第5診:あがり症の大女優
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「はい…完了…」
「ふーーーーっ…」
「ぴーちゃん…消えちゃった…」
問題が解決し皆が安堵している中、首を傾げているものが1人。
「あの…さ、麓介はわかるけど…なんで私まで巻き込まれたの?」
「そ…そういえば…」
梓の疑問にアシタバも首を傾げる。
「あ…あの…」
顔を赤く染めた花巻が梓に近付いた。
「あの、牙狼さん…これ…」
「……?」
差し出されたのは真新しいハンカチ。
「覚えてないかもしれないけど…1年生の体育祭の時、転んで膝を擦りむいた私に牙狼さんがハンカチを巻いてくれたの。
あの時のハンカチはどうしても血が落ちなくて…新しいハンカチを買ったんだけど…声……かけられなくて…」
「ごめんなさい……」と消え入りそうな声で花巻は話す。
「俺は消しゴムやったことなんか全然覚えてないけど…これは詫びってことでもらっといて全部チャラにすんぞ…」
「藤…くん」
「私は…許さないよ…」
「!? ……そ…そう…だよね…」
「私のこと梓って読んでくれなきゃ許さないから…ね」
驚き顔をあげる花巻に梓はニコッと微笑んだ。
暖かい雰囲気が保健室を包み込む。
そんな中藤はゴロンとベッドに寝転んだ。
「あーーーーー疲れた…3日くらい寝る。出てけ騒音の元」
「バカたれ。もう下校時刻とっくに過ぎてんだよ」
「まあでも本当に疲れてるみたいだからね………
お宅に電話して迎えに来てもらおうか」
そういってハデスが電話に手を伸ばすと、藤は慌てて起き上がった。
「やっぱいい…帰る……」
「おっ!! オマエかーちゃんに迎えに来てもらうのが恥ずかしーんだろ!!」
「ちげーよ!! あ~~~もう、めんどくせ~~~~」
「…?」
そうして5人は保健室を後にするのだが、帰り際…藤はハデスを振り返った。
「藤くん、帰らないの?」
「なあ…あんた梓に病魔とかゆーやつのこと教えたのか?」
「いや…」
「そっか…なんかあいつスゲー詳しかったからさ…」
そう言い残して藤は帰っていった。
残されたハデスの眉間には深いシワが刻まれている。
ちなみに余談だか、この日以来梓と花巻は休みの日に時々遊びにいったりするほど仲良くなった………らしい。
To be continued...