第19診:山の言い分
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どうやら羽のはえているのが"慈愛"、全体的に黒っぽいのが"渇望"、分厚い眼鏡に本を読んでいるのが"勤勉"のようだ。
慈愛は赤子ほどの大きさだが、渇望は手の平、勤勉に至っては親指ほどの大きさしかない。
「おれたち3人とも麓介の中では存在が希薄だからさー、身体もちっさくて大変なんだ」
「だからって勤勉小さすぎでしょ…」
「藤くんどんだけやる気ないの……」
「さっきも魚に食われかけて散々だったんだぜ!! "歓喜"も"憤怒"も勝手だからさーーおれがこいつらの面倒みるしかないんだよなーー」
慈愛の言葉に梓とアシタバは顔を見合わせた。
次に口を開いたのはアシタバだった。
「あの…もしよかったらだけど、僕のポケットに入ってる?」
「そうそう。私たちしばらくここにいるから、その方が安全だと思うけど……」
「えっ、マジで!? いいのかよ!!」
慈愛は嬉しさのあまりその場でくるくる回りだした。
「ありがとう、お前らイイ奴だな! そのうちきっといい事あるぜ!」
「そ…そう…? はは………」
梓はアシタバだけに聞こえるように囁いた。
「一気に3体捕まえたことだし、一旦元の場所に戻らない?」
「う…うん」
「ちょっと気になる事もあるし…」
「気になることってなんだ?」
「ひゃあっ!!?」
コソコソと話す2人の間に慈愛が割って入りアシタバが声をあげる。
なんとかその場をごまかし藤本体の元へと歩きながら、先程の事を梓が話し出した。
「そういえば…さっき憤怒に会ったんだけど」
「えぇ~~!!? お前よくブジだったなー」
「えっ、えっ、何? どういうこと?」
突然大声をあげた慈愛にアシタバは目を白黒させている。
梓が簡単に憤怒の凶暴さを伝えると、アシタバの目は大きく見開かれた。
「押さえ付けたら逃げちゃって……」
アシタバの頭に龍黄を蹴り飛ばした梓の姿が浮かぶ。
「へ…へえ……さすが牙狼さん。僕が会わなくてよかった……」
「しっかし……憤怒が逃げるなんてめっずらしいなあー、なんか怒りきれないことでもあったんかな……」
慈愛の言葉に朝の出来事を思い出す。感情として梓の事を覚えていなくても、本心から言ってはいけない事を言ってしまった罪悪感が憤怒を退けさせたのだろうか。
藤のその思いがなんだか嬉しくて、梓にあることを決心させた。
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慈愛は赤子ほどの大きさだが、渇望は手の平、勤勉に至っては親指ほどの大きさしかない。
「おれたち3人とも麓介の中では存在が希薄だからさー、身体もちっさくて大変なんだ」
「だからって勤勉小さすぎでしょ…」
「藤くんどんだけやる気ないの……」
「さっきも魚に食われかけて散々だったんだぜ!! "歓喜"も"憤怒"も勝手だからさーーおれがこいつらの面倒みるしかないんだよなーー」
慈愛の言葉に梓とアシタバは顔を見合わせた。
次に口を開いたのはアシタバだった。
「あの…もしよかったらだけど、僕のポケットに入ってる?」
「そうそう。私たちしばらくここにいるから、その方が安全だと思うけど……」
「えっ、マジで!? いいのかよ!!」
慈愛は嬉しさのあまりその場でくるくる回りだした。
「ありがとう、お前らイイ奴だな! そのうちきっといい事あるぜ!」
「そ…そう…? はは………」
梓はアシタバだけに聞こえるように囁いた。
「一気に3体捕まえたことだし、一旦元の場所に戻らない?」
「う…うん」
「ちょっと気になる事もあるし…」
「気になることってなんだ?」
「ひゃあっ!!?」
コソコソと話す2人の間に慈愛が割って入りアシタバが声をあげる。
なんとかその場をごまかし藤本体の元へと歩きながら、先程の事を梓が話し出した。
「そういえば…さっき憤怒に会ったんだけど」
「えぇ~~!!? お前よくブジだったなー」
「えっ、えっ、何? どういうこと?」
突然大声をあげた慈愛にアシタバは目を白黒させている。
梓が簡単に憤怒の凶暴さを伝えると、アシタバの目は大きく見開かれた。
「押さえ付けたら逃げちゃって……」
アシタバの頭に龍黄を蹴り飛ばした梓の姿が浮かぶ。
「へ…へえ……さすが牙狼さん。僕が会わなくてよかった……」
「しっかし……憤怒が逃げるなんてめっずらしいなあー、なんか怒りきれないことでもあったんかな……」
慈愛の言葉に朝の出来事を思い出す。感情として梓の事を覚えていなくても、本心から言ってはいけない事を言ってしまった罪悪感が憤怒を退けさせたのだろうか。
藤のその思いがなんだか嬉しくて、梓にあることを決心させた。
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