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第18診:藤家の問題

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黒い板には藤の花を模った家紋が描かれている。


「お手をわずらわせて申し訳ございませんが………なにとぞお手元からお離しになられぬよう。、お前には必要ないな?」

「ああ、大丈夫です」

「…? 普通の板ではないということですか?」

「なんでこんなモンが必要なんだよ」

「お客様が死んでしまわれぬようにです。では………参りましょうか」

「……!!?」

「……俺、一応忠告したからな。知らねーぞ!」


山蔵の言葉にしばし固まるハデス、アシタバ、美作に藤はヤケクソ気味に言い放った。
導かれるままに屋敷の中を歩く途中、アシタバがこっそり藤に話しかけた。


「ね…ねえ、藤くん! さっき…お兄さんが言ってた"死ぬかも"ってどういう意味…?」

「ああ、例えばだなあ…なあ先生、これ開けるぞ」

「勿論どうぞ」

「ウチでこういう包装をザツに破いて開けたり、あまつさえポイ捨てしたりするとだな…」


そう言いながら藤は破り開けた包装紙を丸めて廊下に投げ捨てた。その瞬間……



ドッ



庭から勢いよく放たれた矢が柱へと突き刺さった。


「あ! これ俺が好きなヤツじゃん。先生よく覚えてたな」


藤は身を縮めて"それ"を避け、何事もなかったかのようにしている。


「…ってな具合で仕掛けが作動する仕組みになってる。作動条件は"行儀の悪いことをすること"」


藤は歩きながら包みを開け、菓子を食べはじめた。
すると、天井からは大きなタライが落下してくる。
藤の隣を歩いていたも軽々とそれを避けて見せた。


「お前らさっきよくわかんねー板渡されただろ。それ、持ってる奴を攻撃の対象から外す役割を果たすから絶対なくすなよ」

「私は小学生の頃はここに居候してたからなれてるけどね。これ、侵入者用のワナも兼ねてるけど実のところは藤家要人お行儀要請プログラムなの」


「食う?」と差し出された菓子にアシタバと美作はブンブンと顔を振る。


「…俺が帰れって言った意味わかっただろ? いいぞ帰っても。正直ドン引きだろこんな家」


そう言う藤の顔がには少し寂しそうに見えた。



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