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第一章 大変寒い帝国旅行記

幸太side

海彦かいひこ「そうか、俺のためにご家族御招待券か……。」

幸太「おとうさん!この11にちかんくらいおみせのおしごとをおやすみしてぼくたちとりょこうにいきましょう!」

幸子さちこ「そうよ!ばか息子!アタシの可愛い孫たちの気持ちに素直に甘えなさいよ!!」

ぼくの言葉に助太刀すけだちしてくれた幸子おばあちゃん。
おばあちゃんはねんれいふしょうの美まじょと近所のおじさんがいっていた。

正しん正めい、おとうさんのおかあさんだよ。

幸子「店のことならアタシに任せて、アンタは子供たちと旅行を楽しみなさい!」

海彦「お袋………わかったよ……だから泣くなよ。」

きづいたらおばあちゃんは、ナミダをながしていた。

幸子「あ……やだわ………泣いていたのねアタシ……。」

おばあちゃんのきもちは、ぼくもわかる!

あおばおにいちゃんのことをおもうと心がくるしい。



海彦side

俺には息子が4人いる。

1番上の長男の蒼葉は前妻のクズ女との子だ。
2番目からは、クズ女と離婚したあとに付きあった幼なじみとの子供たちだ。
長男には、いくらクズ女との子だからといって下の息子たちと比べたことなどない。
今は一緒に暮らしているが去年までは長男は前妻のところにいた。

もちろん長男の意思ではない。

この国は特別な理由がないかぎり離婚後、あと継ぎを欲している家に子供を取られてしまうのだ。

蒼葉は、クズ女の実家でとても厳しく10歳まで育てられてきた。

ところが、去年になってクズ女は愛人との子を妊娠して
性別関係なくあと継ぎになれるために、憎たらしいガキを追い払うチャンスだと蒼葉を用済みとして俺に渡す為に連絡がきた。
実子とはいえ、クズ女の手元にいたから俺は久しく会ってない息子に警戒はしていた。
いま思えば、息子相手に警戒なんてバカらしいと思うが。

だって、クズ女の実家の黒塗りの車からひっそり出てきた息子は大人しくて賢くて優しい子だった。

末の息子の幸太に笑いかけていた蒼葉の笑顔は綺麗で優しい人間性を表していたから。

蒼葉は、優しすぎな面もあるけど家族の中で1番、行動力がある子だ。

蒼葉の優しさを無下にすることは蒼葉の心を1番、傷つける行為だから。
蒼葉との家族生活第一弾の夏はタイヘ〜ンサムイ帝国に家族旅行に決定した。

それに、初めての家族旅行に俺も少し緊張してきた。

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