第20診:麓の言い訳
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【死んだよ…その男はな。頑張った結果がこれだ。愚の骨頂だな……】
「…!? う…そ…」
梓はフラリと立ち上がる。
【止めろ!!】
「!? な…んだ?」
突然頭に響く声に山蔵は辺りを見渡した。しかし声の主は見当たらない。
【梓を…止めろっ!!!】
ハッと隣を見ればそこに居るはずの梓の姿は無く、
山蔵は慌てて梓の腕を掴み引き止めた。
「梓! 何をしている。お前も戻るんだ!!」
「………せ…」
「梓……?」
「………放せ…」
梓は深紅に染まった瞳で山蔵を睨みつけた。
その冷たい声に山蔵の背中に冷たい汗がつたう。梓のこんな姿を見るのは初めてだ。
"梓を行かせてはいけない"山蔵の本能がそう告げていた。
「…梓、落ち着きなさい。きっと先生は大丈夫だから……」
【大丈夫ではない……】
【はじめから諦めていればこんなことにはならなかった。ずっと忠告してやっていたのに……
いいんだよ…諦めて…罪悪感を抱くこともない。おまえ達の裏切りも…その男の死も…眠り続ける麓介の心には届かない。
これからもずっと…】
次の瞬間、藤本体が息を吹き返し、殻が壊れると同時にハデスの埋まっていた瓦礫が崩れだした。
【な…】
「………さすがに…死んだかと…思ったが……」
瓦礫の下から傷だらけで息を荒げるハデスが姿を現した。
「諦めずに……じっとしていたら、おまえの方からやって来てくれた。おまえの…言った通りだな…ここでは頑張らない方が得をするようだ…」
「ハデス……先生…」
気付けば梓を取り巻いていた狂気とも言える気配は消えていた。
【お…おの……れ…!!】
梓と山蔵は同時に駆け出す。
「もう遅い」
山蔵が降りかかる槍を薙ぎ払い、梓がハデスに肩を貸し
「諦めろ」
ハデスの左手が
【がッ…あ…あああああアガアアアア】
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