第5診:あがり症の大女優
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花巻の悲痛な叫びを無視し、さらに臆病 は声を荒げる。
【みんな求めてるんだ…失敗のない世界をね。
そこには何の責任も重圧 もない。ましてや覚悟なんムガッ…ウゴッ!!?】
急に息苦しそうな声になったのは臆病 の首を梓が手が白くなるほどに握りしめているからである。
【ウ…グゥ…】
「あんたの宿主様がやめろっつったのが聞こえなかったの…? えぇ…臆病 ……」
その場にいた全員の背筋が寒くなる冷たい声だった。
さらに梓の瞳は鏑木の挑発 の時のように深紅にそまっている。
「梓……?」
「花巻さん…勇気を出して、また"同じこと"をくり返すの?」
先程の冷たい声とは打って変わっての優しい声に花巻は小さく頷き、ベッドから足を降ろした。
「藤…くん、これ…!!」
花巻が藤に差し出したのは小さな包み。
「…? な…なんだよ、これ……」
「……ずっと前…2年生になって初めてのテストの時………
私…ありがとうって言えなくて…ずっと…ずっと気にしてた…!!」
それはテストで消しゴムを忘れ困っていた時、後ろの席の藤が自分の消しゴムをカッターで切り、譲ってくれたと言うことだった。
小さな包みを開けると新品の消しゴムが出てきた。
包みから消しゴムを取り出し、藤は驚く。
「消しゴム……? 新品の…おまえ…こんなのずっと…気にしてたのか…?」
「ゴメンね、ぴーちゃん。私…ぴーちゃんの気持ちわかるよ…私も自分が傷付くことがすごく怖い…
でも私のせいで藤くんが傷付いてるの見るのは…もっと怖かった…!! 自分が傷付くことより…」
【ウソだ…ウソつけよ!!】
臆病 は梓の手を振りほどいてわめき散らした。
【自分が一番かわいくないって言うのかよ!!?】
「さあ…そろそろおまえも腹をくくる時だ」
ハデスの手からは黒い霧が拡がっている。
「再演は終了だよ。最初で最後の"覚悟"をするんだな」
【やだ…やだよ!! 助けろよミク!! ボクのしてやったこと忘れたのかよぉ!!】
「私が前に進めたのはきっとぴーちゃんのおかげ…でも…私…変わるから! もう一緒にはいられない。
ありがとう…ぴーちゃん。さよなら」
【いやだあああああああ】
.
【みんな求めてるんだ…失敗のない世界をね。
そこには何の責任も
急に息苦しそうな声になったのは
【ウ…グゥ…】
「あんたの宿主様がやめろっつったのが聞こえなかったの…? えぇ…
その場にいた全員の背筋が寒くなる冷たい声だった。
さらに梓の瞳は鏑木の
「梓……?」
「花巻さん…勇気を出して、また"同じこと"をくり返すの?」
先程の冷たい声とは打って変わっての優しい声に花巻は小さく頷き、ベッドから足を降ろした。
「藤…くん、これ…!!」
花巻が藤に差し出したのは小さな包み。
「…? な…なんだよ、これ……」
「……ずっと前…2年生になって初めてのテストの時………
私…ありがとうって言えなくて…ずっと…ずっと気にしてた…!!」
それはテストで消しゴムを忘れ困っていた時、後ろの席の藤が自分の消しゴムをカッターで切り、譲ってくれたと言うことだった。
小さな包みを開けると新品の消しゴムが出てきた。
包みから消しゴムを取り出し、藤は驚く。
「消しゴム……? 新品の…おまえ…こんなのずっと…気にしてたのか…?」
「ゴメンね、ぴーちゃん。私…ぴーちゃんの気持ちわかるよ…私も自分が傷付くことがすごく怖い…
でも私のせいで藤くんが傷付いてるの見るのは…もっと怖かった…!! 自分が傷付くことより…」
【ウソだ…ウソつけよ!!】
【自分が一番かわいくないって言うのかよ!!?】
「さあ…そろそろおまえも腹をくくる時だ」
ハデスの手からは黒い霧が拡がっている。
「再演は終了だよ。最初で最後の"覚悟"をするんだな」
【やだ…やだよ!! 助けろよミク!! ボクのしてやったこと忘れたのかよぉ!!】
「私が前に進めたのはきっとぴーちゃんのおかげ…でも…私…変わるから! もう一緒にはいられない。
ありがとう…ぴーちゃん。さよなら」
【いやだあああああああ】
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