コロイカ夢
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本日も晴天。気温も程よく絶好の塗り日和。一試合終えてロビーへ戻り一息つくと、ピンク色のゲソを揺らしながら見慣れたアロハシャツが近づいてくる。
「お疲れさま〜♡インクリングちゃん♡」
「アロハくんもお疲れさま」
「疲れたときは甘いものだよねぇ。キャンディどうぞ♡」
「いいの?」
「いいのいいの、ロブさんがみんなでどうぞ〜ってくれたやつだから」
へらりと言いながら差し出された手のひらには、いろとりどりのキャンディが。オーロラ色の包み紙に光が反射して、あけるまで中身の色が窺い知れない。それを察してか、眼の前の彼はにこっと笑う。
「たしか、ピーチとソーダとオレンジとグレープとメロンと……俺たちの色あるから、好きなの選んでいーよ♡」
「インクリングが選びづらいだろうが!」
「ライダーたちもう終わったの? もっとゆっくりしてていいのに」
「ロビーの補欠パリピくんがかわいそうだから急いであげただけだし〜」
「いらないお気遣いありがとマスク〜」
「デュッ……! 距離感バグった絡みヤメロ!」
アロハくんが言うと、皮肉交じりにマスクくんが返す。さらにお返しと言わんばかりのアロハくんのわざとらしい絡み方。マスクくんの肩に腕を回し、ニコニコきらきらと、彼が苦手なリア充オーラを放つ。タジタジになっているマスクくんを見て、ライダーくんは二人を諌めに行く。アーミーくんは若干苦々しく二人を見やるも、先程の試合を思い出してメモをまとめているようだ。個性豊かなメンバーは大変だ。
「……」
そんな彼らを、無言で見つめるスカルくんの視線の先。
机の上にばらばらと置かれた、オーロラ色に包まれたキャンディを思い出した。
甘い物が大好きなスカルくんはキャンディに釘付けになっているようだ。
「……あ、これアロハくんがロブさんに貰ったんだって。みんなにって」
スッとスカルくんの手が伸ばされたかと思うと、キャンディがいくつか消えた。かわりに包み紙が落ちている。相変わらず、独特な食べ方するよね。
「何味だった?」
「ミックスジュース……?」
「いくつも同時に食べたせいじゃない?」
「インクリングは」
「あ、まだ食べてない」
うーんと一つ唸ってから、今度は深く考えずキャンディを一つだけ取る。
オーロラ色の包み紙を開くと、現れたのは深い紫色のキャンディだった。
「スカルくんだ」
「……オレ?」
何味かよりも色の名前よりも、先に口からかこぼれ出た言葉をスカルくんは拾った。自分の名前が突拍子もなく出てきたのだから、聞き返すのも無理はない。
色が似てるとか、適当に答えてしまえばよかったのに。さっきアロハくんに掛けられた冗談がフラッシュバックして言葉に詰まる。
「えと……」
「ねー! インクリングもナワバリバトルやるよねー?」
「や、やる!」
アロハからの掛け声を助け舟に、口にキャンディを放り込む。口内に広がる甘みと香りを感じる。
「行こうスカルくん」
「……ああ」
どこか腑に落ちてなさそうな声とともに、みんなの元へ向かった。
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