帝光編
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紫原くんと会話をしたあと、私は思考を落ち着かせるために先生に頼み、家庭科室を借り、ひたすら調理に没頭した。
帝光中…ここまでならまだ、同名の学校なんだな、で済んだ。
でも、紫原くんの登場によって、ここが、前世で私の大好きだった黒子のバスケの世界だと言うことが確定した。
まだ紫原くんにしか会ってないけどね…
今思えば、入学式の、新入生代表者では、赤司くん、あれは黒バスの赤司くんだったんだろう。
遠目にしか見えなかったからわからなかったけど…
でも、それがわかったところで今後どうするの?
バスケ部に関わる?
いや、私なんかじゃ足手まといだ。
なら答えは一つ。
遠目に拝んで、普通に生活していて今まで関わらなかったんだから、普通に生活すればいいんだ。
そこまで思考がまとまったところで、手元に意識を戻すと、大量にレモングミが出来ていた…
考えることに時間を裂くからって分量を多くしすぎた…!
そこまで考えて、先ほど紫原くんから言われた、「差し入れを持ってきて」との言葉を思いだし、バスケ部に差し入れすることにした。
『…わぁ…』
初めて来た帝光中体育館…沢山の人数が練習をしている。
…人数がわからないからなんとも言えないけど、平皿に山盛り二皿もあったら、足りるよね…
そう思っていると、声をかけられた。
「ん?どうした?ここはバスケ部の練習場所だが…それは…?」
監督だ。
桃井さんもいる。
「あ!あなた江藤みのりちゃんだよね!?知ってるよー!調理部のエース!とっても料理が上手いんだよね!」
「む、そうなのか?」
「ええ、私の調べた所によると、栄養バランスも完璧に考えられたメニューを毎度作っています」
『…ふぇえ…』
桃井さんの情報網ホントに凄い…
「そんな調理部のエースがこんなところになに用かな?見たところお菓子を持っているようだけど…」
『あ、これ…作りすぎちゃったので、良かったら、バスケ部の皆さんで消費してください。レモングミです。疲れに良く効くと思います』
「え!?いいの!?」
『うん、作りすぎちゃったから…』
「…いや、ありがたいがそれだけ作るのは大変だったんじゃないか…?」
『いえ、私の考えを纏めるのに丁度よかったので。あ、考えを纏めるのに作ったとはいえ、味は大丈夫だと思います』
「大丈夫だよ~!江藤さんの料理はどれも美味しいって評判だもん!ねえねえ、私も食べてもいい?」
『うん、勿論。監督さんも、良かったら』
「ありがとう!」
「む…それでは、お言葉に甘えるとしよう」
二人がレモングミを口に運ぶ
「…!美味しい!」
「…そうだな。江藤だったか。少し待っていてもらえるか?」
『え?はい、いいですけど…』
私を置いて、二人は体育館の中に入っていき、全員を召集した。
「喜べ。差し入れだ」
監督の声のあと、よっしゃ、など、喜びの声が上がる。
だが、それを不思議に思っているような声も。
「差し入れ…?」
「一体誰からです?」
「その話は後だ。まずは食べてみろ」
「…わかりました」
監督の声で、全員の手がレモングミに伸びる。
「っ~!うまっ!マジうめえじゃん!」
「疲れに効きますね」
「うまいっスー!」
「…どうだ?」
監督が尋ねると、小さく笑みを浮かべる赤司くんと虹村先輩。
「あぁ、旨いな」
「これ程のお菓子を作れる者がうちの中学にいたとは…」
「はは、そうだろう。…それで、これを作った本人がいいと言えば、これからも差し入れを作って貰おうと思うんだが、どうだ?」
「さんせーッス!」
「俺も!こんな菓子が毎回食えるとか部活頑張れるわ!」
その他の人たちも賛成のようだ。
「はは、なら決まりだな。なら各自練習に戻れ」
「「「「「「はい!」」」」」」
そうして、監督と、桃井さんが戻ってきた。
「…今の話、聞いていただろう?承認してくれるかな?」
と問われ、私は少し考えてからうなずいた
『…私で力になれるなら』
この日から、私はバスケ部を影で支える存在となった
帝光中…ここまでならまだ、同名の学校なんだな、で済んだ。
でも、紫原くんの登場によって、ここが、前世で私の大好きだった黒子のバスケの世界だと言うことが確定した。
まだ紫原くんにしか会ってないけどね…
今思えば、入学式の、新入生代表者では、赤司くん、あれは黒バスの赤司くんだったんだろう。
遠目にしか見えなかったからわからなかったけど…
でも、それがわかったところで今後どうするの?
