第30診:後ろ向き妄想少女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それはジメジメと蒸し暑い放課後のことだった。
その日はひどい雨で…帰るのが面倒になった俺の足は自然と保健室のベッドへ向かっていった。
雨がおさまるまで昼寝でもしようと思い、ウトウトまどろんでいた…その時だ。
「一匹……」
閉めきったカーテンの向こうから声が聞こえた…
声だけではない…シャギシャギ、ザク、ブスッと何やら不気味な音まで聞こえてくる。
「五匹…六匹…」
俺は、その音に聞き覚えがあった…これは包丁の音だ!
血の気がサッと引いた。
その瞬間…
目の前のカーテンが勢いよく開けられた!!
ーーーーー
「そこにはウサギ型に切られたリンゴを持ったハデスが立っていた……
その後、俺はリンゴを平らげ…雨足もおさまったのでフツーに帰ったとさ」
「"とさ"じゃねーよ!!」
懐中電灯で下から顔を照らして話終えた藤に美作が怒鳴り付ける。
「麓介、あんたの怪談…全部オチがハデス先生じゃない」
「でも一応全部ノンフィクションの体験談ではあるよね…」
「だろ?」
「くだらねー」
常伏中学校、視聴覚室。
そこでは他の教室にはない黒く、分厚いカーテンを利用した怪談大会が催されていた。
「次、次! 誰かいいネタねーのかよー」
美作の呼び声に返事をするものはいない。
「…ったく…こんな調子じゃ怪談大会なんて開いたイミねーじゃねーか」
「美作くん…さっき牙狼さんの"メリーさん"で物凄い怖がってなかった?」
どうやら美作は怖がる女子に抱き着かれる事を期待し、怪談大会を開いたようだった。
皆、話終わったとざわつく中、おずおずと1人の手が上がる。
「あー…みんな、ちょっといいかな」
皆の視線の先には女子に抱き着かれた蜂谷の姿があった。
「ここにさっきの話、マジビビリしてる奴がいるんだけど」
「はァ!? さっきの…って、藤の話かよ」
「お~い、暑いんだからあんまくっつくなよ」
「うう…ご…ごめんなさい! 違うの! 怖いのは怪談でもハデス先生でもなくて……わ…わ、私の"妄想"なの!!」
そう言って蜂谷、真哉と同じクラスの"日暮 ふるえ"が顔を上げた。
.
その日はひどい雨で…帰るのが面倒になった俺の足は自然と保健室のベッドへ向かっていった。
雨がおさまるまで昼寝でもしようと思い、ウトウトまどろんでいた…その時だ。
「一匹……」
閉めきったカーテンの向こうから声が聞こえた…
声だけではない…シャギシャギ、ザク、ブスッと何やら不気味な音まで聞こえてくる。
「五匹…六匹…」
俺は、その音に聞き覚えがあった…これは包丁の音だ!
血の気がサッと引いた。
その瞬間…
目の前のカーテンが勢いよく開けられた!!
ーーーーー
「そこにはウサギ型に切られたリンゴを持ったハデスが立っていた……
その後、俺はリンゴを平らげ…雨足もおさまったのでフツーに帰ったとさ」
「"とさ"じゃねーよ!!」
懐中電灯で下から顔を照らして話終えた藤に美作が怒鳴り付ける。
「麓介、あんたの怪談…全部オチがハデス先生じゃない」
「でも一応全部ノンフィクションの体験談ではあるよね…」
「だろ?」
「くだらねー」
常伏中学校、視聴覚室。
そこでは他の教室にはない黒く、分厚いカーテンを利用した怪談大会が催されていた。
「次、次! 誰かいいネタねーのかよー」
美作の呼び声に返事をするものはいない。
「…ったく…こんな調子じゃ怪談大会なんて開いたイミねーじゃねーか」
「美作くん…さっき牙狼さんの"メリーさん"で物凄い怖がってなかった?」
どうやら美作は怖がる女子に抱き着かれる事を期待し、怪談大会を開いたようだった。
皆、話終わったとざわつく中、おずおずと1人の手が上がる。
「あー…みんな、ちょっといいかな」
皆の視線の先には女子に抱き着かれた蜂谷の姿があった。
「ここにさっきの話、マジビビリしてる奴がいるんだけど」
「はァ!? さっきの…って、藤の話かよ」
「お~い、暑いんだからあんまくっつくなよ」
「うう…ご…ごめんなさい! 違うの! 怖いのは怪談でもハデス先生でもなくて……わ…わ、私の"妄想"なの!!」
そう言って蜂谷、真哉と同じクラスの"
.