第14診:チョコレート・コンプレックス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夜、梓は明日のためキッチンに立っていた。その後ろには獄狼 が尾を振って座っている。
【まだか?】
「まだまだ…」
梓はクスクス笑いながら手の中にある塊を丸く整えていく。
甘い香りのするキッチンで梓が作っているのはチョコレートだった。
【しっかし…何でいきなりチョコ作ってんだ?】
待ちきれないと言うように鼻をひくつかせる獄狼 に梓は先程丸めたチョコトリュフを差し出す。
「はい、味見。まあ…一応、お世話になってるし…ね……」
【ああ……】
出されたトリュフを食べながら獄狼 は納得したように頷く。
そう、明日は2月14日。"バレンタインデー"だ。
チョコを食べ終わった獄狼 は首を傾げながら梓に近付いた。
【買った材料より少なくないか?】
「皆の分は明日作るの。明日渡すのはハデス先生にだけだよ」
梓は苦笑しながら答えた。それは当日には本命にだけ渡す、などという可愛らしい理由ではなく、おそらく明日は大変な日になると予想したからだった。
「それより…味はどう?」
【……美味かった】
お世辞ではないと分かる口調に微笑むと梓は残りのチョコを丸め、ラッピングを施した。
ーーーーー
「……気持ち悪い…」
14日当日、梓は学校中に漂う病魔の気配に眉間にシワを寄せた。
【予想通りってトコか?】
獄狼 の声が頭に響く。窓の外を見れば何人もの肥大化した男子生徒が悲鳴をあげている。
それを見て、梓はハッとしたように廊下を駆け出した。
【どうした!?】
「忘れてた…麓介!!」
毎年大量のチョコを渡される藤。今年も例外ではないだろう。
肥大化はハデスの力で治るのだとしても、友人が被害にあうのは避けたかった。
教室に入ると、今まさに藤、アシタバ、美作が真哉に差し出されたチョコを食べようとしている。
「「待った!!!」」
梓の声と別の人物の声が重なる。
もう一つの声の主はハデスだった。同時に現れた三途川は美作の口を押さえ付けている。
「は…ハデス先生!? なんで……」
真哉の問いを遮るように藤の机に積まれたチョコの山から黒い霧が立ち上る。
.
【まだか?】
「まだまだ…」
梓はクスクス笑いながら手の中にある塊を丸く整えていく。
甘い香りのするキッチンで梓が作っているのはチョコレートだった。
【しっかし…何でいきなりチョコ作ってんだ?】
待ちきれないと言うように鼻をひくつかせる
「はい、味見。まあ…一応、お世話になってるし…ね……」
【ああ……】
出されたトリュフを食べながら
そう、明日は2月14日。"バレンタインデー"だ。
チョコを食べ終わった
【買った材料より少なくないか?】
「皆の分は明日作るの。明日渡すのはハデス先生にだけだよ」
梓は苦笑しながら答えた。それは当日には本命にだけ渡す、などという可愛らしい理由ではなく、おそらく明日は大変な日になると予想したからだった。
「それより…味はどう?」
【……美味かった】
お世辞ではないと分かる口調に微笑むと梓は残りのチョコを丸め、ラッピングを施した。
ーーーーー
「……気持ち悪い…」
14日当日、梓は学校中に漂う病魔の気配に眉間にシワを寄せた。
【予想通りってトコか?】
それを見て、梓はハッとしたように廊下を駆け出した。
【どうした!?】
「忘れてた…麓介!!」
毎年大量のチョコを渡される藤。今年も例外ではないだろう。
肥大化はハデスの力で治るのだとしても、友人が被害にあうのは避けたかった。
教室に入ると、今まさに藤、アシタバ、美作が真哉に差し出されたチョコを食べようとしている。
「「待った!!!」」
梓の声と別の人物の声が重なる。
もう一つの声の主はハデスだった。同時に現れた三途川は美作の口を押さえ付けている。
「は…ハデス先生!? なんで……」
真哉の問いを遮るように藤の机に積まれたチョコの山から黒い霧が立ち上る。
.