第10診:悲劇のテスト週間
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ハデスの薬湯で奇跡的に正気を取り戻したアシタバ。ホッとしたところで藤が口を開く。
「なあ梓、前から気になってたんだけどさ。お前何でそんなに病魔に詳しいんだよ」
保健室の空気が一瞬張り詰めたが、梓は気にせず明るい声で答える。
「だって私もハデス先生と同じ、病魔持ちだもん」
「……はぁああああ!!?」
「あっそだ!シンヤちゃんにも教えてこなくっちゃね」
「ちょっと梓ちゃん!! 今の話ホントッ!?」
扉の向こうには、ハデスに会いに来た真哉が立っていた。
いつものメンバーがそろった所で梓は罹人になったいきさつを簡潔に話した。
もちろん、本当の両親が亡くなったことはふせたまま。
「まあ、そんなわけで小さい頃事故で死にかけたのが原因で罹人になっちゃいました」
「軽っ!!!」
「つーか…何で今まで隠してたんだよ」
皆が驚く中、藤だけは不満そうにしている。
「黙ってたのは悪かったと思ってるわよ。でもいきなり"私病魔がついてます!"って言って信じてくれた?」
「うっ……」
きっと信じなかっただろう。分かっているからこそ藤は何も言えなくなってしまった。
保健室を掃除するため皆を帰す梓にハデスは不安気に尋ねる。
「よかったの? 皆に教えて」
「はい。ハデス先生たちもいますし、その方が動きやすいかなって」
「動き…やすい?」
「私の守護 なら病魔を捕らえておくこともできますから」
「なるほど……」
隠す必要がなくなればもっと動き回れるという事だろう。
逆に言えばそれは罹人としての力をためらいなく使うということ。ハデスの心境は複雑なままだった。
ーーーーー
「あれから色々調べてみたんだが…」
ハデスは三途川に呼ばれ校長室に来ていた。
「梓さんの事故…ですか?」
「ああ。幼い子供1人が生き残る事故だ、どこかに記録が残っていると思ってな」
「そ、それで?」
三途川は眉間にシワを寄せたまま答えた。
「無いんだよ…そんな事故…」
「えっ………」
「梓くんはあの時確かに"4歳の時"と言っていた。つまり今から10年前という事になる。だが…それに該当する事故が見つからない」
「まさか……消された?」
「かもな。病魔の仕業か人間か………」
ただ1つ確かな事はあの時、梓は嘘をついている様子は無かったという事だけ……。
To be continued...
「なあ梓、前から気になってたんだけどさ。お前何でそんなに病魔に詳しいんだよ」
保健室の空気が一瞬張り詰めたが、梓は気にせず明るい声で答える。
「だって私もハデス先生と同じ、病魔持ちだもん」
「……はぁああああ!!?」
「あっそだ!シンヤちゃんにも教えてこなくっちゃね」
「ちょっと梓ちゃん!! 今の話ホントッ!?」
扉の向こうには、ハデスに会いに来た真哉が立っていた。
いつものメンバーがそろった所で梓は罹人になったいきさつを簡潔に話した。
もちろん、本当の両親が亡くなったことはふせたまま。
「まあ、そんなわけで小さい頃事故で死にかけたのが原因で罹人になっちゃいました」
「軽っ!!!」
「つーか…何で今まで隠してたんだよ」
皆が驚く中、藤だけは不満そうにしている。
「黙ってたのは悪かったと思ってるわよ。でもいきなり"私病魔がついてます!"って言って信じてくれた?」
「うっ……」
きっと信じなかっただろう。分かっているからこそ藤は何も言えなくなってしまった。
保健室を掃除するため皆を帰す梓にハデスは不安気に尋ねる。
「よかったの? 皆に教えて」
「はい。ハデス先生たちもいますし、その方が動きやすいかなって」
「動き…やすい?」
「私の
「なるほど……」
隠す必要がなくなればもっと動き回れるという事だろう。
逆に言えばそれは罹人としての力をためらいなく使うということ。ハデスの心境は複雑なままだった。
ーーーーー
「あれから色々調べてみたんだが…」
ハデスは三途川に呼ばれ校長室に来ていた。
「梓さんの事故…ですか?」
「ああ。幼い子供1人が生き残る事故だ、どこかに記録が残っていると思ってな」
「そ、それで?」
三途川は眉間にシワを寄せたまま答えた。
「無いんだよ…そんな事故…」
「えっ………」
「梓くんはあの時確かに"4歳の時"と言っていた。つまり今から10年前という事になる。だが…それに該当する事故が見つからない」
「まさか……消された?」
「かもな。病魔の仕業か人間か………」
ただ1つ確かな事はあの時、梓は嘘をついている様子は無かったという事だけ……。
To be continued...