第27診:秘められた力
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ふわふわと漂う意識の中、梓の耳に誰かの啜り泣く声が聞こえてきた。
辺りを見渡すと、小さな少女が膝を抱えて泣いている。
「どうしたの?」
上げた顔は陰っていてよく見えない。
「おと、おとうさんは……が、いらないんです」
しゃくりあげて話す為か、その言葉は聞き取りづらい。
「お父さんが?」
「はい。おとうさんは……の事が嫌いなんです。…はおとうさんのお役に立ちたいだけなのに………」
父を思い涙する少女が、かつて両親を探して泣いたあの日の自分と重なった。
「そんな事ないよ、きっとお父さんはあなたの事大切に思ってるよ」
「そうでしょうか…?」
泣くのをやめてこちらを見つめる少女に梓は優しく頷いた。
「ねぇ…あなたは誰……?」
少女に光りが差し、今まで隠れていた顔がハッキリと梓の目に映った。
ーーーーー
「…くん、……梓くん!!」
「三…途川先、生…?」
まだぼんやりする頭を振ると、鈍い痛みが走った。
「…っ!?」
「無茶するな、何があったか説明できるか?」
梓は占いの店で連れ去られた事、この廃墟でアシタバと協力して携帯で写真を撮った事を話した。
「アシタバくんが三途川先生にメールするとは思いませんでしたけど…」
「いや…私にではない」
「……私よ」
声の方を向くと、そこには藤と美作を抱きしめた鈍がいた。
「蛇頭さん…あっ! 名刺?」
アシタバは以前渡された名刺を電話帳に登録し、そこにメールを送ったのだった。
梓が冷静に周りを見るとアシタバの姿はない。
「アシタバくんはっ!?」
「私たちが来たときからいなかったぞ」
「じゃあきっとまだあの占い師の所ですね…っ……」
梓は慌てて立ち上がるとフラつきながらも扉へと向かう。
「待て! 君も捕まっていたんだろう、それにひどい怪我をしている!! ここは逸人くんに任せておきなさい!」
「ハデス先生だけじゃ…勝てません」
「大丈夫よ~~経一もいるはずだから…それに、あなたが行っても同じでしょう?」
「いや…鈍くん、彼女は……」
梓は大きく息を吸い込んだ。
「獄狼 ! 起きて!!」
梓の言葉を合図に獄狼 が姿を現した。
.
辺りを見渡すと、小さな少女が膝を抱えて泣いている。
「どうしたの?」
上げた顔は陰っていてよく見えない。
「おと、おとうさんは……が、いらないんです」
しゃくりあげて話す為か、その言葉は聞き取りづらい。
「お父さんが?」
「はい。おとうさんは……の事が嫌いなんです。…はおとうさんのお役に立ちたいだけなのに………」
父を思い涙する少女が、かつて両親を探して泣いたあの日の自分と重なった。
「そんな事ないよ、きっとお父さんはあなたの事大切に思ってるよ」
「そうでしょうか…?」
泣くのをやめてこちらを見つめる少女に梓は優しく頷いた。
「ねぇ…あなたは誰……?」
少女に光りが差し、今まで隠れていた顔がハッキリと梓の目に映った。
ーーーーー
「…くん、……梓くん!!」
「三…途川先、生…?」
まだぼんやりする頭を振ると、鈍い痛みが走った。
「…っ!?」
「無茶するな、何があったか説明できるか?」
梓は占いの店で連れ去られた事、この廃墟でアシタバと協力して携帯で写真を撮った事を話した。
「アシタバくんが三途川先生にメールするとは思いませんでしたけど…」
「いや…私にではない」
「……私よ」
声の方を向くと、そこには藤と美作を抱きしめた鈍がいた。
「蛇頭さん…あっ! 名刺?」
アシタバは以前渡された名刺を電話帳に登録し、そこにメールを送ったのだった。
梓が冷静に周りを見るとアシタバの姿はない。
「アシタバくんはっ!?」
「私たちが来たときからいなかったぞ」
「じゃあきっとまだあの占い師の所ですね…っ……」
梓は慌てて立ち上がるとフラつきながらも扉へと向かう。
「待て! 君も捕まっていたんだろう、それにひどい怪我をしている!! ここは逸人くんに任せておきなさい!」
「ハデス先生だけじゃ…勝てません」
「大丈夫よ~~経一もいるはずだから…それに、あなたが行っても同じでしょう?」
「いや…鈍くん、彼女は……」
梓は大きく息を吸い込んだ。
「
梓の言葉を合図に
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