眺めていると、北門さんがワタシに気付いた
「みのり!」
『あっ…おはようございます』
「うん、おはよう。ちょっとこっちに来てもらえるかな?」
『あ、はい…』
私が皆さんに近づくと、北門さんが横にずれて、座ってと言うように、北門さんと是国さんの間を叩く
『…え、でも…』
私が二人の間に入るわけには…
そう思っていると、是国さんが立ち上がり私を引っ張ると、その場所にストンと座らせ、北門さんとは反対の方に座った
『え、え…?』
「君が何時までたっても座らないからだよ」
是国さんは悪戯っぽく小さく舌を見せた
『は、はぁ…』
私が緊張から硬直していると、北門さんが私の頭を優しく撫でた
『…っ、北門さん…?』
思わず緩む頬を隠そうと、頬に手を当てながら北門さんを見上げると、彼は私の赤い顔を見て、満足げに笑う
「…ふふ、良かった。少しは緊張が解けたみたいだね」
『あ…』
北門さんは私の緊張を解くためにわざと頭を撫でたんだ…
…でもなんで?
私が不思議そうな顔をしていたからか、北門さんが笑顔で言う
「だってキミ、頭を撫でられるといつも嬉しそうな顔をして笑うから」
『…』
どんな顔していたんだろうか…
思わず考え込むと、北門さんはクスリと笑った
「別に悪いことではないし、今のままでいいんじゃないかな」
また優しく頭を撫でられ、目を細める
「…ふふ、ほら、その顔」
『え…?』
「ちょっとトモ!」
是国さんが北門さんに声をかけると、北門さんは
「ん?…あぁ、ごめんね、つい」
「ついじゃないよ、全く…」
『…?』
二人の会話から、私は何も読み取ることができなくて、ただただ首をかしげていた
「…あ、それ…」
唯月が突然声をあげた
『?どうかしましたか?』
私が問いかけると、唯月が私の首を指差す
「…それ、誰かからもらったの?」
珍しく、唯月の声のトーンがいつもより低い
(怒ってる…?)
そう思いながら、キタコレとTHERIVEにしたように説明すると
唯月は視線を落として何かを考えているようだった
「…そういえば!もうすぐB-projectのメンバー全員が、数日休みをもらえるよね?」
遙日が、唯月をちらりと見てから、話題を変えた
『はい、3日ほど』
私が笑顔で頷くと
「それじゃあ、みんなでどこか行こうよ!」
「うん、それいいね!はるぴょんナイスアイデア!」
『ふふ、楽しそうですね』
私が微笑むと、遙日は言う
「もちろん、みのりも来るよね!?」
『え、私…?私は…』
私は、行かない方がいいんじゃ…
そう思ってうつむいていると、声が聞こえてきた
「是非キミにも来てほしいな」
『…!増長さん…皆さん…』
そう、MooNsのみなさんまで降りてきたのだ
「和、どうしてここに?」
「明謙が教えてくれたんだよ」
『不動さんが…』
「折角みんな集まってるから、どうせならと思って」
「…あれ、でもTHERIVEは?」
増長さんの声に、私が答える
『あ、THERIVEのみなさんなら、収録のあと、私にここに先に行っててと言って、どこかへ行ってしまって…』
「そうだったのか…」
北門さんは少し考えると、
「…THERIVEに連絡とってくるよ」
と言った
「わかった、いってらっしゃい」
「あぁ、行ってくる」
是国さんと言葉を交わすと、歩いてマンションの外へと向かった
『…』
私が無言でうつ向いていると、増長さんが小さく声をあげた
「…あ、それ…」
顔をあげると、いつの間にかとなりに座っていた増長さんの視線が、私の首を見ている
『…あ、これ…』
増長さんが見ているのは、増長さんが私にくれたネックレスだった
「…それ、着けてくれてるんだ」
増長さんが嬉しそうに目を細める
『はい。折角もらったので…』
私が微笑み返すと、彼も嬉しそうに笑ってくれた
「えっ、そのネックレスをみのりにあげたのって、もしかして…!」
「うん、俺だよ」
遙日の問いかけに、増長さんは笑顔で答える
「…おや、いつの間に…」
釈村さんの言葉に、増長さんは事も無げに答える
「昨日、撮影の時にね」
「えー!リーダーずっるい!」
「ず、ずるいと言われても…」
「こら、落ち着け暉」
「ちぇ…はーい」
そこで、北門さんが戻ってきた
「剛士達に連絡取れたよ。今こっちに向かってるって」
その言葉を聞いて、私は漸く安堵の息を着いた
