第8診:目覚めの時
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すがり付くように手を伸ばす老人の側にのぞみは静かにしゃがむ。
「もう…終わったんだよ。ううん…初めから始まってすらいなかった。あんたもあたしも…ずっと夢の中に捕われていただけ………
"髪の毛の先ほどの可能性"……あたしにも………あの時…そこまでの勇気があったら………」
そう言い残すとのぞみは完全に消え去り、残された老人は絶望の淵に立たされたかのようだった。
そんな中、三途川は軽くため息をつく。
「やれやれ……さて…もう一働きといったところか。後始末は私に任せろ」
「! しかし……」
「君は何よりも先にその子達をご両親の元へ届けてやれ。
もちろん梓くんも送って行くんだぞ」
「……そうですね…わかりました。送り次第また戻って来ます」
ハデスの言葉を三途川は携帯をズラリと並べて断り、映画館から4人を追い出した。
家に着くまでの間、真哉は刀哉の腕にしがみつき涙を流している。
真哉と刀哉を家まで送り届けると、ハデスは梓に向き直った。
「さあ、行こうか…」
2人は黙ったまま梓の家へと足を向けた。
家に向かう途中の公園で梓は足を止める。
「梓さん?」
「ちょっと寄り道しませんか?」
ベンチに腰掛けると少し冷たくなった風が2人の頬を撫でる。
しばらくすると困ったようにハデスが口を開いた。
「梓さん…その……今日の事だけど…」
「そうですね……明日の放課後にでも、全てをお話しします」
少しホッとした顔のハデスは首を傾げた。
「今日では何か不都合なことでも?」
「いえ…ただ、三途川先生もいる時の方が良いかなって…」
「ああ、それもそうだね」
「ハデス先生……先生が見た"悪夢"って何ですか?」
「えっ!?」
「先生、さっきからすごく辛そうな顔してます。大人でも辛いときは辛いって言っても良いと思います」
ハデスは心配そうに顔を覗き込む梓の頭を優しく撫でた。
「梓さんは本当に優しい子だね……僕は大丈夫だよ。だから心配しないで…」
そう言って微笑むハデスの頭に梓はそっと手を伸ばした。
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「もう…終わったんだよ。ううん…初めから始まってすらいなかった。あんたもあたしも…ずっと夢の中に捕われていただけ………
"髪の毛の先ほどの可能性"……あたしにも………あの時…そこまでの勇気があったら………」
そう言い残すとのぞみは完全に消え去り、残された老人は絶望の淵に立たされたかのようだった。
そんな中、三途川は軽くため息をつく。
「やれやれ……さて…もう一働きといったところか。後始末は私に任せろ」
「! しかし……」
「君は何よりも先にその子達をご両親の元へ届けてやれ。
もちろん梓くんも送って行くんだぞ」
「……そうですね…わかりました。送り次第また戻って来ます」
ハデスの言葉を三途川は携帯をズラリと並べて断り、映画館から4人を追い出した。
家に着くまでの間、真哉は刀哉の腕にしがみつき涙を流している。
真哉と刀哉を家まで送り届けると、ハデスは梓に向き直った。
「さあ、行こうか…」
2人は黙ったまま梓の家へと足を向けた。
家に向かう途中の公園で梓は足を止める。
「梓さん?」
「ちょっと寄り道しませんか?」
ベンチに腰掛けると少し冷たくなった風が2人の頬を撫でる。
しばらくすると困ったようにハデスが口を開いた。
「梓さん…その……今日の事だけど…」
「そうですね……明日の放課後にでも、全てをお話しします」
少しホッとした顔のハデスは首を傾げた。
「今日では何か不都合なことでも?」
「いえ…ただ、三途川先生もいる時の方が良いかなって…」
「ああ、それもそうだね」
「ハデス先生……先生が見た"悪夢"って何ですか?」
「えっ!?」
「先生、さっきからすごく辛そうな顔してます。大人でも辛いときは辛いって言っても良いと思います」
ハデスは心配そうに顔を覗き込む梓の頭を優しく撫でた。
「梓さんは本当に優しい子だね……僕は大丈夫だよ。だから心配しないで…」
そう言って微笑むハデスの頭に梓はそっと手を伸ばした。
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