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第1診:ウワサのハデス先生

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「こら! そこっ、何をしとるんだ!?」

「「教頭先生!」」

「やれやれまったく…朝っぱらから騒々しい!」


教頭に気を取られたスキに美作と藤は姿を消した。

女生徒を教頭に任せ走り出したハデスをとアシタバは追い掛ける。


「アシタバくん、それにキミも…君たちは戻ったほうがいい」

「イヤです!! 麓介は私の幼なじみですし…」

「……美作くん…先生…あの"美作くん"は本当に…美作くんなの…!?」

「……いいや、あれは…美作くんじゃない。
病魔だ


追いついた美作は藤を引きずりながら振り返った。


【…誰?】

「藤くん!!」

【なんだ…アシタバくんにさんじゃないか。やだなあ、なんてカオしてるの?
ボクだよ 美作蓮太郎
キミの友達……そうだろ?】

「…!? え…?」

「これが"病魔"のやり方」

「その通り。美作くんの体は今、あいつに乗っとられていると言っていい…」

「びょう…ま、"病魔"って…? あの…保健室で見た…あれ…!?」


美作の姿を借りた病魔、自己愛ナルキッソスは話しだした。



【何も知らないクセに勝手なこと言わないで欲しいな…
ボクと蓮太郎は同一人物だよ。記憶だって共有してるし、蓮太郎が何を考えているかだってわかる…

妬ましい

妬ましい…

妬ましい

優しい風も

甘い言葉も

煌く世界も…

手に入れられるのは…

美しい人間だけだ…!!】


自己愛ナルキッソスは美しいものの生気を啜ることで美しさを保ち、ジャマをするのは無駄だと言いながら花粉を撒き散らした。


「う…」

「アシタバくん!」

【…これでキミたちも他の蜜蜂と同じ…
遠い夢の中で世界一美しい花に恋い焦がれていればいいさ…】


花粉を吸い込まないように口と鼻をふさいだアシタバは目を見開いた。


ザアッ


【…!!? ボクの…花粉が…】

「生憎…こういったのは効かない体質なんでね…」


驚いたのは辺りに充満する花粉がハデスに吸い寄せられていたから…


だけではない。


「アシタバくん、もう息して大丈夫だよ」


自分との周りを花粉が避けるように流れていく。
まるでドーム状の"何か"に守られているかのように。


「あ…牙狼、さん…"ソレ"…何?」


アシタバが"ソレ"と指差したのは、の頭と腰の辺りからはえている銀色の"耳"と"尾"だった。



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