バスケ部に関わる?
いや、私なんかじゃ足手まといだ。
なら答えは一つ。
遠目に拝んで、普通に生活していて今まで関わらなかったんだから、普通に生活すればいいんだ。
そこまで思考がまとまったところで、手元に意識を戻すと、大量にレモングミが出来ていた…
考えることに時間を裂くからって分量を多くしすぎた…!
そこまで考えて、先ほど紫原くんから言われた、「差し入れを持ってきて」との言葉を思いだし、バスケ部に差し入れすることにした。
『…わぁ…』
初めて来た帝光中体育館…沢山の人数が練習をしている。
…人数がわからないからなんとも言えないけど、平皿に山盛り二皿もあったら、足りるよね…
そう思っていると、声をかけられた。
「ん?どうした?ここはバスケ部の練習場所だが…それは…?」
監督だ。
桃井さんもいる。
「あ!あなた江藤みのりちゃんだよね!?知ってるよー!調理部のエース!とっても料理が上手いんだよね!」
「む、そうなのか?」
「ええ、私の調べた所によると、栄養バランスも完璧に考えられたメニューを毎度作っています」
『…ふぇえ…』
桃井さんの情報網ホントに凄い…
「そんな調理部のエースがこんなところになに用かな?見たところお菓子を持っているようだけど…」
『あ、これ…作りすぎちゃったので、良かったら、バスケ部の皆さんで消費してください。レモングミです。疲れに良く効くと思います』
「え!?いいの!?」
『うん、作りすぎちゃったから…』
「…いや、ありがたいがそれだけ作るのは大変だったんじゃないか…?」
『いえ、私の考えを纏めるのに丁度よかったので。あ、考えを纏めるのに作ったとはいえ、味は大丈夫だと思います』
「大丈夫だよ~!江藤さんの料理はどれも美味しいって評判だもん!ねえねえ、私も食べてもいい?」
『うん、勿論。監督さんも、良かったら』
「ありがとう!」
「む…それでは、お言葉に甘えるとしよう」
二人がレモングミを口に運ぶ
「…!美味しい!」
「…そうだな。江藤だったか。少し待っていてもらえるか?」
『え?はい、いいですけど…』
私を置いて、二人は体育館の中に入っていき、全員を召集した。
「喜べ。差し入れだ」
監督の声のあと、よっしゃ、など、喜びの声が上がる。
だが、それを不思議に思っているような声も。
「差し入れ…?」
「一体誰からです?」
「その話は後だ。まずは食べてみろ」
「…わかりました」
監督の声で、全員の手がレモングミに伸びる。
「っ~!うまっ!マジうめえじゃん!」
「疲れに効きますね」
「うまいっスー!」
「…どうだ?」
監督が尋ねると、小さく笑みを浮かべる赤司くんと虹村先輩。
「あぁ、旨いな」
「これ程のお菓子を作れる者がうちの中学にいたとは…」
「はは、そうだろう。…それで、これを作った本人がいいと言えば、これからも差し入れを作って貰おうと思うんだが、どうだ?」
「さんせーッス!」
「俺も!こんな菓子が毎回食えるとか部活頑張れるわ!」
その他の人たちも賛成のようだ。
「はは、なら決まりだな。なら各自練習に戻れ」
「「「「「「はい!」」」」」」
そうして、監督と、桃井さんが戻ってきた。
「…今の話、聞いていただろう?承認してくれるかな?」
と問われ、私は少し考えてからうなずいた
『…私で力になれるなら』
この日から、私はバスケ部を影で支える存在となった