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「イレブン?」
ネルセンの宿屋の敷地内。深い夜空の下、見慣れた後ろ姿をみつけて声をかける。その本人は振り返り驚いたように私の名前を呼んだ。
「アカリも眠れないの?」
「うん、いろいろあったからね。外にイレブンがいてラッキーだなぁ」
「僕も話し相手ができて嬉しいよ」
そう微笑む彼の隣に腰を掛けた。辺り一面に広がるフキ畑が、静かな風に吹かれて揺れるのを二人で眺める。舞いあがる髪の毛が邪魔になり耳にかけると、イレブンも同じタイミングで手ぐしを通していて思わず笑みがこぼれた。
自然に囲まれて、穏やかに時が過ぎるのは久しぶりかもしれない。
「ねえアカリ」
「なに?」
「ダーハルーネのとき、僕を庇おうとしてくれてありがとう」
「……?」
「『イレブンは悪魔の子なんかじゃないです』って。…あの時は止めたけど、でも、嬉しかったんだ」
真っ直ぐに目を合わせ、伝えてくれるイレブン。
その状況を思い出しては切なくなる。あのときイレブンはデルカダール兵だけでなく、ダーハルーネにいた民からも恐れられたのだ。
「ほんと…?だって、悔しくて。イレブンは何もしていないのに」
「うん」
「強くは言えなかったんだけど…。でも、少しでもイレブンのためになったなら、よかった」
「少しどころじゃないよ。アカリがそう言ってくれて僕は救われたんだ。…そして、早く真相を知りたいって思った」
私を肯定してから、ゆっくりと瞳を閉じる。力強く彼方へと向かう視線。
――人を恨んじゃいけないよ。
イレブンは育てのおじいさんからの言葉を思い出しているのだろうか。
もし自分がイレブンの立場だったら。正直、教えは守れていないと思う。
身に覚えのないことで四方八方から誹謗中傷を浴びて、心が壊れるだろうな。悲しさはやがて怒りにかわり、「なんで自分が」って喚き散らすかも。それこそ、本当に悪魔のような子になるかもしれない。
でも彼はそんなそぶりはみせない。たしかに傷ついた顔もしたけど、すぐに切り替えて今も上を向いている。その横顔に曇りはない。
出会ったときから温かく、眩しい。"勇者"だからなのか、でも肩書きがなくとも、そんなイレブンだからみんな力になりたいと思うんだろうな。
「私も、いつもイレブンに助けてもらっているよ」
「カミュじゃなくて?」
「カミュもだけど…というかみんなね!そもそもイレブンがいなかったら私どうなっていたかわからないよ」
「そうかな?うーん、アカリが預言とか関係なくてもカミュは連れていきそうだけどな」
でもたしかに僕がいなかったら脱出できなかったかもしれない…。
最悪のケースがぽつりときこえたが、そんなことは今はどうでもいい。突然ニヤリと名前を出されて少し早口になってしまった。
イレブンはこの手の話題をたまに差し込む。特に最近は顕著である。たしかにカミュと私は傍にいることが多い。でもソウイウ感じとかではない。カミュが私のことをどう思っているのかはわからないけど、人として好感を持ってくれていることは確かだと思う。
恥ずかしさもあるが、それよりもからかわれるほど、イレブンと距離が縮まったことは嬉しく感じた。
大人しくなった私に、イレブンは向き直る。
「今だから言うけど、僕もアカリがいたからここまで来れたよ」
「それこそ、カミュじゃなくて?」
「はは、もちろんカミュの存在も大きいしみんなのおかげだけど。境遇、かな。目が覚めたら知らない世界にいて、命を狙われて…。何もわからないアカリと出会って、僕にもまだできることがあるって思ったんだ」
まさかの告白にただただ驚いた。文字通りお荷物な私を連れて、そんな希望を持ってくれていたなんて。
「私も一緒だよ」と伝えると疑問を浮かべるように眉が動いた。
「私もイシの村に行ったとき、少年が壮絶な人生を歩もうとしているのに私が不安がっている場合じゃない!って思ったの」
「そうだったの?全然知らなかった」
「言ってないからね。励まされていたのはお互い様だったんだね」
ぽかんとした表情は、鏡越しのように口角があがる。本当に、言葉にしないと相手の気持ちはわからないもんだ。
ひとしきり笑い合うと、何かを教えるように風が撫でた。
「…冷えてきたね。これ以上起きてたら、みんなに怒られちゃうかも」
「たしかに。僕たち起きるの遅いランキング上位だからね」
先制で痛いところを突かれる。彼の言う通り私とイレブン、そしてセーニャで最下位争いトリオ。どちらかが起きていると自分がビリかと焦るのだ。
お開きにしようと立ち上がると、彼が思い出すかのように言う。
「あ、二人で話してたことはカミュには内緒にしようか」
「え、なんで?」
「……仲間ハズレにされたって拗ねちゃうかもしれないだろう?」
彼は少し考えてから優しく言った。
拗ねる?たしかに二人は相棒で、私を含めてしばらく三人旅をしていた。そう感じる可能性もある…のかも。
なんだかにこやかな少年に続く。夜ふかしも今夜はおしまいだ。
「じゃあ、おやすみ」
「うん、おやすみイレブン」
各部屋の前、仲間たちは夢の中だろう。
