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第30診:後ろ向き妄想少女

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「みそ汁のおばけが見える?」


次の日、の心配通り日暮は保健室にやって来た。


「ら…らしいです。見ててかわいそうなくらいおびえてて…」


病魔かも、と言う真哉の隣で日暮はうわごとの様に「おじさん…おじさん…」と呟いている。


「入ってますね…間違いなく」

「そうだね。昨日は眠れなかった? 目の下が真っ黒だね…もう大丈夫だから…少しジッとしててね…」


ハデスが手をかざすと、懐中時計で繋がった脳がむき出しの少女と兎耳の骸骨の病魔が抜け出た。


「はい、終わったよ」

「ありがとうございます、ハデス先生」


そう言って真哉と蜂谷は日暮を連れて保健室を出て行った。


夢想ドリーミングでしたね」

「うん、感染した人間の妄想を幻覚として見せる病魔。もう大丈夫だと思うよ…」

「だといいですけど……」

「?」


の言葉にハデスは首を傾げたが、さらに次の日その意味を知ることになる。





ーーーーー

「さ…再発した…!?」

「やっぱり……」

「また見えるようになっちゃったって」


真哉に連れて来られた日暮は耳栓に目隠しの状態で、頭にいくつものたんこぶができていた。


「うーん。しかしそれでよくここまで来れたね…
とりあえず、たんこぶの手当をしようか…」


が冷蔵庫からアイスノンを出してくると、目隠しを外した日暮がポロポロと涙を零しはじめた。


「もうやだ…私…怖いこと考えちゃダメって思ってるのに…そしたら余計色んなこと考えちゃって…!! 自分でもどうやったら止められるのか…わからないんです…
シンヤちゃんも蜜味もごめんね…私、めんどくさいよね…」

「そんな」

「あたしらは別に…」


真哉と蜂谷はフォローを入れるが、日暮は泣き止まない。


「日暮さんは…真面目すぎるんだね。どうするんですか、ハデス先生?」

「大丈夫、考えることをやめられないならやめなくてもいいんだ。
ちょっと方向を変える努力をしてみよう」

「日暮は考えすぎで悩んでるのにやめなくていいって……?」


言葉の意味が判らず首を傾げる蜂谷にハデスは自信満々に答えた。


「特別講師を呼びます!」

「えっ?」

「は…ハデス先生、特別講師ってもしかして……」

「うん。さん、"彼"呼べるかな…?」

「知りませんからね、どうなっても」


にしては珍しく顔をしかめ、特別講師を呼ぶべく携帯を開いた。


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