「…何かあったの?」
素早くそれに気付いた増長さんが、私の背中を擦りながら言う
『…いえ、なにもない、はず…なんですけど…』
私が自信無げに云うと、是国さんに名前を呼ばれる
「みのり」
『…え…?ん、むぐ!』
是国さんは顔をあげた私の口に素早くチョッパチャロスを突っ込んだ
「チョッパチャロスのイチゴミルク味。美味しいでしょ?」
『…はい、美味しいです』
是国さんから貰ったチョッパチャロスを舐める
甘くて優しいイチゴの味がして、笑ってしまった
それを見て、是国さんは満足げに笑う
「…あ、来たみたい」
増長さんが窓の外を見て呟く
その言葉に、私もつられて外を見ると、外から阿修さんが思いっきし手を振っていた
さっきのような表情はなく、私は安堵した
『…私、お迎えに行ってきますね!』
「うん、いってらっしゃい」
『はい!』
皆さんに見送られ、私はTHERIVEのみなさんに駆け寄る
『みなさん、お帰りなさい!』
「うん、ただいま!みのりちゃん」
「わざわざ待っててくれてありがとうね」
『いえ!』
金城さんは…と視線を向けると、目があった
金城さんはすぐ目をそらしてしまったけど、小さな声で言った
「…待たせて悪かったな」
『いえ!全然大丈夫です!今、B-proの他のメンバーがみなさん揃っていて』
「あ、ともくんから聞いたよ!今度の小連休にみんなでどこか行こうって話なんでしょ?」
『そうなんです!』
私たちは、そんな話をしながら仲へと入ったのだった
5-2.お帰りなさい、THERIVEのみなさん
(無事帰ってきた三人を見て、私は酷く安堵した)
私が会社につくと、時計は入り時間の5分前を指していた
なんとか間に合ったことに安堵し、私は自分のデスクに荷物を置いた
『…あ』
ふとパソコンを見ると、付箋が貼ってあった
[今日はTHERIVEのレコーディングよ!頑張りなさい!by.夜叉丸朔太郎]
『夜叉丸さん…』
忙しいのに、わざわざメモを残してくれたんだ…
私も同じように付箋にメモを書いて、皆さんの住むマンションへと向かった
[いつもお疲れ様です。わざわざ付箋を残してくださって、凄く嬉しいです。今日も頑張ります!by.みのり]
ー…
『…ひゃー、いつ見ても大きいマンションだなぁ…』
私はマンションを見上げて呟く
『…よし!』
行こう
私は中へと入っていった
『…えっと、THERIVEの皆さんの階は…』
手帳を開いて確認していると、横から声が聞こえた
「あっ!みのりちゃーん!こっちこっち!」
『え?』
呼ばれた方を向くと、阿修さんと金城さん、愛染さんが、ロビーのソファに座っていた
阿修さんがブンブンと手を振ってくれているので、すぐにわかった
『おはようございます!皆さん』
私は歩いて彼らに近づく
「おはよ」
「…はよ」
「おはよ!もうね、僕たち準備バッチリなんだ!」
『そうなんですか?』
「うん!」
「…今回の曲、悠太の奴が凄く張り切っててさ。剛士の奴も、満更でもないみたいだし」
「…うるせぇ」
「えー、僕たちだけが張り切ってた、みたいな言い方してるけど、けんけんだって結構拘ってたじゃん」
「それはプロとして当然だろ?」
『…ふふ、3人とも、今回の曲の収録、楽しみにしてたんですね』
「うん!だってだって、この曲はごうちんがめずらしくー「おい阿修!」…あ、怒られちゃった」
『…?』
私が首をかしげていると
「…まぁ、すぐにわかるよ」
と愛染さんがフォローするように言った
『?わかりました…』
そう素直に頷くと、愛染さんが笑う
「いい子だね」
「…そういえば、みのりちゃんはなんでここに来たの?」
『あ、そろそろレコーディングに向かわないといけない時間なので、呼びに来ました』
「そっか!ありがとー!」
阿修さんは言葉とともに準備を始める
他二人も、無言で準備を始めていた
ー…
「おはようございます!」
「おはようございます」
「おはようございます」
『おはようございます!』
THERIVEがスタジオ入りすると、スタジオの雰囲気が変わった
「おはよう。それじゃあ早速録っていこうか」
「はい!」
3人は交代で録り、時折愛染さんと金城さんがぶつかる声も聞こえるが、阿修さんがフォローし、THERIVEはレコーディングを終えた
