「ごめんってば～～～鈍ちゃん！」


元に戻った経一の情けない声が響く。


「…ったく、あんたほとんど無傷じゃないの、梓ちゃんだってあんなにボロボロになってたってのに…
何しに来たのよ筋肉バカ」

「結局またお前に銃撃たせちまうし………責任取るよ、結婚しよう」

「冗談じゃないわ」


２人のやりとりを呆れた顔で見るアシタバにハデスと梓が近付いた。


「アシタバくん。君もすぐ病院に行こう。僕のせいで…こんな無茶させて…本当に」

「私も…力があるのに守りきれなくてごめんね…」

「え！？　いやっ…違います！　２人のせいじゃないですよ！！　ふ、２人のおかげです！」


顔を勢いよく横に振るアシタバにハデスと梓はキョトンとした顔を見せた。


「今思えば…じ…自分でも信じられないことやっちゃったなって思いますけど…でも…僕…あんまり怖くなかったんです。本当に…
牙狼さんと協力すればきっと助けを呼べるし…助けさえ呼べば…居場所さえ知らせればこっちのもんだって……

助けさえ呼べば…先生が、絶対助けに来てくれるって思って……やったんです。
む…無責任ですよね…ごめんなさい……」

「君達が謝る必要がどこにある！」


カッと杖を鳴らし三途川が現れた。


「実に立派だったよアシタバくん、梓くん。君達の勇気は賞賛に値する」

「！　三途川先…あっ！！　みんな!!!」


三途川の後ろから捕われていた美作達がやって来た。


「おーーっ、アシタバ、梓ちゃん元気か！？　お前らもひでーツラしてんな～～」

「あ～～～っ、クソ…だから占いになんて行きたくなかったんだよな…」


藤の言葉を遮りハデスは生徒全員を抱きしめた。
美作に潰されながらも、自分とハデスの頬の触れる感触に梓の顔に熱が集まる。


「ハデス…先生、苦しい…です」

「あっ…ご、ごめんね」


耳元で囁かれた梓の言葉にハデスは慌てて手を緩めた。

そのまま帰る為に三途川の車を停めてある場所へと移動をする中、梓はハデス達に悟られないよう静かに来た通路を戻っていった。



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