第20診:麓の言い訳
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「咀…嚼、完了……」
黒髪の姿になったハデスにアシタバと美作が駆け寄ると、辺りの景色が地響きと共に崩れだした。
「おい、もしかしなくてもコレってやばくねーか!?」
「まずい…早く脱出しないと…病魔と共にこの空間も消失しようとしている…」
「先生、もう無理をなさらないでください」
今だ出血の治まらないハデスを山蔵は心配そうに声をかけた。
「ハデス先生は私が運ぶんで、山蔵さんは麓介をお願いできますか?」
「し…しかし…」
「大丈夫ですって。出てきて……
突然現れた銀狼に驚きながらも山蔵は藤を背負う。
ハデスを
ーーーーー
降りてきた時と同じようにエレベーターに乗り込み、藤の部屋に着くとそこにはお婆を含めた"紫藤"の使用人が集まっていた。
「山坊ちゃん、麓坊ちゃんは…?」
「大丈夫、寝ているだけだ」
藤を寝かせるのを見届けると、梓は白髪に戻ったハデスを隣の部屋へと連れて行った。
「ハデス先生、ここで少し待っていて下さいね」
そう言い残し梓は部屋を出る。
一方、ハデスを連れて部屋を出ていく梓を見送った山蔵は自分の隣に行儀良く座る獣に目を向けた。
すると、深紅に染まる瞳と視線がぶつかる。
「お前は…一体何物だ?」
【梓の味方……みたいなもんだな。それより、さっき梓を止めてくれたこと……礼を言わせてくれ】
そう言って
それにつられるように山蔵も頭を下げる。
「いや……こちらこそ弟を助けるのを手伝って頂き……」
「山蔵さん!!」
山蔵の言葉を遮ったのは梓だった。
「梓…どうした?」
「救急箱ありますか? ハデス先生の手当をしたいので……あれ?
山蔵がお婆に声をかけ、用意された救急箱を手渡す。
「ありがとうございます。行くよ、
―あの力は目覚めない方がいいからな……―
.