第36診:開きかけた記憶
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
梓はチリトリのゴミを捨てるとハデスの方を振り向いた。
「え~と……掃除も終わったんで私はこれで帰りますね」
「あ…ああ、うん。はい、気を付けてね…」
いつもは特に予定がない場合は下校時刻まで残っている梓だが、先日の林間学校の一件以来なんとなく2人の間にはぎこちない空気が流れていた。
ーーーーー
「はぁ……このままじゃダメだよね」
梓がため息をついて歩いていると、不意に後ろから肩を叩かれた。
「ねぇねぇ、そこの常中の子」
聞き慣れない声に振り向くと梓は目を見開いた。
そこにはハデスによく似た容姿の男子高校生が立っていたからだ。
「君、すっごくカワイイね! オレ下弦朗 って言うんだけど、名前なんていうの?」
下弦朗と名乗る男子高生からは病魔の気配がするが、梓はそれどころではなかった。
心臓が鳴り響き、胸の奥でカチリと何かが開くような音が聞こえる。
本能が告げている。
カカワルナ
と……。だが、梓の意思とは反対に口が動く。
「…牙狼……梓…」
「梓ちゃんだね。オッケー」
頭を垂らす下弦朗をほんの一瞬黒い霧が包み、再度見せた顔は先程とは少し印象が違う。
それに反応するかのように梓の鼓動は更に早くなる。
「梓…会いたかった。あの時の"約束"覚えてるか?」
梓の頭が真っ白になる。
「ハデス…先生……じゃ、ない。……いつ…ひ…と、おにぃ……」
ドクン
「あ…いやあぁぁぁ!!!」
頭を抱えて叫ぶ梓の身体に凄まじいスピードでヒビが拡がり始める。
【クソッ】
獄狼 は姿を現し梓を担ぐと建物の上へと飛び上がった。
後にはポカンと口を開けた下弦朗が残されている。
【あのガキ…今度"あんなモン"付けたまま梓の前に姿見せてみろ……噛み殺してやる!!】
苦痛に顔を歪めながらも獄狼 は人目に付かぬよう素早く屋根から屋根へと跳び移る。
向かう先は…………保健室。
.
「え~と……掃除も終わったんで私はこれで帰りますね」
「あ…ああ、うん。はい、気を付けてね…」
いつもは特に予定がない場合は下校時刻まで残っている梓だが、先日の林間学校の一件以来なんとなく2人の間にはぎこちない空気が流れていた。
ーーーーー
「はぁ……このままじゃダメだよね」
梓がため息をついて歩いていると、不意に後ろから肩を叩かれた。
「ねぇねぇ、そこの常中の子」
聞き慣れない声に振り向くと梓は目を見開いた。
そこにはハデスによく似た容姿の男子高校生が立っていたからだ。
「君、すっごくカワイイね! オレ
下弦朗と名乗る男子高生からは病魔の気配がするが、梓はそれどころではなかった。
心臓が鳴り響き、胸の奥でカチリと何かが開くような音が聞こえる。
本能が告げている。
カカワルナ
と……。だが、梓の意思とは反対に口が動く。
「…牙狼……梓…」
「梓ちゃんだね。オッケー」
頭を垂らす下弦朗をほんの一瞬黒い霧が包み、再度見せた顔は先程とは少し印象が違う。
それに反応するかのように梓の鼓動は更に早くなる。
「梓…会いたかった。あの時の"約束"覚えてるか?」
梓の頭が真っ白になる。
「ハデス…先生……じゃ、ない。……いつ…ひ…と、おにぃ……」
ドクン
「あ…いやあぁぁぁ!!!」
頭を抱えて叫ぶ梓の身体に凄まじいスピードでヒビが拡がり始める。
【クソッ】
後にはポカンと口を開けた下弦朗が残されている。
【あのガキ…今度"あんなモン"付けたまま梓の前に姿見せてみろ……噛み殺してやる!!】
苦痛に顔を歪めながらも
向かう先は…………保健室。
.