restarrt! 異変後
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ウルノーガ打倒後。それぞれの故郷に帰るところ、行くあてがないアカリはセーニャの故郷でお世話になった。カミュについて行かなかったのは、約5年振りの兄妹の時間を過ごしてほしいからだ。セーニャの両親はアカリを快く迎え、アカリからみたベロニカの話を涙ぐみながらきいていた。
そして世界救出から数日後、「マヤちゃんの様子をみたい」とアカリとイレブンが訪ねる。他の仲間たちもマヤを心配していたが、大勢で行くと緊張させると考えて今回は2人になっている。
マヤは人見知りを発揮していたものの、アカリとイレブンの人柄のおかげで徐々に慣れてきた。
そんなとある日、アカリが言った。
「マヤちゃん。よかったら、ダーハルーネのスイーツを食べに行かない?」
あまり特別なものを食べる機会に恵まれなかったマヤは興味津々。イレブンがルーラを唱えてあっという間にダーハルーネの町に到着する。
「…美味い。こんな美味いもの、食べたことない」
マヤは口にいれた瞬間固まり、驚いた目でこちらをみて歓喜の声をあげる。「よかった!」と安心したように花を咲かせたアカリと微笑むカミュ。イレブンも頬がとろけそうな顔をして満足気である。訪れたのは町の中でも有名なケーキ屋さん。「あの将軍も笑みが零れるほどの美味しさ!」と書いてあるほどだ。
じっくりと目も舌も満喫したあと、4人は町の散策に出た。男勝りなマヤも女の子だ。色とりどりの出店に目を輝かせる。
最初はカミュの傍を離れなかったマヤだが、お店という共通の話題があることで、兄ではなくアカリにも声をかけることが増えた。
「カミュ、よかったね」
2人が仲良くなって。贅沢なものを食べさせられて。
キャピキャピする女子たちの後ろを歩きながらイレブンが気持ちをのせて言った。
「ああ」
優しい眼差しを感じたのかアカリが振り返る。
「何話してたの?」
「兄貴、嬉しそうじゃん」
「まあな。お前らが楽しそうでよかったなって思っただけだ」
カミュのストレートな言葉に、「なんだそれ」とぷいと前を向くマヤに3人は笑う。カミュはあの日から、こんな平和な日常が訪れる日が来るとは思ってもみなかった。
「マヤ、今日は楽しかったか?」
2人が帰り、兄妹の時間になった途端、カミュが問いかける。
「楽しかったよ。アカリもイレブンもいいやつだし。ふわふわしてて心配になるけど」
「だよな。なんか似てるんだよあいつら」
感じることは誰でも同じかと口角があがる。
「兄貴ってさー」笑っているとマヤが口を開いた。
「アカリのこと好きだろ」
雑談のように紡がれた言葉にカミュの時が一瞬止まる。返事に困り、沈黙ののちに「わかるか」としか出てこない。
「おれを誰だと思ってるんだよ。おれたちが話してるときもニヤニヤニヤニヤ。アカリのことかわいくてしかたね〜!みたいな顔してさ」
「っ!それは妹に友達ができて嬉しくてだな!」
「はいはい。兄貴わかりやすすぎ!」マヤは小馬鹿にしたような笑いから一転、目を閉じて落ち着く。「別に、気ィつかわなくていいよ」
無理をしているようには見えない大人びた視線を向ける妹をみてカミュは驚いた。鼻からゆっくりと息を吐く。
「…たしかに、アカリとは恋人同士なんだ。ごめんな、様子をみてからマヤに話そうと思ってたんだ。でも、お前はあんなことになってたのに、オレだけ大切な人ができました…だなんて、気分良くないだろ」
「……しょーじき、最初は兄貴と2人が仲良さそうで、おれだけ仲間外れじゃんとか思った」
当人がそう感じるのも無理はない。いくらアカリとイレブンがマヤを気にかけていても、一緒に過ごした日々の長さは雰囲気に現れる。罪の意識がじわりとカミュの心を蝕んでいく。だが続く言葉は責めるような口調ではなかった。
「けどあいつらが言ってたんだ。旅の途中もずっとおれのこと気にしてたって」
「え」カミュは驚きを隠せない。「いつ聞いたんだ?」
「兄貴がケーキ代払ってるときにちょっとな。おれのために城のお宝奪って捕まったんだろ?ほんっとうにバカ兄貴だな」
「バカで悪かったな。そりゃ…、たった一人の家族なんだ。僅かな希望にも縋りたいだろ」
先ほどまでよく動いていた口は閉ざされる。マヤもわかりやすいんだよな。カミュの心は温かなもので修復されていくのを感じた。
「また、アカリ連れてこいよ。イレブンも」
「ああ。…ありがとう、マヤ」