「…よし、お疲れ!…にしても、THERIVEにしては今日は終わるのが早いな。何かこのあと予定でもあるの?」
そう問われ、3人は顔を見合わせる
「…いや、別に特には…」
阿修さんがめずらしく歯切れ悪く答える
「…阿修、愛染、行くぞ」
「あ、まってよごうちん!」
「ハイハイ、そんなに急がない。…みのりもいくよ」
『あ、はい!お疲れ様でした!』
スタッフの皆さんに頭を下げてから、私たちはスタジオを出た
『…いつもは、もっとかかってるんですか?』
私が愛染さんに問うと、彼は肩をすくめて答える
「んー…そうだな。いつもは俺と剛士がもっとぶつかるし、剛士にはこだわりがあるから余計に時間はかかってるかな」
『…じゃあ、今日は調子が良かったんですね!』
私が笑顔で言うと、3人は顔を見合わせて苦い顔をしていた
『それじゃあ、戻りー「ねぇ、みのりちゃん」…?はい?』
戻りましょうと言いかけたところを、阿修さんに遮られる
どうしたんだろう…
3人とも、さっきとは打ってかわって、真剣な表情をしている
「…その…ゆっちー達に、手料理ご馳走したって、ホント?」
『え?あ、はい。唯月くんと遙日くんが道案内してくれたので。不動さんは、次に会った時に一緒に来ていたので…それがどうかしました?』
私が首をかしげて問いかけると
阿修さんがもうひとつ聞いてくる
「あと…そのネックレス。いつもしてないのに、どうしたの?」
『…あ、これは…ある人からもらって…』
私は北門さんたちの時と同じように、濁しながら答える
「…その人からいつもつけてって言われたの?」
『え?いいえ、そんなことは無いです。ただ、凄く綺麗なので、気に入ってしまって…』
私はネックレスに視線を落とした
「…そっか」
そう答えた阿修さんの声は、なんだかいつもより元気が無いように感じた
「…悠太、ちょっと来い。剛士もだ」
「は!?なんで俺まで…!」
愛染さんは、阿修さんと金城さんを連れて行く
「ごめんみのり、先に俺達のマンションに戻ってもらってもいい?」
『はい、私は構いませんけど…』
「はは、ありがとう。それじゃあ、後でね」
愛染さんはそう言うとヒラヒラと手を振って、二人を連れてどこかへ行ってしまった
『…にしても、なんで皆さんのマンションに…』
不思議に思いながら、私は言われた通りにマンションに行った
すると、ロビーのソファにKiLLER KiNGとキタコレが揃っていた
『…どうしたんだろう…』
遠くから眺めていると、北門さんがワタシに気付いた
「みのり!」
『あっ…おはようございます』
「うん、おはよう。ちょっとこっちに来てもらえるかな?」
『あ、はい…』
私が皆さんに近づくと、北門さんが横にずれて、座ってと言うように、北門さんと是国さんの間を叩く
『…え、でも…』
私が二人の間に入るわけには…
そう思っていると、是国さんが立ち上がり私を引っ張ると、その場所にストンと座らせ、北門さんとは反対の方に座った
『え、え…?』
「君が何時までたっても座らないからだよ」
是国さんは悪戯っぽく小さく舌を見せた
『は、はぁ…』
私が緊張から硬直していると、北門さんが私の頭を優しく撫でた
『…っ、北門さん…?』
思わず緩む頬を隠そうと、頬に手を当てながら北門さんを見上げると、彼は私の赤い顔を見て、満足げに笑う
「…ふふ、良かった。少しは緊張が解けたみたいだね」
『あ…』
北門さんは私の緊張を解くためにわざと頭を撫でたんだ…
…でもなんで?
私が不思議そうな顔をしていたからか、北門さんが笑顔で言う
「だってキミ、頭を撫でられるといつも嬉しそうな顔をして笑うから」
『…』
どんな顔していたんだろうか…
思わず考え込むと、北門さんはクスリと笑った
「別に悪いことではないし、今のままでいいんじゃないかな」
また優しく頭を撫でられ、目を細める
「…ふふ、ほら、その顔」
『え…?』
「ちょっとトモ!」
是国さんが北門さんに声をかけると、北門さんは
「ん?…あぁ、ごめんね、つい」
「ついじゃないよ、全く…」
『…?』
二人の会話から、私は何も読み取ることができなくて、ただただ首をかしげていた
「…あ、それ…」
唯月が突然声をあげた
『?どうかしましたか?』
私が問いかけると、唯月が私の首を指差す
「…それ、誰かからもらったの?」
珍しく、唯月の声のトーンがいつもより低い
(怒ってる…?)
