第8診:目覚めの時
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何枚かの資料を見ながら三途川はなおも続ける。
「廃館になったのは6年前、主人の名は枕木 夢路。
趣味が高じての経営だったが…小さいなりにうまくやっていた。が、廃館になる一年前に"望実"という一人娘を亡くしている。
死因は絞首による窒息、近所のライブ会場のステージ上で首を吊っていたのが発見されたそうだ。足元の遺書には……"夢を見失った"…そう書かれていたらしい」
人に夢を与えることを生業にしていた父親と、夢を見失ったと自ら命を絶ってしまった娘。
梓には哀れな老人の心の闇が見えた気がした。
すると話の深刻さにアシタバがおずおずと口を開く。
「あの…今の話…ひょっとして僕が聞いちゃまずかったんじゃ…?」
「いや? 過去さんざんニュースになった話だ。むしろ長い話に付き合わせて悪かったね。
さて…、此度の私からの依頼はこれで全て完了だ、邪魔したな。引き続き"本業"に精を尽くしたまえ」
「…! はい。ありがとうございます」
三途川が去ると、予鈴のチャイムが鳴り響いた。
「信っじらんねえ…貴重な休み時間をアホとの口論で全て潰しちまった…」
「こっちのセリフだボケ!!」
美作と龍黄が騒ぐ中、藤はベッドに向かい歩いていく。
当たり前のような姿に梓は呆れ顔を隠せない。
「藤くんまた…」
「次音楽。先週出たから今回は休み」
「そんなルールないわよ!!」
すると藤の前にハデスが立ち塞がる。
「……おい…何のマネだよ。まさか…」
「それがね…今週はダメなんだよ、藤くん…"君の病気"をもってしても今回ばかりは……」
藤の病気とは"定期的に保健室でサボらないと死ぬ病"と言うタチの悪いウソ。
「一応俺の命より大事な理由とやらを聞いておこうじゃねーか」
「くっ…これも全て君のためを想ってのことなんだよ…ここのところ慌ただしくてすっかり忘れてたけど…………来週からテスト週間なんだよ…!!
君の病気の黙認は君の成績を落とさないことが条件と担任の先生からきつく言われていてね…今週ばかりは僕も心を鬼にさせてもらうよ……」
「なっ…なんだとーーーーっ!!!」
保健室に藤の声が響いた。
.
「廃館になったのは6年前、主人の名は枕木 夢路。
趣味が高じての経営だったが…小さいなりにうまくやっていた。が、廃館になる一年前に"望実"という一人娘を亡くしている。
死因は絞首による窒息、近所のライブ会場のステージ上で首を吊っていたのが発見されたそうだ。足元の遺書には……"夢を見失った"…そう書かれていたらしい」
人に夢を与えることを生業にしていた父親と、夢を見失ったと自ら命を絶ってしまった娘。
梓には哀れな老人の心の闇が見えた気がした。
すると話の深刻さにアシタバがおずおずと口を開く。
「あの…今の話…ひょっとして僕が聞いちゃまずかったんじゃ…?」
「いや? 過去さんざんニュースになった話だ。むしろ長い話に付き合わせて悪かったね。
さて…、此度の私からの依頼はこれで全て完了だ、邪魔したな。引き続き"本業"に精を尽くしたまえ」
「…! はい。ありがとうございます」
三途川が去ると、予鈴のチャイムが鳴り響いた。
「信っじらんねえ…貴重な休み時間をアホとの口論で全て潰しちまった…」
「こっちのセリフだボケ!!」
美作と龍黄が騒ぐ中、藤はベッドに向かい歩いていく。
当たり前のような姿に梓は呆れ顔を隠せない。
「藤くんまた…」
「次音楽。先週出たから今回は休み」
「そんなルールないわよ!!」
すると藤の前にハデスが立ち塞がる。
「……おい…何のマネだよ。まさか…」
「それがね…今週はダメなんだよ、藤くん…"君の病気"をもってしても今回ばかりは……」
藤の病気とは"定期的に保健室でサボらないと死ぬ病"と言うタチの悪いウソ。
「一応俺の命より大事な理由とやらを聞いておこうじゃねーか」
「くっ…これも全て君のためを想ってのことなんだよ…ここのところ慌ただしくてすっかり忘れてたけど…………来週からテスト週間なんだよ…!!
君の病気の黙認は君の成績を落とさないことが条件と担任の先生からきつく言われていてね…今週ばかりは僕も心を鬼にさせてもらうよ……」
「なっ…なんだとーーーーっ!!!」
保健室に藤の声が響いた。
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