コロイカ夢
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来週の家庭科は調理実習。班ごとに好きなメニューを作れるとあって、メニュー決めにも熱が入る。他の班からはポテトサラダ、ハンバーグ、生姜焼き……いろんなメニューが聞こえてくる。
「安心してほしい。ワガハイと同じ班になったからには絶品カレーのレシピを教授しよう!」
自信満々な班長、アーミーくんがいる。
でもカレーになると、いつものようにアーミーくん任せになってしまう。今回くらい私が役に立ちたい。欲を言えば、別のものを作ってみたいし。
「あの……」
小さく手を挙げて主張すれば、すかさず指される。
「なんだ!」
「実は私、カレーよりハヤシライスのほうが好きなんだよね、だから……」
エフテンちゃんが立ち上がる。
「キサマ!」
「班長落ち着いて!」
「気を確かに!」
エフテンちゃんの鋭い声を皮切りに、セーラーBくん、セーラーWちゃんが続く。
「は、は、はや、は?」
当のアーミーくんといえば、様子が一気におかしくなった。
いつもの快活な発声はない。途切れ途切れで、しどろもどろという形容詞が良く似合う。先生にどんな難問を振られても淀みなく返答する、あのアーミーくんが。
「わ、ワガハイは、今までキミにカレーを押し付けてしまっていたのか……?」
思い返してみれば、お昼ご飯にカレーを持ってきてもらったり、おやつにカレーパンをもらったり、学食でカレーうどんをおすすめされたり……。アーミーくんの勢いに圧され、断るという選択肢がなかった。
だからその、断らなかったというか、その……。
エフテンちゃんたちの視線が刺さる。セーラーBくんとセーラーWちゃんの目が、班長にかわいそうなことを言わないであげてって言ってる。
「そんなことないよ! カレー嫌いじゃないし! たまにはハヤシライスがいいなって思っただけだから! 気の迷い!」
「本当か……?」
「本当!」
「ほ、本当か、良かった……。キミに嫌われでもしたら、」
「班長! 口に出てます!」
「ええと、今回のメニューはハヤシライス……にしてみるか。ワガハイの今までの技術も無駄にはならないだろう」
いつもの凛々しい眼をこちらに向けてくる。気を持ち直してくれてよかった! アーミーくんの言いかけた言葉が気になるけれど。