第19診:山の言い分
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節制の瞳が静かに開かれた。
「"梓、アシタバ、美作、ハデス先生、あとまあ…どうでもいいけどついでに山蔵聞いてくれ。
俺は…家業継がされんのも結婚させられんのもごめんだ。けど…俺の家は知っての通りだ。
反抗するにしても従うにしても、どっちに転んでもめんどくせえ。
そんな状況にウンザリしたんだよ。頭ん中でわめくうるさい感情は全部外に追い出した。
ここにさえ居ればずっと答えを出さなくてもいい。俺はここにいたいんだ。
なぁ、お前らならわかってくれるだろ。"
………以上です。
ちなみにこのメッセージは山蔵さんには向けられておりません。麓介はあなたには何を言っても無駄だと思っています」
「あははっ、だっせー」
「……ふざけるな。初めて聞いたぞ、こんな事…! なぜ今まで黙っていた!?」
声を荒げる山蔵に節制は淡々と答える。
「"……言ってどうなる?俺は"逃げたい"って思ってるんだぜ。
指示されたことを完璧にこなし、親の意向に逆らわず…何の疑いも持たず敷かれたレールに従って生きられるお前のことは純粋に凄いと思ってる。
俺にはできない生き方だからな"」
「できないんじゃない、しないだけだ! お前は…二言目には面倒臭い、面倒臭いと…」
「"ほら見ろ"」
黙り込む山蔵に節制はさらに続ける。
「"な?言っても無駄だった。いいんだよ、別にわかってもらおうなんて思っちゃいねー。
あんたはあんたで正しいし、俺も自分が間違ってるとは思わない。…でも藤にとって異端なのは俺の方だ。
だから異端は異端らしく引っ込んどいてやろーって言ってんだよ"」
「ふ…っざけんな!!!」
声の主は梓だ。
その顔には怒りがありありと浮かんでいる。
「それで全部一人でしょい込んで引きこもり? 冗談じゃないわよ!! 普段どうでもいい事は人に頼りっ放しのくせに…」
「私…」と続ける梓の声が徐々に弱まっていく。
「麓介がそんなに悩んでるって気付けなかった。私じゃ何の力にもなれなかったのかな…?」
「梓…」
「"家業を継ぐのも結婚するのも嫌"……なら…君が家の象徴でもあるその服を着ているのはどうしてなんだい?
まだ何か隠してることがたるね…」
節制は藤の理性を司っている。本音と建前を使い分けるのは専売特許。
それに気付いたハデスは藤本体と直接話をさせるよう要求した。
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「"梓、アシタバ、美作、ハデス先生、あとまあ…どうでもいいけどついでに山蔵聞いてくれ。
俺は…家業継がされんのも結婚させられんのもごめんだ。けど…俺の家は知っての通りだ。
反抗するにしても従うにしても、どっちに転んでもめんどくせえ。
そんな状況にウンザリしたんだよ。頭ん中でわめくうるさい感情は全部外に追い出した。
ここにさえ居ればずっと答えを出さなくてもいい。俺はここにいたいんだ。
なぁ、お前らならわかってくれるだろ。"
………以上です。
ちなみにこのメッセージは山蔵さんには向けられておりません。麓介はあなたには何を言っても無駄だと思っています」
「あははっ、だっせー」
「……ふざけるな。初めて聞いたぞ、こんな事…! なぜ今まで黙っていた!?」
声を荒げる山蔵に節制は淡々と答える。
「"……言ってどうなる?俺は"逃げたい"って思ってるんだぜ。
指示されたことを完璧にこなし、親の意向に逆らわず…何の疑いも持たず敷かれたレールに従って生きられるお前のことは純粋に凄いと思ってる。
俺にはできない生き方だからな"」
「できないんじゃない、しないだけだ! お前は…二言目には面倒臭い、面倒臭いと…」
「"ほら見ろ"」
黙り込む山蔵に節制はさらに続ける。
「"な?言っても無駄だった。いいんだよ、別にわかってもらおうなんて思っちゃいねー。
あんたはあんたで正しいし、俺も自分が間違ってるとは思わない。…でも藤にとって異端なのは俺の方だ。
だから異端は異端らしく引っ込んどいてやろーって言ってんだよ"」
「ふ…っざけんな!!!」
声の主は梓だ。
その顔には怒りがありありと浮かんでいる。
「それで全部一人でしょい込んで引きこもり? 冗談じゃないわよ!! 普段どうでもいい事は人に頼りっ放しのくせに…」
「私…」と続ける梓の声が徐々に弱まっていく。
「麓介がそんなに悩んでるって気付けなかった。私じゃ何の力にもなれなかったのかな…?」
「梓…」
「"家業を継ぐのも結婚するのも嫌"……なら…君が家の象徴でもあるその服を着ているのはどうしてなんだい?
まだ何か隠してることがたるね…」
節制は藤の理性を司っている。本音と建前を使い分けるのは専売特許。
それに気付いたハデスは藤本体と直接話をさせるよう要求した。
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