小声で交わした挨拶は、秘密を共有したようでわくわくした。
ネルセンの宿屋の敷地内。深い夜空の下、見慣れた後ろ姿をみつけて声をかける。その本人は振り返り驚いたように私の名前を呼んだ。
「アカリも眠れないの?」
「うん、いろいろあったからね。外にイレブンがいてラッキーだなぁ」
「僕も話し相手ができて嬉しいよ」
そう微笑む彼の隣に腰を掛けた。辺り一面に広がるフキ畑が、静かな風に吹かれて揺れるのを二人で眺める。舞いあがる髪の毛が邪魔になり耳にかけると、イレブンも同じタイミングで手ぐしを通していて思わず笑みがこぼれた。
自然に囲まれて、穏やかに時が過ぎるのは久しぶりかもしれない。
「ねえアカリ」
「なに?」
「ダーハルーネのとき、僕を庇おうとしてくれてありがとう」
「……?」
「『イレブンは悪魔の子なんかじゃないです』って。…あの時は止めたけど、でも、嬉しかったんだ」
真っ直ぐに目を合わせ、伝えてくれるイレブン。
その状況を思い出しては切なくなる。あのときイレブンはデルカダール兵だけでなく、ダーハルーネにいた民からも恐れられたのだ。
「ほんと…?だって、悔しくて。イレブンは何もしていないのに」
「うん」
「強くは言えなかったんだけど…。でも、少しでもイレブンのためになったなら、よかった」
「少しどころじゃないよ。アカリがそう言ってくれて僕は救われたんだ。…そして、早く真相を知りたいって思った」
私を肯定してから、ゆっくりと瞳を閉じる。力強く彼方へと向かう視線。
――人を恨んじゃいけないよ。
イレブンは育てのおじいさんからの言葉を思い出しているのだろうか。
もし自分がイレブンの立場だったら。正直、教えは守れていないと思う。
身に覚えのないことで四方八方から誹謗中傷を浴びて、心が壊れるだろうな。悲しさはやがて怒りにかわり、「なんで自分が」って喚き散らすかも。それこそ、本当に悪魔のような子になるかもしれない。
でも彼はそんなそぶりはみせない。たしかに傷ついた顔もしたけど、すぐに切り替えて今も上を向いている。その横顔に曇りはない。
出会ったときから温かく、眩しい。"勇者"だからなのか、でも肩書きがなくとも、そんなイレブンだからみんな力になりたいと思うんだろうな。
「私も、いつもイレブンに助けてもらっているよ」
「カミュじゃなくて?」
「カミュもだけど…というかみんなね!そもそもイレブンがいなかったら私どうなっていたかわからないよ」
「そうかな?うーん、アカリが預言とか関係なくてもカミュは連れていきそうだけどな」
でもたしかに僕がいなかったら脱出できなかったかもしれない…。
最悪のケースがぽつりときこえたが、そんなことは今はどうでもいい。突然ニヤリと名前を出されて少し早口になってしまった。
イレブンはこの手の話題をたまに差し込む。特に最近は顕著である。たしかにカミュと私は傍にいることが多い。でもソウイウ感じとかではない。カミュが私のことをどう思っているのかはわからないけど、人として好感を持ってくれていることは確かだと思う。
恥ずかしさもあるが、それよりもからかわれるほど、イレブンと距離が縮まったことは嬉しく感じた。
大人しくなった私に、イレブンは向き直る。
「今だから言うけど、僕もアカリがいたからここまで来れたよ」
「それこそ、カミュじゃなくて?」
「はは、もちろんカミュの存在も大きいしみんなのおかげだけど。境遇、かな。目が覚めたら知らない世界にいて、命を狙われて…。何もわからないアカリと出会って、僕にもまだできることがあるって思ったんだ」
まさかの告白にただただ驚いた。文字通りお荷物な私を連れて、そんな希望を持ってくれていたなんて。
「私も一緒だよ」と伝えると疑問を浮かべるように眉が動いた。
「私もイシの村に行ったとき、少年が壮絶な人生を歩もうとしているのに私が不安がっている場合じゃない!って思ったの」
「そうだったの?全然知らなかった」
「言ってないからね。励まされていたのはお互い様だったんだね」
ぽかんとした表情は、鏡越しのように口角があがる。本当に、言葉にしないと相手の気持ちはわからないもんだ。
ひとしきり笑い合うと、何かを教えるように風が撫でた。
「…冷えてきたね。これ以上起きてたら、みんなに怒られちゃうかも」
「たしかに。僕たち起きるの遅いランキング上位だからね」
先制で痛いところを突かれる。彼の言う通り私とイレブン、そしてセーニャで最下位争いトリオ。どちらかが起きていると自分がビリかと焦るのだ。
お開きにしようと立ち上がると、彼が思い出すかのように言う。
「あ、二人で話してたことはカミュには内緒にしようか」
「え、なんで?」
「……仲間ハズレにされたって拗ねちゃうかもしれないだろう?」
彼は少し考えてから優しく言った。
拗ねる?たしかに二人は相棒で、私を含めてしばらく三人旅をしていた。そう感じる可能性もある…のかも。
なんだかにこやかな少年に続く。夜ふかしも今夜はおしまいだ。
「じゃあ、おやすみ」
「うん、おやすみイレブン」
各部屋の前、仲間たちは夢の中だろう。
小声で交わした挨拶は、秘密を共有したようでわくわくした。