そう思いながら、キタコレとTHERIVEにしたように説明すると
唯月は視線を落として何かを考えているようだった
「…そういえば!もうすぐB-projectのメンバー全員が、数日休みをもらえるよね?」
遙日が、唯月をちらりと見てから、話題を変えた
『はい、3日ほど』
私が笑顔で頷くと
「それじゃあ、みんなでどこか行こうよ!」
「うん、それいいね!はるぴょんナイスアイデア!」
『ふふ、楽しそうですね』
私が微笑むと、遙日は言う
「もちろん、みのりも来るよね!?」
『え、私…?私は…』
私は、行かない方がいいんじゃ…
そう思ってうつむいていると、声が聞こえてきた
「是非キミにも来てほしいな」
『…!増長さん…皆さん…』
そう、MooNsのみなさんまで降りてきたのだ
「和、どうしてここに?」
「明謙が教えてくれたんだよ」
『不動さんが…』
「折角みんな集まってるから、どうせならと思って」
「…あれ、でもTHERIVEは?」
増長さんの声に、私が答える
『あ、THERIVEのみなさんなら、収録のあと、私にここに先に行っててと言って、どこかへ行ってしまって…』
「そうだったのか…」
北門さんは少し考えると、
「…THERIVEに連絡とってくるよ」
と言った
「わかった、いってらっしゃい」
「あぁ、行ってくる」
是国さんと言葉を交わすと、歩いてマンションの外へと向かった
『…』
私が無言でうつ向いていると、増長さんが小さく声をあげた
「…あ、それ…」
顔をあげると、いつの間にかとなりに座っていた増長さんの視線が、私の首を見ている
『…あ、これ…』
増長さんが見ているのは、増長さんが私にくれたネックレスだった
「…それ、着けてくれてるんだ」
増長さんが嬉しそうに目を細める
『はい。折角もらったので…』
私が微笑み返すと、彼も嬉しそうに笑ってくれた
「えっ、そのネックレスをみのりにあげたのって、もしかして…!」
「うん、俺だよ」
遙日の問いかけに、増長さんは笑顔で答える
「…おや、いつの間に…」
釈村さんの言葉に、増長さんは事も無げに答える
「昨日、撮影の時にね」
「えー!リーダーずっるい!」
「ず、ずるいと言われても…」
「こら、落ち着け暉」
「ちぇ…はーい」
そこで、北門さんが戻ってきた
「剛士達に連絡取れたよ。今こっちに向かってるって」
その言葉を聞いて、私は漸く安堵の息を着いた
「…何かあったの?」
素早くそれに気付いた増長さんが、私の背中を擦りながら言う
『…いえ、なにもない、はず…なんですけど…』
私が自信無げに云うと、是国さんに名前を呼ばれる
「みのり」
『…え…?ん、むぐ!』
是国さんは顔をあげた私の口に素早くチョッパチャロスを突っ込んだ
「チョッパチャロスのイチゴミルク味。美味しいでしょ?」
『…はい、美味しいです』
是国さんから貰ったチョッパチャロスを舐める
甘くて優しいイチゴの味がして、笑ってしまった
それを見て、是国さんは満足げに笑う
「…あ、来たみたい」
増長さんが窓の外を見て呟く
その言葉に、私もつられて外を見ると、外から阿修さんが思いっきし手を振っていた
さっきのような表情はなく、私は安堵した
『…私、お迎えに行ってきますね!』
「うん、いってらっしゃい」
『はい!』
皆さんに見送られ、私はTHERIVEのみなさんに駆け寄る
『みなさん、お帰りなさい!』
「うん、ただいま!みのりちゃん」
「わざわざ待っててくれてありがとうね」
『いえ!』
金城さんは…と視線を向けると、目があった
金城さんはすぐ目をそらしてしまったけど、小さな声で言った
「…待たせて悪かったな」
『いえ!全然大丈夫です!今、B-proの他のメンバーがみなさん揃っていて』
「あ、ともくんから聞いたよ!今度の小連休にみんなでどこか行こうって話なんでしょ?」
『そうなんです!』
私たちは、そんな話をしながら仲へと入ったのだった
5-2.お帰りなさい、THERIVEのみなさん
(無事帰ってきた三人を見て、私は酷く安堵した)