第33診:一年で一番憂鬱な日
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次の日の朝、梓と真哉はキッチンに立っていた。
「梓ちゃん! 卵に殻が入っちゃったよ~」
「そんなの菜箸で取っちゃえば大丈夫だよ。
取れたらかき混ぜて…あっ、フライパンの火はもう少し弱くして」
「う、うん…」
「できたらフライパンにゆっくり流し込んで」
ジュワっという音と溶けたバターの香りが食欲をそそる。
「後は固まってきたらほぐすだけ。
ね、簡単でしょ?」
その問いも真剣な真哉には聞こえていないようで、梓はクスリと笑いながらトースターからトーストを取り出し半分に切ると、隙間が出来るように中にナイフを滑り込ませた。
「梓ちゃん、これでいい?」
真哉が差し出したフライパンには煎り卵、いわゆるスクランブルエッグがちょうど良い位に出来上がっている。
「うん、いい感じ。で、この卵をトーストの中に入れて…」
梓はスクランブルエッグを中が空洞になったトーストにスプーンで入れて見せた。
真哉もそれに習って同じように全てのトーストに卵を入れていく。
「最後にケチャップを入れて……
はいっ、なんちゃってピタパンの出来上がり!!」
「できた………初めてちゃんと美味しそうにできたよ~!」
「朝から何騒いでんの……って何それ?」
真哉が飛び上がって喜んでいると、刀哉が大きなあくびをしながら現れ、テーブルの上に置かれた食事に目を止めた。
「牙狼先輩もしかして朝ごはんまで作ってもらったんですか!?」
勘違いをしている刀哉に梓は悪戯っぽく笑うと皿を差し出した。
「これ、初めて作ったんだけど感想聞かせてくれない?」
「? いいですけど…」
梓の後ろで慌てる真哉に首を傾げながらも、刀哉はピタパンにかぶり付いた。
不安げな真哉をよそに一口目を飲み込みこちらに視線を向ける。
「どう?」
「おいしいですよ。あっ、ウインナーとか入れても良いかもしれないですね」
「だって。良かったね、シンヤちゃん」
満面の笑みで言う梓に刀哉は目を見開いた。
「はっ!? いや、だって今初めて作ったって……」
「うん。"シンヤちゃんが"ね」
「えぇっ!?」
「さっ、シンヤちゃんさっきの忘れないうちに私達の分も作ろう!」
「うん!!」
そう言って固まったままの刀哉を置いて、梓と真哉は再びキッチンへと姿を消した。
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「梓ちゃん! 卵に殻が入っちゃったよ~」
「そんなの菜箸で取っちゃえば大丈夫だよ。
取れたらかき混ぜて…あっ、フライパンの火はもう少し弱くして」
「う、うん…」
「できたらフライパンにゆっくり流し込んで」
ジュワっという音と溶けたバターの香りが食欲をそそる。
「後は固まってきたらほぐすだけ。
ね、簡単でしょ?」
その問いも真剣な真哉には聞こえていないようで、梓はクスリと笑いながらトースターからトーストを取り出し半分に切ると、隙間が出来るように中にナイフを滑り込ませた。
「梓ちゃん、これでいい?」
真哉が差し出したフライパンには煎り卵、いわゆるスクランブルエッグがちょうど良い位に出来上がっている。
「うん、いい感じ。で、この卵をトーストの中に入れて…」
梓はスクランブルエッグを中が空洞になったトーストにスプーンで入れて見せた。
真哉もそれに習って同じように全てのトーストに卵を入れていく。
「最後にケチャップを入れて……
はいっ、なんちゃってピタパンの出来上がり!!」
「できた………初めてちゃんと美味しそうにできたよ~!」
「朝から何騒いでんの……って何それ?」
真哉が飛び上がって喜んでいると、刀哉が大きなあくびをしながら現れ、テーブルの上に置かれた食事に目を止めた。
「牙狼先輩もしかして朝ごはんまで作ってもらったんですか!?」
勘違いをしている刀哉に梓は悪戯っぽく笑うと皿を差し出した。
「これ、初めて作ったんだけど感想聞かせてくれない?」
「? いいですけど…」
梓の後ろで慌てる真哉に首を傾げながらも、刀哉はピタパンにかぶり付いた。
不安げな真哉をよそに一口目を飲み込みこちらに視線を向ける。
「どう?」
「おいしいですよ。あっ、ウインナーとか入れても良いかもしれないですね」
「だって。良かったね、シンヤちゃん」
満面の笑みで言う梓に刀哉は目を見開いた。
「はっ!? いや、だって今初めて作ったって……」
「うん。"シンヤちゃんが"ね」
「えぇっ!?」
「さっ、シンヤちゃんさっきの忘れないうちに私達の分も作ろう!」
「うん!!」
そう言って固まったままの刀哉を置いて、梓と真哉は再びキッチンへと姿を消した。
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