第16診:燃えろ!マラソン大会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
常伏中学校3つ目の冬の行事、マラソン大会。
全校生徒・教員総出で行われる誰も喜ばない毎冬恒例のスポーツイベントである。
なぜか寒さのピークに行われることが多く、生徒たちにとってはもはやスポーツではなくただの苦行である。
ーーーーー
「ハデス先生………」
呆れた顔の梓の目の前にあるのは、出張保健室用リヤカーを自転車に取り付けた"特設保健室"だった。
「ちゃんとお茶も用意してあるから」
喜々として話すハデスに何も言えない梓。
「みのり先生に怒られても知りませんよ。じゃあ私たち行きますね」
「うん。梓さん、花巻さん頑張ってね」
「は…はい。途中でお腹痛くなったらどうしよう……」
「大丈夫だよ、ミクちゃん。私最後まで一緒に走るから」
「ありがとう、梓ちゃん」
寒さを堪えて2年生の場所に集まると、スタートを知らせる号令がかかった。
《位置について、用意…スタート!!!》
常伏中学校の全校生徒が一斉に走り出した。
梓と花巻も無理のないようにゆっくりと走り出す。
「麓介がいない……」
辺りを見回し藤がいない事に梓は顔を険しくするが、花巻はそれに気付いていない。
中間地点少し手前で隣の花巻から苦しそうな声がもれた。
「く…苦し……お腹痛い」
「大丈夫? あっ……ほら、給水所見えてきたよ」
少し先にある特設保健室前にアシタバと美作が立っている。
「……余りに余ってるね…」
「うん…隣で見てて俺まで悲しくなってきちゃった」
答えたのは身体が弱いためマラソンを見学していた本好だ。
「牙狼さんたちも飲む?」
「うん。ミクちゃん、元気になれるって」
「あ…ありがとう」
お茶を飲みながらハデスに目を向けると悲しそうにしゃがみ込んでいる。
「ハデス先生、元気出してください」
「………うん」
「今日のお茶は成功ですよ。ほら…」
梓の指差す方向を見れば、先程かなり辛そうな顔をしていた花巻が穏やかな顔でお茶を飲んでいる。
「ね…?」
「………そうだね」
そう言って梓が微笑むとハデスの顔にも笑顔が拡がる。
「よお」
.
全校生徒・教員総出で行われる誰も喜ばない毎冬恒例のスポーツイベントである。
なぜか寒さのピークに行われることが多く、生徒たちにとってはもはやスポーツではなくただの苦行である。
ーーーーー
「ハデス先生………」
呆れた顔の梓の目の前にあるのは、出張保健室用リヤカーを自転車に取り付けた"特設保健室"だった。
「ちゃんとお茶も用意してあるから」
喜々として話すハデスに何も言えない梓。
「みのり先生に怒られても知りませんよ。じゃあ私たち行きますね」
「うん。梓さん、花巻さん頑張ってね」
「は…はい。途中でお腹痛くなったらどうしよう……」
「大丈夫だよ、ミクちゃん。私最後まで一緒に走るから」
「ありがとう、梓ちゃん」
寒さを堪えて2年生の場所に集まると、スタートを知らせる号令がかかった。
《位置について、用意…スタート!!!》
常伏中学校の全校生徒が一斉に走り出した。
梓と花巻も無理のないようにゆっくりと走り出す。
「麓介がいない……」
辺りを見回し藤がいない事に梓は顔を険しくするが、花巻はそれに気付いていない。
中間地点少し手前で隣の花巻から苦しそうな声がもれた。
「く…苦し……お腹痛い」
「大丈夫? あっ……ほら、給水所見えてきたよ」
少し先にある特設保健室前にアシタバと美作が立っている。
「……余りに余ってるね…」
「うん…隣で見てて俺まで悲しくなってきちゃった」
答えたのは身体が弱いためマラソンを見学していた本好だ。
「牙狼さんたちも飲む?」
「うん。ミクちゃん、元気になれるって」
「あ…ありがとう」
お茶を飲みながらハデスに目を向けると悲しそうにしゃがみ込んでいる。
「ハデス先生、元気出してください」
「………うん」
「今日のお茶は成功ですよ。ほら…」
梓の指差す方向を見れば、先程かなり辛そうな顔をしていた花巻が穏やかな顔でお茶を飲んでいる。
「ね…?」
「………そうだね」
そう言って梓が微笑むとハデスの顔にも笑顔が拡がる。
「よお」
.