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夜空の下。それぞれが気のままに過ごしていると、風にのって空腹をさそう香りがただよってきた。
「みんな〜!シルビアスペシャルができたわ
よ〜!」
「わあ、美味しそう!」
今日の料理当番はシルビアさん。彼の呼び声と
匂いにつられて群がる我ら勇者たち。 傍からみればお母さんに集まる子供たちにみえるかもしれない。
私は渡されたお皿を嬉々として回していく。み
んなの手元に届き焚き火を囲んで座ると、景色が賑やかに映った。 最初に出会った時のことを思い出すと、この光景はなんとも感慨深い。
今はこんなにイレブンの味方がいるんだ。
一人で感動していると、いただきますと声が聞
こえはじめたので自分も食事を始める。
「うおっ!うめえ!」
「すごく美味しいですわ!」
「お、おしゃれな味がする…!」
感動をもらしたカミュとセーニャ。続けて私も
顔をあげた。視界にはイレブンが目を輝かせて二口目を頬張るのが目に入る。栄養満点なのに食べやすく、性別問わずに高評価のようだ。
「シルビアさん料理が上手なのね!」
「うふふ、お口にあってよかったわ」
弾んだ声のベロニカに対して、シルビアさんが
手を口に添える。 上品な仕草に美味しい手料理。最近仲間になった旅芸人さんは女子力溢れる方のようだ。
しかもそれだけではない。 彼を初めてみたサーカスも素晴らしかったし、騎士道に通じているようで戦闘慣れもしている。まだ知り合って日も浅いものの、とても頼りになるお方だ。
そういえばこれで私は最年長という立ち位置か
ら卒業することになるのか。カミュとベロニカがしっかりしているから二人の喧嘩中以外は実感なんてなかったけど。
考えながら食事を楽しんでると、カミュが満足
げに口を開いた。
「これで料理担当が増えたな」
「あら。今までは誰が作ってたの?」
「大体オレかアカリだな」
向日葵が咲いたような空気は、放たれた発言により一瞬にして種が落ちた。
思わず唾を飲み込み名前の上がらなかった三人
に目をやる。するとそれぞれが微妙な表情をして目線を落とした。
僕もシチューくらい作れる、と口をとんがらせ
ているイレブン。申し訳なさそうに微笑むセーニャ。そして。
「…好みがあわなかったのよ」
不貞腐れたように抗議したベロニカ。
「いやあれはそんなレベルじゃねえだろ。 アカリは後ろ向いて喋れなくなってたし、イレブンなんか徘徊しながら口から火を吹きそうだったぜ!」
「おねえさまの料理は辛いですからね…」
「そっそれを言うならセーニャもよく失敗する
じゃない!」
「ううっ。でも、次こそは成功させてみせますわ…!」
カミュの言葉にわちゃわちゃする姉妹。そのか
わいらしいやりとりのおかげで、少し空気は浮上した。
意外にもベロニカ&セーニャ姉妹は料理が得意
ではない。仲間になって間もない頃、共に三途の川を渡りかけたイレブンと目が合い苦笑しあう。
未だにやり取りが続く中、一人微笑みながら聞
いてたシルビアさんは、ぽん!と両手をあわせ
た。
「じゃあ今度、アタシと練習しましょ!そした
らきっと上手くいくわよ〜」
「まあ!シルビアさまがついていれば安心です
わね、おねえさま」
「セーニャ…。そうね。上手くなってアンタを
ぎゃふんと言わせてやるわ!」
「はいはい、頑張れよ」
ベロニカに宣言されたカミュは喧嘩をするのが
飽きたのかテキトーに返した。そしてなんとも言えない表情で隣の私に小声で呟く。
「シルビアなら大丈夫だろうな…?」
「たぶん大丈夫、だと思いたいね」
私も事件後に二人と一緒に作ったことがあるん
だけどなぜか改善されなかった。シルビアさんにかかれば上手くなると信じたい。
彼女たちは戦闘面で物凄く活躍しているし、料
理はできる人にやらせればいいと思うんだがプライドが許さないんだろう。
…二人が料理上手になったら私も鍛錬の時間が増える。
自分も戦闘に参加できるようになったとはいえ、この勇者一行の中でも最弱。今後の旅をスムーズにするためにも、頑張っていただきたい。
「こうやって大勢でごはんを食べるって幸せねえ」
