幼馴染な二人の日常
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久しぶりに幼馴染の家に泊めてもらうことになった俺は、仕事着から部屋着に着替える彼の様子をソファーで胡座をかきながら眺めていた。近頃製菓店を営むことになった彼の身体は童顔の顔に似合わず筋肉が隆起しており、いかにも鍛えていますといった具合で仕上がっている。普段の姿からは想像のつかないその身体は、まさに着痩せの達人である。
「小さい頃は俺よりちっちゃくて可愛かったのに、何でそんなに雄々しく成長しちゃったのかね。」
思わず口から不満が。彼の顔には怪訝な表情が浮かんでいる。
「何じっと見てるわけ、変態。」
「えー、心外だなー。」
俺は鍛えてもそこまで筋肉つかないんだからどれだけストイックになればそこまで絞れるんだ。相変わらず真面目で努力家だな。本当、昔から変わらない。
十五の時、既に薬師としての才能を開花させていた俺は、見た目の成長も良かったためか大人達に持て囃され期待される日々を送っていた。嬉しい気持ちの反面、日頃から期待の目を向けられるプレッシャーを抱え続けて研究に没頭する様は、周囲の友人らが自然と離れていくくらいには異様な光景だったのだと思う。
そんな中で、気にせずに普段と同じように接してくれるノアの存在は俺の中でとても大きな存在だった。
幼い頃から不思議に思ったことは何でも人に聞くなり調べるなりして知識を積んでいた。分からないこと知らないことは俺にとって知的好奇心を擽るおもちゃのようなものだった。なんで?なんで?が口癖になってきた頃には、周囲は面倒くさい顔を隠しもせずに向けてきたが、そんなのはどうでもよかったし答え探しの方が魅力的だった。
そんな自分の後ろをついて回るように共に過ごしていたのがノアだった。俺が何かをする度にキラキラと目を輝かせて、一緒になって答え探しをした。彼は大人達にとって理想の子どもだったのだと思う。
「俺と一緒に居ると、君まで変な目で見られてしまうよ。だから俺ではなく、君の友達と一緒に遊んだ方が良い。」
ノアは純粋で無垢で真っ直ぐな目を持つ子どもだったが、時折大人びた考えを持っていることもあった。
「僕の友達の中に君がいる。君も僕の友達だよ。それに、僕がグレイと一緒に居たいんだ。もし迷惑じゃなければ今まで通り君と色んなことに疑問を抱いては学んでいきたいと思う。」
そう話す彼の顔は、十五には到底見えないほどに幼い。それでもその口から放たれた温かな言葉に、俺はその時救われたのだった。
それからは更に共にする時間が増え、とてもとても楽しかった。
「菓子屋になるんだ。この間僕のもとにやってきたオバケの子どもが僕の作ったキャンディを嬉しそうに食べてくれたんだ。凄く、凄く嬉しかった。僕の作った菓子が誰かを笑顔にできるかもしれない。」
だから将来は自分の菓子屋を持ってお菓子を売りたいんだ。
そう言った彼の顔は、十八にしてはまだまだ幼さが残るものの希望に満ち溢れて強い意志をその目に宿していた。いつの間にか身長がぐんぐんと伸びていき、あんなに小さかった彼は筋肉がついて男らしくなった。聞けば、身長を伸ばすためによく食べよく寝てよく鍛えているのだとか。本当に真面目で努力家だ。
俺は相変わらず大人達に囲まれながら薬師として成長し続けている真っ只中だ。元々年相応と言うには大人びた見た目をしていたためか、大人達に囲まれていても違和感が無く、むしろ大人として対応されることが増えた。それが苦になることも多々あったが、ノアが頑張っていると思うと自分も頑張れる気がした。
彼は俺の心の中でも真面目で努力家だった。
「もう無理だ、なんなんだあの客は。俺の作った薬に難癖つけてくるなんておかしい。効能は確かなのに不味いだの見た目が気持ち悪いだの、薬はお前のおやつじゃない!ノア〜〜!泣いちゃうよ〜〜!俺〜〜!」
「はいはい、今度は何があったの。」
俺は十九で自分の店を持ち、薬師としての才能を思う存分に発揮していた。はずだった。実際、仕事の様子はまさに踏んだり蹴ったりだったのだ。
見た目と若い頃からの才能を称賛する声が噂となって客が押し寄せてくるのは良いことだと思う。それだけ自分に能力があるということ。公式で褒め称えられたこともあるため、何ら不思議ではなかったしそこに新鮮味を感じたことは無かった。しかし、どこの業界にも難癖つけたがる同業者や客というのは存在するのだろう。毎日のようにストレスを抱えては、体調不良を訴える身体に無理にでも鞭を打って仕事をしていた。布団の中は天国だった。
