第30診:後ろ向き妄想少女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
日暮は涙目のまま話し続ける。
「今、七匹目の被害者 となった藤くんが血みどろの死体になり発見されるところまできたわ…」
「勝手に殺すな!」
「こいつこーいうヤツなんだよ。妄想力たくましいっつーか…」
「だ…だから私のことはあんまり気にしないで。
むしろ新しい怪談で私の脳内を上書きして…」
日暮にナンギな奴だという視線が集まり、なんとかその空気を変えようと蜂谷が明るく話し出した。
「よーし…それじゃあ次はあたしな。
パチ屋の前歩いてた兄ちゃんから聞いた話なんだけどさ」
その男は大層困っていた…
なぜなら奥さん(仮)からもらったばかりのお小遣をギャンブルで全部スッてしまったからだ。
しかし、どれだけ困ろうとないものはない。男は腹をくくり家路についた…
家には愛する妻(限りなくその予定)の後ろ姿…
心なしか怒っているように見える…
男は恐る恐る口を開いた。
「うまそうなにおいだな! 何作ってんだ?」
「きょうふのみそ汁よ…」
「!? 恐怖のみそ汁?」
「? きょうふのみそ汁」
「恐怖のみそ汁、きょうふのみそ汁。今日、麩のみそ汁…」
「だからなんでそうオマエらの怪談は平和なんだよ!!!」
「てゆーかそのネタ古典的すぎだろ!!」と騒ぐ美作を梓はまぁまぁとなだめる。
「仕方ないよ。怪談の特番はみんな観ちゃってるから」
「そうそう。そっからまた新しいネタ出せって言われてもなーー」
「う…確かに。この大会は失敗だったか……」
ガックリと肩を落とす美作の向かい側で、日暮が突然悲鳴とも雄叫びともつかない声をあげた。
「妻の怒りのこもったみそ汁を口にした…その時!! その男の魂の灯もまた尽きてっ…」
「ダメだこりゃ」
結局、その話を最後に怪談大会はお開きとなり、別れ際梓は真哉にこっそり話しかけた。
「シンヤちゃん、日暮さんの事見ててあげた方がいいかも…」
「もしかして病魔に罹ってるの!?……っと」
思わず大きくなってしまった声を隠すように真哉は口を押さえた。
そんな真哉に梓は首を横に降る。
「ううん…まだ…」
「ま、"まだ"……?」
「そう、でも竜黄くんの時と同じ感じがするから…」
「わかったわ!! なるべく日暮さんを不安にさせないようにする!」
「よろしく!!」
真哉は禁欲 を思い出したのか、グッと拳を握り締める。
.
「今、七匹目の
「勝手に殺すな!」
「こいつこーいうヤツなんだよ。妄想力たくましいっつーか…」
「だ…だから私のことはあんまり気にしないで。
むしろ新しい怪談で私の脳内を上書きして…」
日暮にナンギな奴だという視線が集まり、なんとかその空気を変えようと蜂谷が明るく話し出した。
「よーし…それじゃあ次はあたしな。
パチ屋の前歩いてた兄ちゃんから聞いた話なんだけどさ」
その男は大層困っていた…
なぜなら奥さん(仮)からもらったばかりのお小遣をギャンブルで全部スッてしまったからだ。
しかし、どれだけ困ろうとないものはない。男は腹をくくり家路についた…
家には愛する妻(限りなくその予定)の後ろ姿…
心なしか怒っているように見える…
男は恐る恐る口を開いた。
「うまそうなにおいだな! 何作ってんだ?」
「きょうふのみそ汁よ…」
「!? 恐怖のみそ汁?」
「? きょうふのみそ汁」
「恐怖のみそ汁、きょうふのみそ汁。今日、麩のみそ汁…」
「だからなんでそうオマエらの怪談は平和なんだよ!!!」
「てゆーかそのネタ古典的すぎだろ!!」と騒ぐ美作を梓はまぁまぁとなだめる。
「仕方ないよ。怪談の特番はみんな観ちゃってるから」
「そうそう。そっからまた新しいネタ出せって言われてもなーー」
「う…確かに。この大会は失敗だったか……」
ガックリと肩を落とす美作の向かい側で、日暮が突然悲鳴とも雄叫びともつかない声をあげた。
「妻の怒りのこもったみそ汁を口にした…その時!! その男の魂の灯もまた尽きてっ…」
「ダメだこりゃ」
結局、その話を最後に怪談大会はお開きとなり、別れ際梓は真哉にこっそり話しかけた。
「シンヤちゃん、日暮さんの事見ててあげた方がいいかも…」
「もしかして病魔に罹ってるの!?……っと」
思わず大きくなってしまった声を隠すように真哉は口を押さえた。
そんな真哉に梓は首を横に降る。
「ううん…まだ…」
「ま、"まだ"……?」
「そう、でも竜黄くんの時と同じ感じがするから…」
「わかったわ!! なるべく日暮さんを不安にさせないようにする!」
「よろしく!!」
真哉は
.