第9診:過去の真実、そして現在へ…
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【
「つまり……"同じ気持ち以上に愛する"事がきっかけになり記憶が戻ると?」
三途川の問いに
【さすがアンタは物分かりが良いな……カケラしか残ってなくても記憶は記憶。きっかけさえ与えれば思い出せる…………難しい事だがな…】
「家族を愛する事のどこが難しいんだ?」
【お前…物分かり悪すぎだろ…】
【お前は見覚えがある程度の人間を家族と思えるのか?
ましてやこれから会う事すら出来ない人間をどうやって愛する?】
ハデスは何も言い返せず声を詰まらせた。
「
梓にそう言われ
「昔からずっと考えてたんです。どうして私だけが生き残ったんだろう、私も一緒が良かった…って。
でも
梓の声がしだいに震え始める。
「梓さんが見た悪夢って……」
「事故の時のでした。両親が生き絶える場面なんて…絶望的でしかないですけど、父が言ってくれたんです。
生きろって、必ず守るからって……。
それで…私本当に愛されてたんだなぁって思っ…て」
いつの間にか梓の瞳からは涙がこぼれていた。
「あ…あれ?すみません…」
ハデスは静かに移動すると、必死に涙を止めようとする梓を優しく抱きしめた。
「我慢しなくていいんだよ。泣きたい時は泣いていいって言ったのは梓さんなんだから…」
「~~~~~っ」
梓は火がついたように泣き出した。それは長い間思い、悩み、堪えてきた涙。
白衣にしがみつく梓の背中をハデスは優しく撫で続けた。
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