ハデスが手をかざすと、入れ代わっていた３人は元通りとなった。


「も…戻ったあ～～～!!!」


その後、３人が学校に戻ると教室は騒然としている。


「私がいない間に何があったの…？」


梓が首を傾げると疲れた顔の藤とアシタバが口を開いた。


「大変だったんだよ。花巻はパンツ丸見えでドッジボールやるわ、アシタバは再起不能になるわ……梓は教室の隅で丸まってるわ……」

「あれが本物の花巻さんじゃなくてホントに良かった………」


すでに放課後だった事もあり、アシタバたちに事情を話すと梓は保健室と向かう。


「ハデス先生…？」

「？、ああ梓さん。今日は大変だったね」


ハデスは梓に近付くと、何かを確認するように梓の頬に指を滑らせた。その仕種に触れられた頬がわずかに赤くなる。


「今日は疲れただろうから…もう帰ってゆっくり休んで」

「はい……今日はありがとうございました。獄狼（ケルベロス）がそばにいないことがあんなに不安だとは思いませんでした」

「……うん」

「でも………ハデス先生が来てくれたって分かったら不安な気持ちも全部吹っ飛んじゃいました」


ニコッと笑って頭を下げ、帰っていく梓を見つめるハデスの頬も少しだけ赤みをおびていた。





ーーーーー

翌日、梓と花巻に一通のメールが届いた。
送り主は熱子だ。


《聞いてよ～！！あの鬼マネージャーが奇跡的にちょ～優しくなって、あたしの話ちゃんと聞いてくれるようになったんだよ～！
お仕事も減らしてもらえることになったし花マッキーと梓ちんのおかげかも♡♡
ところで学校はあたしのせいで変な事になってない？色々迷惑かけて本当にゴメン………》


梓と花巻はメールを見て笑い合っていると後ろから藤がやって来た。


「よお、花巻」

「ひゃっ!!？わ…！ふ、藤くん！？な…なにかご用でしょうか…！？」

「やっぱ花巻はそっちの方が似合ってんな。そんだけ、じゃーな」

「え…？あ…」

「ふふ…よかったね」


梓がそう言うと真っ赤な顔で何度も頷く花巻だった。





To be continued...