あまりにも目の下の隈が濃くなっていき心はズタボロ状態。ある日偶然出くわした幼馴染の顔を久しぶりに見て大粒の涙を流してしまったのは自分でも驚きだった。
「え、どうした?って涙も凄いけど隈も凄いね?体調良くないでしょ。僕の家おいで。」
「う、う、ノア……。俺、おれ、頑張ってるよ。頑張ってるのに報われないなんて、そんなのおかしいよ。」
「グレイ……。」
幼い頃から大人達の期待に応えようと頑張っていた俺の心は限界をとうに超えていた。いや、超えるのが遅かったんだと思う。
まさか二十三になった今、幼い頃にはなかなか出すことのできなかった自分の心の内側を幼馴染の彼にぶちまけることになろうとは。
ノアはその日、俺を家に泊まらせて温かいココアを用意してくれて、朝方まで俺の溜まりに溜まった情けなくもプライドに塗れた愚痴を聞いてくれた。
彼はとても優しかった。俺も彼が困ったときには支えてやりたいと思った。困っていなくても、彼の幼馴染として、親友として助け合っていきたいと心の底から思った。
よしよしと俺の頭を撫でては、幼子をあやすように接してくるノアにやっと違和感を覚えた。少し会わない間に彼は俺の身長を越していたのだった。
あれから俺達は変わらず幼馴染で親友で、二十七になった。
ノアは最近自分の店を持つことが決まり、とても嬉しそうに俺に報告してくれた。それまでは製菓店に就職して弟子入りもして、大変だけど実りある日々を過ごしていた。あの日の俺のように、目の下に隈をこさえて俺のところまでやって来たときには吃驚仰天で。まさか徹夜知らずの彼がここまでになるとは思わず、急いで自宅に上がらせて身の回りの世話を焼いたのはまだ記憶に新しい。
俺は俺で、それなりに社会経験を積んで逞しくなったと思う。あまり自信が無いのは、幼い頃の真面目で一点に集中して研究に打ち込み、自身の気持ちと向き合わなかった反動がアラサーになって出てしまっているからだ。外面はポーカーフェイスでどうにかなっているものの、気心知れたノアの前では赤子も同然。わんわん泣き喚いたり、他人への怒りをあらわにして声を張り上げたり、あーだこーだと独り言をぶちまけては彼にその様を見守られている。
哀しきかな、恋愛など一度もしたことがない。そんな俺達は今でも仲良くお泊りをするくらいには女体に無知で興味もそこまでわかずに童貞のままだ。そんな青年が今の時代何人もいてもおかしくないだろう。……ないよね?
「今も変わらず童顔だけど、その鍛えられた身体とのアンバランスさがまた良いね。一人や二人くらい居るんじゃないの、彼女。」
「急に何を言い出すかと思ったら。君はそういうの興味無いんだと思ってたんだけど?」
「うーん、確かに女性にはあまり興味がわかないな。それこそ運命の女性が現れない限りは、ね。」
部屋着のズボンに履き替えるために脱がされたジーンズ。脱いだ後はすぐに畳む彼の真面目さ。綺麗に鍛えられた身体のラインは美しく、同性の俺でも見惚れてしまうほどだ。ただ単に俺の好みなだけかもしれないが。
「ノアってお尻丸くて綺麗だよね。触ってもいい?」
「良いわけないでしょ……。」
「ああ、残念。」
ゆったりとしたズボンに隠れてしまった丸みのあるお尻。触ることができず、無念。
「たまにオジサンになるのどうにかならないの。君、まだ三十路にすらなってないでしょ。」
「いいよ、俺は昔から老け顔で達観した可愛げの無い子でしたから。」
「そこまでは言ってない。」
「ふーんだ。」
僕のお尻が触れなかったからってそんなに拗ねることある?よく分からないな。
そういうところがまだまだ純粋で穢れが無くて可愛いんだよな、なんて俺に思われてるとは想像もつかないことだろう。
未だに学生に間違われることがあるノア。将来の夢は菓子屋になること。あの頃そう教えてくれた彼は、成長して俺より身長が高くなって。社会人としてはまだまだこれからなことも沢山あるだろう。俺もまだ二十七の若造ではあるが、これから彼が経験していくであろう良いこと悪いことを少しでも支えられる大人であれたなら。俺は昔の君に恩返しできるのかな。
大人になって子どもらしくなった俺。大人になっても変わらず真面目で努力家で純粋なノア。どこまでも親友で、お互いが心の支えであったならいいなと思う。アンバランスなのが安定だ。
