命の大樹でホメロスが勇者の剣を奪う任務に失敗し、デルカダール王に討たれてしまった。王が先に国へ帰った後に、ロウとレブンとセーニャが協力してホメロスの傷を癒していた。
「おいレブン！！！なんでこんな野郎の命を救おうとすんるんだよ！！」
「そうよ！！カミュの言うと通りよ！！ホメロスはイシの村を壊滅させたのよ！！村人たちだって・・・。」
カミュとベロニカがレブンの行動を理解できず、止めようとしたが、シルビアとマルティナに制止された。
「・・・ごめん。カミュ、ベロニカ・・・みんな・・・。」
ロウとセーニャはレブンが何か考えがあるのだろうと、悟り、何も言わずにホメロスの傷を癒していた。
「ロウ様とセーニャもありがとう。・・・確かにホメロスはイシの村を壊滅させた。・・・だけど、大丈夫だよ。村人たちは生きている。・・・信じられないかもしれないけど、グレイグが皆殺しを止めてくれたんだ。」
「グ・・・グレイグが！！！」
ベロニカとセーニャとカミュは驚いた。一方、マルティナとシルビアは冷静に納得していた。
「・・・確かに、グレイグは殺戮とか絶対にしないし、彼の騎士としての権限も強いから、彼ならホメロスのいき過ぎた行動を止めたかもしれないわね。」
「・・・グレイグちゃんらしいわね。」
「シルビア？何か言った？」
マルティナが、ぼそっと台詞を吐いたシルビアの顔を覗いたが、男は何でもないわよと誤魔化した。
「ホメロスちゃんはきっとグレイグちゃんにコンプレックスを抱いていたのかもしれないわ・・・。本当は根っからの悪人ではなかったと思うの。」
「・・・そうね。でもどうしてグレイグもホメロスもあんなに仲が良かったのにお互いすれ違ってしまったのかしら・・・。」
マルティナとシルビアはホメロスの回復を見守っていた。

数時間後にホメロスの傷は癒えたが、目は覚まさなかった。
「ふむ・・・一命は取り留めたが、目を覚まさんのう。」
「レブン様・・・気持ちは分かりますが、国王様に招かれています。早く向かうべきかと・・・。」
ロウとセーニャはレブンに先の行動を促した。
「・・・そうだね。でも、ホメロスは目を覚ますよ。ラリホーマで眠らせて、密かにお城に連れて行こう。・・・どうしてもグレイグともう一度会わせたい。」
「・・・少し見ぬうちに成長したのう・・・レブンよ。まるで、儂の師匠に短期間で修行をつけて貰ったようじゃ。」
レブンは未来の崩壊した世界で、ニマ太師に修行をつけてもらった事を思い出しながらロウの顔を見て笑った。
レブンが眠っているホメロスの体を支えると、もう一方をカミュが支えてくれた。
「・・・やれやれ・・・俺はこの野郎が大嫌いだが、このまま友人とお互いの気持ちを話せないまま終わるのも嫌な気持ち分かるぜ。やっぱりお前は優しいな。レブン。」
カミュがホメロスを睨みつけながらも、レブンの優しい笑顔に頬が和らいだ。そして、ベロニカもカミュの隣で賛同していた。
「もし、こいつが目を覚まして、レブンに襲い掛かったら、あたしの協力魔法をぶつけるからね！！」
「・・・おいおい。レブンと俺に当てるなよ・・・。」
「あんたは知らないけど、レブンには当てないわよ！！」
２人はいつも通り仲良く口論しながら、命の大樹の道を下りていた。皆はまたやっているー。と笑っていたが、レブンだけ少しうれし涙を流していた。
（・・・この光景すごい久しぶりだな。）　
一行はルーラでデルカダール城へ向かった。