「つーかおれ兄貴いなくても生きていけるし」
「それはまだ心配だな」
「おれ本来ならイレブンより歳上だから」
「はやく身体治さなくちゃな」
「いししっ」
そして世界救出から数日後、「マヤちゃんの様子をみたい」とアカリとイレブンが訪ねる。他の仲間たちもマヤを心配していたが、大勢で行くと緊張させると考えて今回は2人になっている。
マヤは人見知りを発揮していたものの、アカリとイレブンの人柄のおかげで徐々に慣れてきた。
そんなとある日、アカリが言った。
「マヤちゃん。よかったら、ダーハルーネのスイーツを食べに行かない?」
あまり特別なものを食べる機会に恵まれなかったマヤは興味津々。イレブンがルーラを唱えてあっという間にダーハルーネの町に到着する。
「…美味い。こんな美味いもの、食べたことない」
マヤは口にいれた瞬間固まり、驚いた目でこちらをみて歓喜の声をあげる。「よかった!」と安心したように花を咲かせたアカリと微笑むカミュ。イレブンも頬がとろけそうな顔をして満足気である。訪れたのは町の中でも有名なケーキ屋さん。「あの将軍も笑みが零れるほどの美味しさ!」と書いてあるほどだ。
じっくりと目も舌も満喫したあと、4人は町の散策に出た。男勝りなマヤも女の子だ。色とりどりの出店に目を輝かせる。
最初はカミュの傍を離れなかったマヤだが、お店という共通の話題があることで、兄ではなくアカリにも声をかけることが増えた。
「カミュ、よかったね」
2人が仲良くなって。贅沢なものを食べさせられて。
キャピキャピする女子たちの後ろを歩きながらイレブンが気持ちをのせて言った。
「ああ」
優しい眼差しを感じたのかアカリが振り返る。
「何話してたの?」
「兄貴、嬉しそうじゃん」
「まあな。お前らが楽しそうでよかったなって思っただけだ」
カミュのストレートな言葉に、「なんだそれ」とぷいと前を向くマヤに3人は笑う。カミュはあの日から、こんな平和な日常が訪れる日が来るとは思ってもみなかった。
「マヤ、今日は楽しかったか?」
2人が帰り、兄妹の時間になった途端、カミュが問いかける。
「楽しかったよ。アカリもイレブンもいいやつだし。ふわふわしてて心配になるけど」
「だよな。なんか似てるんだよあいつら」
感じることは誰でも同じかと口角があがる。
「兄貴ってさー」笑っているとマヤが口を開いた。
「アカリのこと好きだろ」
雑談のように紡がれた言葉にカミュの時が一瞬止まる。返事に困り、沈黙ののちに「わかるか」としか出てこない。
「おれを誰だと思ってるんだよ。おれたちが話してるときもニヤニヤニヤニヤ。アカリのことかわいくてしかたね〜!みたいな顔してさ」
「っ!それは妹に友達ができて嬉しくてだな!」
「はいはい。兄貴わかりやすすぎ!」マヤは小馬鹿にしたような笑いから一転、目を閉じて落ち着く。「別に、気ィつかわなくていいよ」
無理をしているようには見えない大人びた視線を向ける妹をみてカミュは驚いた。鼻からゆっくりと息を吐く。
「…たしかに、アカリとは恋人同士なんだ。ごめんな、様子をみてからマヤに話そうと思ってたんだ。でも、お前はあんなことになってたのに、オレだけ大切な人ができました…だなんて、気分良くないだろ」
「……しょーじき、最初は兄貴と2人が仲良さそうで、おれだけ仲間外れじゃんとか思った」
当人がそう感じるのも無理はない。いくらアカリとイレブンがマヤを気にかけていても、一緒に過ごした日々の長さは雰囲気に現れる。罪の意識がじわりとカミュの心を蝕んでいく。だが続く言葉は責めるような口調ではなかった。
「けどあいつらが言ってたんだ。旅の途中もずっとおれのこと気にしてたって」
「え」カミュは驚きを隠せない。「いつ聞いたんだ?」
「兄貴がケーキ代払ってるときにちょっとな。おれのために城のお宝奪って捕まったんだろ?ほんっとうにバカ兄貴だな」
「バカで悪かったな。そりゃ…、たった一人の家族なんだ。僅かな希望にも縋りたいだろ」
先ほどまでよく動いていた口は閉ざされる。マヤもわかりやすいんだよな。カミュの心は温かなもので修復されていくのを感じた。
「また、アカリ連れてこいよ。イレブンも」
「ああ。…ありがとう、マヤ」
「つーかおれ兄貴いなくても生きていけるし」
「それはまだ心配だな」
「おれ本来ならイレブンより歳上だから」
「はやく身体治さなくちゃな」
「いししっ」
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