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これは、正当防衛だ。
短剣から青緑色の液が垂れる。頬に違和感があって拭うと、それは手にもついた。
――自分がやった。
ようやく実感がわいて鳥肌がたつ。
「アカリ無事か!?」
声がしたような気がしたが随分と遠くに感じた。
こちらに襲いかかってきた魔物を、反射的に斬った。生物として当然の反応だろう。斬られた魔物はうめき声をあげてその場から消えた。しかし奴から溢れた体液は地面に残っている。そして、初めての感触も。
もしも護身用にとお下がりを与えられなかったら…?
最悪な考えが脳裏をよぎる。
「ごめんな、間に合わなかった」
いつの間にかしゃがんでいたらしい私の前に顔を合わせる彼。青い瞳と目が合ってようやく我に返った。
「カミュが謝ることじゃないよ…!むしろ毎回気にかけてもらってごめんなさい」
この世界に馴染みのない私を、仲間にしてくれた二人。自分のことで手一杯なはずなのに、完全素人の私を守ってくれている。
「アカリ、顔真っ青だよ」
「本当?」
イレブンも心配そうにこちらを伺う。揺れている瞳。故郷の件もあって心を痛めただろうに、また責任を感じさせてしまっただろうか。こんなことで気を遣わせたくないと急いで返事をする。
「たぶん剣を向けたのが初めてで動揺したのかも。大丈夫!すぐ慣れると思う」
「でも、無理しないで…」
「ううん、いつまでも甘えてるわけにはいかないし!今のをきっかけに戦えるように頑張るから、だから、」
「落ち着け」
頭上に置かれる手。その温かさに開いた口から勢いが落ちる。
「別に今更置いていったりしないからな」
「…!!」
「ずっと気にしているようだが、慣れてねえんだから仕方ねえだろ。時間をかけて自分なりの戦い方をみつければいいんだ」
そう諭すようにカミュは言った。無意識にも必死になっていたようで、徐々に頬が熱くなる。隣のイレブンも下がっていた眉をあげて、お日様のような微笑みを向けてくれた。
「そうだよ!それに僕たちが連れていくことを決めたんだから」
ね、とカミュのほうを向いて頷きあう二人。彼らに後光がさして視界が潤む。連れていってと頼んだのはこちらのほうなのに。
「…ありがとう」
立ち上がり情けない声で伝えると、二人の表情が和らいだ。こんなに温かい人達に巡り会えるなんて、幸運以外になんだというのだろう。
「…あのさ。余裕があるときでいいから、基礎から鍛えてくれないかな?」
緊張しつつ声に乗せる。力になりたい。彼らの人柄がその思いをより一層強くさせた。焦りや恐怖が消えたわけではない。さっきは命を奪ってしまったんだと、罪悪感に襲われた。
「自信を持って、二人について行きたいの」
でもここはやらなきゃやられる。危険がより身近な世界なんだ。
二人は初めは驚きと心配が入り交じった顔をみせたけど、熱意が伝わったのか納得した表情で了承してくれた。
「うん。アカリがそう言うなら」
「ああ、もう大丈夫そうだな」
真剣に向き合ってくれたイレブンとカミュ。
遠くに感じていた彼らに、少しだけ近づけた気がした。
「つーか魔物、無限に沸いてくるから気に病むことはないぜ」
「えっ!?そうなの…?」
「そうなんだよね。それはそれで感覚麻痺しちゃうよね」
…ある意味今後が不安になった。
短剣から青緑色の液が垂れる。頬に違和感があって拭うと、それは手にもついた。
――自分がやった。
ようやく実感がわいて鳥肌がたつ。
「アカリ無事か!?」
声がしたような気がしたが随分と遠くに感じた。
こちらに襲いかかってきた魔物を、反射的に斬った。生物として当然の反応だろう。斬られた魔物はうめき声をあげてその場から消えた。しかし奴から溢れた体液は地面に残っている。そして、初めての感触も。
もしも護身用にとお下がりを与えられなかったら…?
最悪な考えが脳裏をよぎる。
「ごめんな、間に合わなかった」
いつの間にかしゃがんでいたらしい私の前に顔を合わせる彼。青い瞳と目が合ってようやく我に返った。
「カミュが謝ることじゃないよ…!むしろ毎回気にかけてもらってごめんなさい」
この世界に馴染みのない私を、仲間にしてくれた二人。自分のことで手一杯なはずなのに、完全素人の私を守ってくれている。
「アカリ、顔真っ青だよ」
「本当?」
イレブンも心配そうにこちらを伺う。揺れている瞳。故郷の件もあって心を痛めただろうに、また責任を感じさせてしまっただろうか。こんなことで気を遣わせたくないと急いで返事をする。
「たぶん剣を向けたのが初めてで動揺したのかも。大丈夫!すぐ慣れると思う」
「でも、無理しないで…」
「ううん、いつまでも甘えてるわけにはいかないし!今のをきっかけに戦えるように頑張るから、だから、」
「落ち着け」
頭上に置かれる手。その温かさに開いた口から勢いが落ちる。
「別に今更置いていったりしないからな」
「…!!」
「ずっと気にしているようだが、慣れてねえんだから仕方ねえだろ。時間をかけて自分なりの戦い方をみつければいいんだ」
そう諭すようにカミュは言った。無意識にも必死になっていたようで、徐々に頬が熱くなる。隣のイレブンも下がっていた眉をあげて、お日様のような微笑みを向けてくれた。
「そうだよ!それに僕たちが連れていくことを決めたんだから」
ね、とカミュのほうを向いて頷きあう二人。彼らに後光がさして視界が潤む。連れていってと頼んだのはこちらのほうなのに。
「…ありがとう」
立ち上がり情けない声で伝えると、二人の表情が和らいだ。こんなに温かい人達に巡り会えるなんて、幸運以外になんだというのだろう。
「…あのさ。余裕があるときでいいから、基礎から鍛えてくれないかな?」
緊張しつつ声に乗せる。力になりたい。彼らの人柄がその思いをより一層強くさせた。焦りや恐怖が消えたわけではない。さっきは命を奪ってしまったんだと、罪悪感に襲われた。
「自信を持って、二人について行きたいの」
でもここはやらなきゃやられる。危険がより身近な世界なんだ。
二人は初めは驚きと心配が入り交じった顔をみせたけど、熱意が伝わったのか納得した表情で了承してくれた。
「うん。アカリがそう言うなら」
「ああ、もう大丈夫そうだな」
真剣に向き合ってくれたイレブンとカミュ。
遠くに感じていた彼らに、少しだけ近づけた気がした。
「つーか魔物、無限に沸いてくるから気に病むことはないぜ」
「えっ!?そうなの…?」
「そうなんだよね。それはそれで感覚麻痺しちゃうよね」
…ある意味今後が不安になった。