鉄面の向こう
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それから、リサさんが爆睡した後も飲み会はしばらく続いていた。
そんでもって僕は、結局一晩中リサさんの枕にされてて動けなかった。ザップさんにからかわれたり、場所を変わらないかって聞いてきたスティーブンさんがK.Kさんに凄まれたりしてるのを眺めてる内に僕も寝落ちして、起きたら朝になっていた。
「……あれ?リサさん…?」
「っ!!!」
一晩中あった重みが無くなってるなあって思ったてたら、派手な音がした。その方向を見ると、転がってた酒瓶を踏んですっ転んだらしいリサさんが床にいる。
「!だ、大丈夫っすか!?」
「だ、だ、だ、だ、大丈夫…!」
慌てて駆け寄ると、リサさんは滅茶苦茶どもりながら戦闘中みたいな速度で起き上がって、僕から距離を取った。顔はまだ酒が抜けてないみたいに真っ赤になってる。
「あ、ああの……えっと……何か……迷惑、かけた……みたいで……ごめんなさい…!」
「気にしなくていいっすよ。酔い潰れて寝ちゃっただけですから。むしろ僕なんかの膝枕で申し訳ないっつーか……体痛くなってないですか?」
「……何とも、ない……」
どうにかって感じで答えるリサさんの顔は相変わらず真っ赤で、いつもは割と合わせてくれる目線は全然合わない。ものすげえ気まずい!って雰囲気を全面的に出してる。
……もしかして、
「……リサさん、昨夜のこと覚えてるんですか?」
「!!!!」
聞いてみると、リサさんは飛び出そうなぐらい目を丸くしてから全力で首を横に振った。わー……こんな説得力皆無な否定は滅多に見られないぞー……
「あの……えっと……わ……私!仕事が!あるから!!!」
今まで聞いたことがない大声で叫んだリサさんは全力で走りだして、勢い余ってドアにぶつかってからよろよろしながら出ていった。僕は呼び止めるのも忘れてそれを見送っちゃったけど、リサさんが出ていってからしばらくすると、おかしさがこみ上げて来て思わず噴き出した。
リサさんの意外な一面を見られたのは楽しかったし、彼女が普段から思ってるだろうことが聞けたのも嬉しかった。リサさんが表情を変えたり喋るのが苦手そうなのは知ってたけど、あそこまで僕らを……ライブラのことを好きだったのにはちょっと驚いた。
それと……リサさんのことをもっと知りたくなった。って言うのは、誰にも言わないでおこう。
2024年8月31日 再掲