第19診:山の言い分
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道を歩く梓はある事を思い出そうとしていた。
「麓介の横にあった桐箱……どこかで見た気がするんだけど……」
古い記憶を呼び起こそうと頭をコツコツ叩くが、昔たった1度見ただけの物を思い出すのは簡単ではなかった。
「どこだったかなあ…………!!?」
ダァン!!
梓が頭上から迫り来る気配に思わず後ろへ飛びのくと、浅黒い肌をした藤が現れた。
「…へえ…お前なかなかやるじゃん」
「あんたも麓介の感情ってわけ?」
「ああ…そうそう。俺は麓介のあらゆる不満、拒絶、破壊衝動の象徴…"憤怒の麓介"!!!」
憤怒は手に持ついびつな傘を梓に突き付けた。
「怠惰の庭にいる7人の感情の中で、武闘派は俺だけだ。運ワリィなお前…」
「あら、奇遇ね。私も山蔵さんを除いた4人の中では1番の武闘派よ…」
ニタリと笑う憤怒に負けじと梓は構えた。
振り下ろされた傘を受け流し、その腕を掴むとそのまま捻りあげる。その反動で憤怒は腹這いに倒れ込んだ。
「何しやがんだ! てめぇっ!!」
「あんたに少しでも私に対する記憶があれば、こんな無駄な事しなくてすんだのにね」
「クソがぁぁっ!!!」
憤怒は梓を力付くで振り払うと、建造物の上へ飛び乗り走り去った。
「あっ!? 待ちなさい!!」
追い掛ける為に駆け出した梓が角を曲がる。
「大丈夫じゃねーよ!!!」
その瞬間、聞こえた声に梓は足を止めた。
声の方向に行ってみると、そこには背中に羽のはえた小さな藤とアシタバがいる。
「アシタバくん、どうしたの!?」
「えっ? あ…牙狼さ……」
「あー!!! 動くなよー!! つぶれちゃうだろー!!」
「ぶっ」
こちらに振り向いたアシタバを突き飛ばした小さな藤は、さらに小さい2人の藤の側に降り立つ。
「ったく…油断もスキもねー。図体デカイからって調子に乗んなよなー。
世の中ちっちゃくても精一杯生きてる奴、たくさんたくさんいるんだぞー!!」
「えーっと……あなたたちは…?」
「おれは弱きに手をさしのべ慈しむ優しい心、"慈愛の麓介"。
こっちは他人に求める期待、自分を求めて欲しいという願い、"渇望"。
それに己を高めるための欲、努力とやる気、"勤勉"だ」
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「麓介の横にあった桐箱……どこかで見た気がするんだけど……」
古い記憶を呼び起こそうと頭をコツコツ叩くが、昔たった1度見ただけの物を思い出すのは簡単ではなかった。
「どこだったかなあ…………!!?」
ダァン!!
梓が頭上から迫り来る気配に思わず後ろへ飛びのくと、浅黒い肌をした藤が現れた。
「…へえ…お前なかなかやるじゃん」
「あんたも麓介の感情ってわけ?」
「ああ…そうそう。俺は麓介のあらゆる不満、拒絶、破壊衝動の象徴…"憤怒の麓介"!!!」
憤怒は手に持ついびつな傘を梓に突き付けた。
「怠惰の庭にいる7人の感情の中で、武闘派は俺だけだ。運ワリィなお前…」
「あら、奇遇ね。私も山蔵さんを除いた4人の中では1番の武闘派よ…」
ニタリと笑う憤怒に負けじと梓は構えた。
振り下ろされた傘を受け流し、その腕を掴むとそのまま捻りあげる。その反動で憤怒は腹這いに倒れ込んだ。
「何しやがんだ! てめぇっ!!」
「あんたに少しでも私に対する記憶があれば、こんな無駄な事しなくてすんだのにね」
「クソがぁぁっ!!!」
憤怒は梓を力付くで振り払うと、建造物の上へ飛び乗り走り去った。
「あっ!? 待ちなさい!!」
追い掛ける為に駆け出した梓が角を曲がる。
「大丈夫じゃねーよ!!!」
その瞬間、聞こえた声に梓は足を止めた。
声の方向に行ってみると、そこには背中に羽のはえた小さな藤とアシタバがいる。
「アシタバくん、どうしたの!?」
「えっ? あ…牙狼さ……」
「あー!!! 動くなよー!! つぶれちゃうだろー!!」
「ぶっ」
こちらに振り向いたアシタバを突き飛ばした小さな藤は、さらに小さい2人の藤の側に降り立つ。
「ったく…油断もスキもねー。図体デカイからって調子に乗んなよなー。
世の中ちっちゃくても精一杯生きてる奴、たくさんたくさんいるんだぞー!!」
「えーっと……あなたたちは…?」
「おれは弱きに手をさしのべ慈しむ優しい心、"慈愛の麓介"。
こっちは他人に求める期待、自分を求めて欲しいという願い、"渇望"。
それに己を高めるための欲、努力とやる気、"勤勉"だ」
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