第29診:閉ざした心開くのは…
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「よーし、そろそろ帰るかーー」
放課後、保健室でくつろいでいた美作はソファーから立ち上がり、ぐーっと身体を伸ばすとベッドの方へと歩いて行く。
「いつまで寝てんだ。藤、帰るぞ!!」
「イヤだ……俺布団と結婚する…」
そこで寝ている藤に声をかけるが一向に起きようとしない。
その光景を横目に梓が携帯を見ると、メールの受信を知らせるランプが点滅している。
梓は内容を確認すると藤に声をかけた。
「麓介、山蔵さんからメールきてた。"親戚、帰った"だって……」
「ん~~」
梓の言葉を聞いて藤はようやく枕を手放した。
「なんで藤宛のメールが梓ちゃんに届くんだ?」
まだ寝ぼけている藤をベッドから引きずり降ろしながら美作が首を傾げる。
「麓介に送っても見ないからだよ」
「あー…納得。携帯開けんのもめんどくさがるもんな」
「でも山蔵さん…やっと漢字変換できるようになったけど、まだ単語でしか送れないんだよね……」
クスクス笑いながら話す梓を後ろからハデスがじっと見つめている。
美作、藤、アシタバ、真哉が帰った後、片付けの為に残った梓は手際よく湯呑みを洗い始めた。
「僕がやるからそのままでいいよ」
「いえ、やらせてください」
そう言って手を動かす梓は、あっという間に洗い物を終わらせ藤の寝ていたベッドのシーツを替えるハデスに近付いた。
「他にやることありますか?」
「いや…とくにはないかな、ありがとう。後はここだけだから…もう大丈夫だよ」
「そうですか? ……わかりました」
梓は自分の鞄を手に取ると、扉の前で振り向いた。
「それじゃあハデス先生、また明日」
「うん、また明日ね…」
見送るハデスに手を振り梓は外に出た。
校門を抜けると見慣れない車が停まっている。
訝しげに思いながらもその横を通ろうとすると、窓が開かれよく知る人物が顔を見せた。
「梓くん、早かったね」
「三途川先生!? 車……シンプルになりましたね」
「さすがの私も代車を改造はしないさ…」
いつもの三途川のハデな車はつい最近ハデスが廃ビルに突っ込んだ為、修理中なのを思い出す。
「何かご用ですか?」
「これから会わせたい人がいるんだが…」
「会わせたい人…ですか…?」
「いいかな?」と首を傾げてはいるが、すでに助手席の扉は開かれており、拒否権は無いように思える。
「安全運転でお願いします……」
梓は諦めたように車に乗り込んだ。
.
放課後、保健室でくつろいでいた美作はソファーから立ち上がり、ぐーっと身体を伸ばすとベッドの方へと歩いて行く。
「いつまで寝てんだ。藤、帰るぞ!!」
「イヤだ……俺布団と結婚する…」
そこで寝ている藤に声をかけるが一向に起きようとしない。
その光景を横目に梓が携帯を見ると、メールの受信を知らせるランプが点滅している。
梓は内容を確認すると藤に声をかけた。
「麓介、山蔵さんからメールきてた。"親戚、帰った"だって……」
「ん~~」
梓の言葉を聞いて藤はようやく枕を手放した。
「なんで藤宛のメールが梓ちゃんに届くんだ?」
まだ寝ぼけている藤をベッドから引きずり降ろしながら美作が首を傾げる。
「麓介に送っても見ないからだよ」
「あー…納得。携帯開けんのもめんどくさがるもんな」
「でも山蔵さん…やっと漢字変換できるようになったけど、まだ単語でしか送れないんだよね……」
クスクス笑いながら話す梓を後ろからハデスがじっと見つめている。
美作、藤、アシタバ、真哉が帰った後、片付けの為に残った梓は手際よく湯呑みを洗い始めた。
「僕がやるからそのままでいいよ」
「いえ、やらせてください」
そう言って手を動かす梓は、あっという間に洗い物を終わらせ藤の寝ていたベッドのシーツを替えるハデスに近付いた。
「他にやることありますか?」
「いや…とくにはないかな、ありがとう。後はここだけだから…もう大丈夫だよ」
「そうですか? ……わかりました」
梓は自分の鞄を手に取ると、扉の前で振り向いた。
「それじゃあハデス先生、また明日」
「うん、また明日ね…」
見送るハデスに手を振り梓は外に出た。
校門を抜けると見慣れない車が停まっている。
訝しげに思いながらもその横を通ろうとすると、窓が開かれよく知る人物が顔を見せた。
「梓くん、早かったね」
「三途川先生!? 車……シンプルになりましたね」
「さすがの私も代車を改造はしないさ…」
いつもの三途川のハデな車はつい最近ハデスが廃ビルに突っ込んだ為、修理中なのを思い出す。
「何かご用ですか?」
「これから会わせたい人がいるんだが…」
「会わせたい人…ですか…?」
「いいかな?」と首を傾げてはいるが、すでに助手席の扉は開かれており、拒否権は無いように思える。
「安全運転でお願いします……」
梓は諦めたように車に乗り込んだ。
.