「ノアは幼い顔立ちだし可愛いから、顔だけ見て胸筋触ったら女の子の胸触ってるように感じるんじゃない?やってみよう!」
「最低。来ないで。近寄らないで。」
「小さい頃は俺よりちっちゃくて可愛かったのに、何でそんなに雄々しく成長しちゃったのかね。」
思わず口から不満が。彼の顔には怪訝な表情が浮かんでいる。
「何じっと見てるわけ、変態。」
「えー、心外だなー。」
俺は鍛えてもそこまで筋肉つかないんだからどれだけストイックになればそこまで絞れるんだ。相変わらず真面目で努力家だな。本当、昔から変わらない。
十五の時、既に薬師としての才能を開花させていた俺は、見た目の成長も良かったためか大人達に持て囃され期待される日々を送っていた。嬉しい気持ちの反面、日頃から期待の目を向けられるプレッシャーを抱え続けて研究に没頭する様は、周囲の友人らが自然と離れていくくらいには異様な光景だったのだと思う。
そんな中で、気にせずに普段と同じように接してくれるノアの存在は俺の中でとても大きな存在だった。
幼い頃から不思議に思ったことは何でも人に聞くなり調べるなりして知識を積んでいた。分からないこと知らないことは俺にとって知的好奇心を擽るおもちゃのようなものだった。なんで?なんで?が口癖になってきた頃には、周囲は面倒くさい顔を隠しもせずに向けてきたが、そんなのはどうでもよかったし答え探しの方が魅力的だった。
そんな自分の後ろをついて回るように共に過ごしていたのがノアだった。俺が何かをする度にキラキラと目を輝かせて、一緒になって答え探しをした。彼は大人達にとって理想の子どもだったのだと思う。
「俺と一緒に居ると、君まで変な目で見られてしまうよ。だから俺ではなく、君の友達と一緒に遊んだ方が良い。」
ノアは純粋で無垢で真っ直ぐな目を持つ子どもだったが、時折大人びた考えを持っていることもあった。
「僕の友達の中に君がいる。君も僕の友達だよ。それに、僕がグレイと一緒に居たいんだ。もし迷惑じゃなければ今まで通り君と色んなことに疑問を抱いては学んでいきたいと思う。」
そう話す彼の顔は、十五には到底見えないほどに幼い。それでもその口から放たれた温かな言葉に、俺はその時救われたのだった。
それからは更に共にする時間が増え、とてもとても楽しかった。
「菓子屋になるんだ。この間僕のもとにやってきたオバケの子どもが僕の作ったキャンディを嬉しそうに食べてくれたんだ。凄く、凄く嬉しかった。僕の作った菓子が誰かを笑顔にできるかもしれない。」
だから将来は自分の菓子屋を持ってお菓子を売りたいんだ。
そう言った彼の顔は、十八にしてはまだまだ幼さが残るものの希望に満ち溢れて強い意志をその目に宿していた。いつの間にか身長がぐんぐんと伸びていき、あんなに小さかった彼は筋肉がついて男らしくなった。聞けば、身長を伸ばすためによく食べよく寝てよく鍛えているのだとか。本当に真面目で努力家だ。
俺は相変わらず大人達に囲まれながら薬師として成長し続けている真っ只中だ。元々年相応と言うには大人びた見た目をしていたためか、大人達に囲まれていても違和感が無く、むしろ大人として対応されることが増えた。それが苦になることも多々あったが、ノアが頑張っていると思うと自分も頑張れる気がした。
彼は俺の心の中でも真面目で努力家だった。
「もう無理だ、なんなんだあの客は。俺の作った薬に難癖つけてくるなんておかしい。効能は確かなのに不味いだの見た目が気持ち悪いだの、薬はお前のおやつじゃない!ノア〜〜!泣いちゃうよ〜〜!俺〜〜!」
「はいはい、今度は何があったの。」
俺は十九で自分の店を持ち、薬師としての才能を思う存分に発揮していた。はずだった。実際、仕事の様子はまさに踏んだり蹴ったりだったのだ。
見た目と若い頃からの才能を称賛する声が噂となって客が押し寄せてくるのは良いことだと思う。それだけ自分に能力があるということ。公式で褒め称えられたこともあるため、何ら不思議ではなかったしそこに新鮮味を感じたことは無かった。しかし、どこの業界にも難癖つけたがる同業者や客というのは存在するのだろう。毎日のようにストレスを抱えては、体調不良を訴える身体に無理にでも鞭を打って仕事をしていた。布団の中は天国だった。
あまりにも目の下の隈が濃くなっていき心はズタボロ状態。ある日偶然出くわした幼馴染の顔を久しぶりに見て大粒の涙を流してしまったのは自分でも驚きだった。
