第32診:ハデス先生の冒険?
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先程とは違い梓の言葉からは刺々しさはなくなっている。
「あの……梓さん、時間も遅いし怪我の事も気になるし…やっぱり家まで送らせてもらえないかな?」
おそるおそる尋ねられ黙って頷く梓に少し安堵の息をもらし、ハデスは職員室に声をかけて職員玄関へ移動した。
床に転がる梓の草履を見てハデスは「あっ」と声をあげた。
「草履は辛いよね。僕の靴で良ければ使う?」
自分の靴を差し出すハデスに梓は下を向いたまま首を横に振る。
「絆創膏がクッションになってるんで平気です」
いつもと比べて弱々しい表情に、そんな顔をさせたのは自分だと思うとハデスの胸がチクリと痛んだ。
「そう……それじゃあ痛くなったら無理せずにすぐに教えてね」
「はい…」
差し出されたハデスの手を借りて草履を履き、歩き始める。
お互い口を開くことはなかったが、その無言の空気が重いとは思わなかった。
むしろ、繋がれたままの手が2人の気持ちを穏やかなものにしていた。
しばらくして梓の家に到着したが、ハデスは手を放そうとしない。
「言い訳に……なるかもしれないけど……」
「?」
「電話…しようとは思ったんだよ、本当に。
でも、帰る前の梓さんがすごく楽しそうだったから………」
三途川からの連絡の後、知らせようとは思ったものの盛夏際を楽しみにする梓の姿を思うと、どうしても電話をかけることが出来なかった。
「だから…梓さんの事を頼りにしてないとかそんな風には思ってないよ。それだけは……信じてほしいんだ…」
不安げに言うハデスの手を梓が握り返す。
「…っ!?」
「本当…ですか…?」
驚いて顔を向けるとまるで叱られた子犬のようなしょぼんとした顔の梓と目が合った。
「もっ、もちろん!!」
勢いよく首を縦に振りながら答えるハデスに梓はようやく笑顔を見せた。
「じゃあ、全部じゃなくていいのでハデス先生が困ったらちゃんと教えて下さい。
今回だって連絡をくれたらマンドレークが花屋さんだってすぐにわかったんですから」
「そうだね……って…花屋さん? だって三途川先生は"せいか"店だって……」
ハデスは頭に"?"を浮かべながら首を傾げた。
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「あの……梓さん、時間も遅いし怪我の事も気になるし…やっぱり家まで送らせてもらえないかな?」
おそるおそる尋ねられ黙って頷く梓に少し安堵の息をもらし、ハデスは職員室に声をかけて職員玄関へ移動した。
床に転がる梓の草履を見てハデスは「あっ」と声をあげた。
「草履は辛いよね。僕の靴で良ければ使う?」
自分の靴を差し出すハデスに梓は下を向いたまま首を横に振る。
「絆創膏がクッションになってるんで平気です」
いつもと比べて弱々しい表情に、そんな顔をさせたのは自分だと思うとハデスの胸がチクリと痛んだ。
「そう……それじゃあ痛くなったら無理せずにすぐに教えてね」
「はい…」
差し出されたハデスの手を借りて草履を履き、歩き始める。
お互い口を開くことはなかったが、その無言の空気が重いとは思わなかった。
むしろ、繋がれたままの手が2人の気持ちを穏やかなものにしていた。
しばらくして梓の家に到着したが、ハデスは手を放そうとしない。
「言い訳に……なるかもしれないけど……」
「?」
「電話…しようとは思ったんだよ、本当に。
でも、帰る前の梓さんがすごく楽しそうだったから………」
三途川からの連絡の後、知らせようとは思ったものの盛夏際を楽しみにする梓の姿を思うと、どうしても電話をかけることが出来なかった。
「だから…梓さんの事を頼りにしてないとかそんな風には思ってないよ。それだけは……信じてほしいんだ…」
不安げに言うハデスの手を梓が握り返す。
「…っ!?」
「本当…ですか…?」
驚いて顔を向けるとまるで叱られた子犬のようなしょぼんとした顔の梓と目が合った。
「もっ、もちろん!!」
勢いよく首を縦に振りながら答えるハデスに梓はようやく笑顔を見せた。
「じゃあ、全部じゃなくていいのでハデス先生が困ったらちゃんと教えて下さい。
今回だって連絡をくれたらマンドレークが花屋さんだってすぐにわかったんですから」
「そうだね……って…花屋さん? だって三途川先生は"せいか"店だって……」
ハデスは頭に"?"を浮かべながら首を傾げた。
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