第19診:山の言い分
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エレベーターが止まり、扉が開くとそこには粘土で造られたような日本家屋が拡がっている。
「うわっ…こ…これが…」
「麓介の精神世界…!!?」
「な…なんだこのいいかげんな建築は…」
美作の言葉の通りまるでトリックアートさながらだ。壁には電気や畳、布団が張り付いており、地面にはいびつな障子が敷かれている。
辺りを見回していると、エレベーターが到着音を鳴らす。
「あ、先生!」
「ふう…お待たせ、ごめんね…遅くなって。お兄さんがどうしても"真剣"を持って行くって聞かなくて…」
「なんでんなモン持ってんだよ」
「山蔵さん居合の有段者だから…」
アシタバと美作が青い顔をしていると、山蔵がこちらへ近付いてきた。
「先生、少しよろしいですか。この空間…ただならぬ気配を感じます。念のため持ってきておいて良かった…」
「? 何を…」
「あ! ……まさか…」
首を傾げるハデスと嫌そうな顔をする梓の目の前に山蔵は木刀を差し出した。
「あなたの武器です。木刀とはいえ素人の方にすすめるには気が引けますが…何かあった時は我々で子供たちを守りましょう」
「は……はあ…あの…お気持ちは大変ありがたいんですけど…せっかくですが遠慮しておきますよ」
「そうですか……なら梓、念の為お前が持っていなさい。」
「私もいりませんよ」
「僕たちにも一応……」
ハデスの右手にヒビが拡がり梓の瞳が深紅に染まる。
「使い慣れた"武器"はありますので…」
「な……!!」
「せ…先生、牙狼さん!! あ…あそこに見えるのってもしかして…藤くんじゃないですか!?」
アシタバの指差す方を見ると、ドーム状のケースの中で藤が眠っている。
「ほ…本当だ…でも…これは…?」
「寝てる…みたいですね」
「なんだよ、このケースは…快適空間のつもりか? ナメやがってこいつ…」
「皆様、お退き下さい」
山蔵の声に振り向けば、真剣を構えている。
「その殻、叩き割ります」
「ちょっ!! ストップ!! お兄さんストップ!!」
「待ってください!! そのいれものに乱暴しないでください」
「なっ…」
制止する声の主に山蔵は絶句した。そこには見覚えのある少年が立っていたからだ。
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「うわっ…こ…これが…」
「麓介の精神世界…!!?」
「な…なんだこのいいかげんな建築は…」
美作の言葉の通りまるでトリックアートさながらだ。壁には電気や畳、布団が張り付いており、地面にはいびつな障子が敷かれている。
辺りを見回していると、エレベーターが到着音を鳴らす。
「あ、先生!」
「ふう…お待たせ、ごめんね…遅くなって。お兄さんがどうしても"真剣"を持って行くって聞かなくて…」
「なんでんなモン持ってんだよ」
「山蔵さん居合の有段者だから…」
アシタバと美作が青い顔をしていると、山蔵がこちらへ近付いてきた。
「先生、少しよろしいですか。この空間…ただならぬ気配を感じます。念のため持ってきておいて良かった…」
「? 何を…」
「あ! ……まさか…」
首を傾げるハデスと嫌そうな顔をする梓の目の前に山蔵は木刀を差し出した。
「あなたの武器です。木刀とはいえ素人の方にすすめるには気が引けますが…何かあった時は我々で子供たちを守りましょう」
「は……はあ…あの…お気持ちは大変ありがたいんですけど…せっかくですが遠慮しておきますよ」
「そうですか……なら梓、念の為お前が持っていなさい。」
「私もいりませんよ」
「僕たちにも一応……」
ハデスの右手にヒビが拡がり梓の瞳が深紅に染まる。
「使い慣れた"武器"はありますので…」
「な……!!」
「せ…先生、牙狼さん!! あ…あそこに見えるのってもしかして…藤くんじゃないですか!?」
アシタバの指差す方を見ると、ドーム状のケースの中で藤が眠っている。
「ほ…本当だ…でも…これは…?」
「寝てる…みたいですね」
「なんだよ、このケースは…快適空間のつもりか? ナメやがってこいつ…」
「皆様、お退き下さい」
山蔵の声に振り向けば、真剣を構えている。
「その殻、叩き割ります」
「ちょっ!! ストップ!! お兄さんストップ!!」
「待ってください!! そのいれものに乱暴しないでください」
「なっ…」
制止する声の主に山蔵は絶句した。そこには見覚えのある少年が立っていたからだ。
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