「え、どうした?って涙も凄いけど隈も凄いね?体調良くないでしょ。僕の家おいで。」
「う、う、ノア……。俺、おれ、頑張ってるよ。頑張ってるのに報われないなんて、そんなのおかしいよ。」
「グレイ……。」
幼い頃から大人達の期待に応えようと頑張っていた俺の心は限界をとうに超えていた。いや、超えるのが遅かったんだと思う。
まさか二十三になった今、幼い頃にはなかなか出すことのできなかった自分の心の内側を幼馴染の彼にぶちまけることになろうとは。
ノアはその日、俺を家に泊まらせて温かいココアを用意してくれて、朝方まで俺の溜まりに溜まった情けなくもプライドに塗れた愚痴を聞いてくれた。
彼はとても優しかった。俺も彼が困ったときには支えてやりたいと思った。困っていなくても、彼の幼馴染として、親友として助け合っていきたいと心の底から思った。
よしよしと俺の頭を撫でては、幼子をあやすように接してくるノアにやっと違和感を覚えた。少し会わない間に彼は俺の身長を越していたのだった。
あれから俺達は変わらず幼馴染で親友で、二十七になった。
ノアは最近自分の店を持つことが決まり、とても嬉しそうに俺に報告してくれた。それまでは製菓店に就職して弟子入りもして、大変だけど実りある日々を過ごしていた。あの日の俺のように、目の下に隈をこさえて俺のところまでやって来たときには吃驚仰天で。まさか徹夜知らずの彼がここまでになるとは思わず、急いで自宅に上がらせて身の回りの世話を焼いたのはまだ記憶に新しい。
俺は俺で、それなりに社会経験を積んで逞しくなったと思う。あまり自信が無いのは、幼い頃の真面目で一点に集中して研究に打ち込み、自身の気持ちと向き合わなかった反動がアラサーになって出てしまっているからだ。外面はポーカーフェイスでどうにかなっているものの、気心知れたノアの前では赤子も同然。わんわん泣き喚いたり、他人への怒りをあらわにして声を張り上げたり、あーだこーだと独り言をぶちまけては彼にその様を見守られている。
哀しきかな、恋愛など一度もしたことがない。そんな俺達は今でも仲良くお泊りをするくらいには女体に無知で興味もそこまでわかずに童貞のままだ。そんな青年が今の時代何人もいてもおかしくないだろう。……ないよね?
「今も変わらず童顔だけど、その鍛えられた身体とのアンバランスさがまた良いね。一人や二人くらい居るんじゃないの、彼女。」
「急に何を言い出すかと思ったら。君はそういうの興味無いんだと思ってたんだけど?」
「うーん、確かに女性にはあまり興味がわかないな。それこそ運命の女性が現れない限りは、ね。」
部屋着のズボンに履き替えるために脱がされたジーンズ。脱いだ後はすぐに畳む彼の真面目さ。綺麗に鍛えられた身体のラインは美しく、同性の俺でも見惚れてしまうほどだ。ただ単に俺の好みなだけかもしれないが。
「ノアってお尻丸くて綺麗だよね。触ってもいい?」
「良いわけないでしょ……。」
「ああ、残念。」
ゆったりとしたズボンに隠れてしまった丸みのあるお尻。触ることができず、無念。
「たまにオジサンになるのどうにかならないの。君、まだ三十路にすらなってないでしょ。」
「いいよ、俺は昔から老け顔で達観した可愛げの無い子でしたから。」
「そこまでは言ってない。」
「ふーんだ。」
僕のお尻が触れなかったからってそんなに拗ねることある?よく分からないな。
そういうところがまだまだ純粋で穢れが無くて可愛いんだよな、なんて俺に思われてるとは想像もつかないことだろう。
未だに学生に間違われることがあるノア。将来の夢は菓子屋になること。あの頃そう教えてくれた彼は、成長して俺より身長が高くなって。社会人としてはまだまだこれからなことも沢山あるだろう。俺もまだ二十七の若造ではあるが、これから彼が経験していくであろう良いこと悪いことを少しでも支えられる大人であれたなら。俺は昔の君に恩返しできるのかな。
大人になって子どもらしくなった俺。大人になっても変わらず真面目で努力家で純粋なノア。どこまでも親友で、お互いが心の支えであったならいいなと思う。アンバランスなのが安定だ。
「ノアは幼い顔立ちだし可愛いから、顔だけ見て胸筋触ったら女の子の胸触ってるように感じるんじゃない?やってみよう!」
「最低。来ないで。近寄らないで。」
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