コロイカ夢
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前の座席に勝手に座り、椅子を傾けて顔を覗き込んでくる。
嫌でも鮮やかなピンク色が視界に映り込む。
「ねーねー今日はお昼オレと食べない?」
アロハがまた女子ナンパしてる、なんて声が遠巻きに聞こえてきた。
制服を一切着崩さない、見るからに真面目な私と、名の通りのアロハシャツみたいに制服をはだけさせたアロハくん。系統が違いすぎる。
噂好きなひとたちは、真面目な私を陽キャなアロハくんがいつオトせるのかネタにしているようだ。
「ねえ、周りにウワサされたりするの嫌?」
嫌に決まってるじゃない。なんて伝えることもできず小さく頷くと、わざとらしく考え込むように顎に手を当てて考えるしぐさをする。それから、何かを思いついたようでにまりと笑ってこちらを見遣る。
「オレの事は嫌い?」
日陰から日向に連れ出されるような身勝手な明るさも、目が痛くなるような鮮やかなピンクも。
「嫌じゃない」
小声で答えると、アロハくんはにっこりと笑う。
しまった。待って、と口にするよりも先にアロハくんの声が教室中に響く。
「こんなのナンパじゃないし。もう付き合ってるもんね~~」
「はあ!?」
咄嗟に声が出てしまう。
「その顔好き♡」
「冗談でしょ!?」
陽気で人を惹きつける、魅力的なアロハくんと私は違うのに。
「オレは知ってるよ、周りが言ってるほどキミが真面目じゃないの」
真面目くらいしか取り柄のない私から、それまで奪わないで。
そんなささやかな願いさえ踏みにじって、当たり前のように手を伸ばし、私の震える手に重ねてくる。
「ね、付き合っちゃえば噂なんて無くなるよ。だってホントの事だもん」
握られた手も顔も熱くて、もう訳がわからない。周囲のざわめきなんかどうでもよくなった。