星空を背景に、シルビアさんが柔らかく笑う。
新しい仲間は、場を明るく照らしてくれる、素
敵なオネエさんだった。
「みんな〜!シルビアスペシャルができたわ
よ〜!」
「わあ、美味しそう!」
今日の料理当番はシルビアさん。彼の呼び声と
匂いにつられて群がる我ら勇者たち。 傍からみればお母さんに集まる子供たちにみえるかもしれない。
私は渡されたお皿を嬉々として回していく。み
んなの手元に届き焚き火を囲んで座ると、景色が賑やかに映った。 最初に出会った時のことを思い出すと、この光景はなんとも感慨深い。
今はこんなにイレブンの味方がいるんだ。
一人で感動していると、いただきますと声が聞
こえはじめたので自分も食事を始める。
「うおっ!うめえ!」
「すごく美味しいですわ!」
「お、おしゃれな味がする…!」
感動をもらしたカミュとセーニャ。続けて私も
顔をあげた。視界にはイレブンが目を輝かせて二口目を頬張るのが目に入る。栄養満点なのに食べやすく、性別問わずに高評価のようだ。
「シルビアさん料理が上手なのね!」
「うふふ、お口にあってよかったわ」
弾んだ声のベロニカに対して、シルビアさんが
手を口に添える。 上品な仕草に美味しい手料理。最近仲間になった旅芸人さんは女子力溢れる方のようだ。
しかもそれだけではない。 彼を初めてみたサーカスも素晴らしかったし、騎士道に通じているようで戦闘慣れもしている。まだ知り合って日も浅いものの、とても頼りになるお方だ。
そういえばこれで私は最年長という立ち位置か
ら卒業することになるのか。カミュとベロニカがしっかりしているから二人の喧嘩中以外は実感なんてなかったけど。
考えながら食事を楽しんでると、カミュが満足
げに口を開いた。
「これで料理担当が増えたな」
「あら。今までは誰が作ってたの?」
「大体オレかアカリだな」
向日葵が咲いたような空気は、放たれた発言により一瞬にして種が落ちた。
思わず唾を飲み込み名前の上がらなかった三人
に目をやる。するとそれぞれが微妙な表情をして目線を落とした。
僕もシチューくらい作れる、と口をとんがらせ
ているイレブン。申し訳なさそうに微笑むセーニャ。そして。
「…好みがあわなかったのよ」
不貞腐れたように抗議したベロニカ。
「いやあれはそんなレベルじゃねえだろ。 アカリは後ろ向いて喋れなくなってたし、イレブンなんか徘徊しながら口から火を吹きそうだったぜ!」
「おねえさまの料理は辛いですからね…」
「そっそれを言うならセーニャもよく失敗する
じゃない!」
「ううっ。でも、次こそは成功させてみせますわ…!」
カミュの言葉にわちゃわちゃする姉妹。そのか
わいらしいやりとりのおかげで、少し空気は浮上した。
意外にもベロニカ&セーニャ姉妹は料理が得意
ではない。仲間になって間もない頃、共に三途の川を渡りかけたイレブンと目が合い苦笑しあう。
未だにやり取りが続く中、一人微笑みながら聞
いてたシルビアさんは、ぽん!と両手をあわせ
た。
「じゃあ今度、アタシと練習しましょ!そした
らきっと上手くいくわよ〜」
「まあ!シルビアさまがついていれば安心です
わね、おねえさま」
「セーニャ…。そうね。上手くなってアンタを
ぎゃふんと言わせてやるわ!」
「はいはい、頑張れよ」
ベロニカに宣言されたカミュは喧嘩をするのが
飽きたのかテキトーに返した。そしてなんとも言えない表情で隣の私に小声で呟く。
「シルビアなら大丈夫だろうな…?」
「たぶん大丈夫、だと思いたいね」
私も事件後に二人と一緒に作ったことがあるん
だけどなぜか改善されなかった。シルビアさんにかかれば上手くなると信じたい。
彼女たちは戦闘面で物凄く活躍しているし、料
理はできる人にやらせればいいと思うんだがプライドが許さないんだろう。
…二人が料理上手になったら私も鍛錬の時間が増える。
自分も戦闘に参加できるようになったとはいえ、この勇者一行の中でも最弱。今後の旅をスムーズにするためにも、頑張っていただきたい。
「こうやって大勢でごはんを食べるって幸せねえ」
星空を背景に、シルビアさんが柔らかく笑う。
新しい仲間は、場を明るく照らしてくれる、素
敵なオネエさんだった。