第8診:目覚めの時
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次の瞬間、梓は道路に立っていた。
山を切り立って作られた道路でガードレールの向こうは崖になっている。
ドクン
「うそ……ここって…」
梓の心臓が早鐘のように鳴り響く。
少し先を見ると2台の車が横転しており、乗用車の近くに幼い少女が倒れている。
「あれ……あた…し…?」
駆け寄ろうとした梓は見えない壁にぶつかり足を止めた。
「パ…パ、ママ!!」
乗用車の中には1組の男女が取り残され大量に出血している。
「やだっ!! パパ、ママ!!!」
梓は何度も壁を殴り付けた。びくともしない壁の向こうに見えたのは…
血まみれで笑う両親の姿
「いやああぁぁ」
梓がその場に崩れ落ちたその時……
【しっかりしろ! 梓!!!】
ビクリと肩を震わせ隣を見ると獄狼 が現れていた。
【落ち着け、目を背けずに見るんだ。お前の両親が何を伝えようとしているのかを!】
「………うん…」
あふれていた涙を拭い前を見ると、先程と変わらぬ光景がそこにある。
目を凝らすと笑う父の口がわずかに動いているのがわかった。
「何か言ってる……い…き…なさ…い……行きなさい? 逃げろってこと?」
それはムリな話だ。車外にいるとはいえ、幼い梓もケガをして意識が朦朧としているのだから。
すると、父の口がまだ動いていることに気付く。
「違う…まだ続きがある………あっ!?」
梓は口を押さえ、驚きで見開かれた瞳からは涙があふれていた。
【わかったか?】
獄狼 がそう言うと梓は泣きじゃくりながら何度も頷いた。
父が死の間際に伝えたかったこと…それは……
"生きなさい。私達が必ず守ってあげるから…"
【さあ、ここから出るぞ。この空間…ブチ壊してほしいか?】
意地悪く笑う獄狼 に涙を拭って立ち上がった梓は笑顔で答えた。
「自分でやる。でも力は貸してね」
その言葉を合図に獄狼 の姿は消え、梓は銀色の犬耳と尾をはやした姿となる。
強く握りしめた拳を目の前の壁にぶつけると辺りはガラス細工のように砕け散った。
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山を切り立って作られた道路でガードレールの向こうは崖になっている。
ドクン
「うそ……ここって…」
梓の心臓が早鐘のように鳴り響く。
少し先を見ると2台の車が横転しており、乗用車の近くに幼い少女が倒れている。
「あれ……あた…し…?」
駆け寄ろうとした梓は見えない壁にぶつかり足を止めた。
「パ…パ、ママ!!」
乗用車の中には1組の男女が取り残され大量に出血している。
「やだっ!! パパ、ママ!!!」
梓は何度も壁を殴り付けた。びくともしない壁の向こうに見えたのは…
血まみれで笑う両親の姿
「いやああぁぁ」
梓がその場に崩れ落ちたその時……
【しっかりしろ! 梓!!!】
ビクリと肩を震わせ隣を見ると
【落ち着け、目を背けずに見るんだ。お前の両親が何を伝えようとしているのかを!】
「………うん…」
あふれていた涙を拭い前を見ると、先程と変わらぬ光景がそこにある。
目を凝らすと笑う父の口がわずかに動いているのがわかった。
「何か言ってる……い…き…なさ…い……行きなさい? 逃げろってこと?」
それはムリな話だ。車外にいるとはいえ、幼い梓もケガをして意識が朦朧としているのだから。
すると、父の口がまだ動いていることに気付く。
「違う…まだ続きがある………あっ!?」
梓は口を押さえ、驚きで見開かれた瞳からは涙があふれていた。
【わかったか?】
父が死の間際に伝えたかったこと…それは……
"生きなさい。私達が必ず守ってあげるから…"
【さあ、ここから出るぞ。この空間…ブチ壊してほしいか?】
意地悪く笑う
「自分でやる。でも力は貸してね」
その言葉を合図に
強く握りしめた拳を目の前の壁にぶつけると辺りはガラス細工のように砕け散った。
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