霧の向こうで
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おまけというか削ったエピーソードの供養1(商店街に繰り出す前の話)
「あ、ごめん。兄貴に声かけてくわ」
そう言った聡二は、一つの扉の前に立つと軽くノックをした。
「おーい兄貴ー、起きてるー?」
「…………何?」
「ボクレオっちとザップっち連れてちょっと出かけて来るね。クラウスさん達に聞かれたら言っといてー。あと要ちゃん来てるよ」
「……分かった……」
「血液パックならいつもんとこだよ」
「いらん。牛乳でいい」
「あ、牛乳で思い出したけど小萩っちから伝言。杉橋さん腰やっちゃったらしくてしばらく配達休むから、一週間ぐらいはスーパーの牛乳で我慢してくださいねだって」
「……マジかー…………」
「だーから血液パック飲めばいいのに」
「嫌だ。絶対嫌だ。『仕事』でもないのに血なんか飲んでたまるか」
「『準始祖』とは思えない発言だよなあほんと……まいいや。血晶石でも鉄剤でもいいから人前に出るまでには治しときなよ?そんじゃ行ってくるねー!」
「ん……」
終始不機嫌そうな声で受け答えをする清一と扉越しの会話を終えた聡二は、サマーコートのフードをかぶりながらレオとザップに駆け寄った。
「お待たせー」
「えれえ機嫌悪そうだったなアンタの兄貴」
「あー平気平気!いつもの貧血で絶不調なだけだから。吸血鬼なのに血ぃ飲むの大嫌いでさあ……『仕事』の後はいつもああなんだ。昨夜はそこそこ長時間だったし。血液パックなんて合法的な(人襲わなくていい)モンがあるのに、牛乳と鉄剤と気合いで貧血治す変人……いや変吸血鬼なんだよ」
「「……あー……」」
「……あれ?何か普通に納得された…?」
「あ、いや!大変だなーって思っただけっすよ!!」
「?あっそ。そんじゃ行こうか」
慌てて即答するレオに怪訝そうな表情を向けた聡二だったが、すぐに気を取り直した様子で歩きだした。
まさか自分達の知る少女が無類の牛乳愛飲者であるルーツを見たとは言えない二人は、こっそりため息を漏らした。
「あ、ごめん。兄貴に声かけてくわ」
そう言った聡二は、一つの扉の前に立つと軽くノックをした。
「おーい兄貴ー、起きてるー?」
「…………何?」
「ボクレオっちとザップっち連れてちょっと出かけて来るね。クラウスさん達に聞かれたら言っといてー。あと要ちゃん来てるよ」
「……分かった……」
「血液パックならいつもんとこだよ」
「いらん。牛乳でいい」
「あ、牛乳で思い出したけど小萩っちから伝言。杉橋さん腰やっちゃったらしくてしばらく配達休むから、一週間ぐらいはスーパーの牛乳で我慢してくださいねだって」
「……マジかー…………」
「だーから血液パック飲めばいいのに」
「嫌だ。絶対嫌だ。『仕事』でもないのに血なんか飲んでたまるか」
「『準始祖』とは思えない発言だよなあほんと……まいいや。血晶石でも鉄剤でもいいから人前に出るまでには治しときなよ?そんじゃ行ってくるねー!」
「ん……」
終始不機嫌そうな声で受け答えをする清一と扉越しの会話を終えた聡二は、サマーコートのフードをかぶりながらレオとザップに駆け寄った。
「お待たせー」
「えれえ機嫌悪そうだったなアンタの兄貴」
「あー平気平気!いつもの貧血で絶不調なだけだから。吸血鬼なのに血ぃ飲むの大嫌いでさあ……『仕事』の後はいつもああなんだ。昨夜はそこそこ長時間だったし。血液パックなんて合法的な(人襲わなくていい)モンがあるのに、牛乳と鉄剤と気合いで貧血治す変人……いや変吸血鬼なんだよ」
「「……あー……」」
「……あれ?何か普通に納得された…?」
「あ、いや!大変だなーって思っただけっすよ!!」
「?あっそ。そんじゃ行こうか」
慌てて即答するレオに怪訝そうな表情を向けた聡二だったが、すぐに気を取り直した様子で歩きだした。
まさか自分達の知る少女が無類の牛乳愛飲者であるルーツを見たとは言えない二人は、こっそりため息を漏らした。