太中が推しの子の世界へ。 この手を離さない

「ねえ」

呼ばれて、ゆっくり後ろを振り向く。美しく、麗しく育った姉に、ふと死んだはずの母親の面影を見る。

「スイはさ、前世で何をしていたの」

姉ーールビーの顔は、全世界の美貌を体現したような見事な曲線を描いている。隣に居る兄、アクアだってそうだ。親の血筋が否が応でも感じさせられる。例え、中身がそうでなくとも。

唇を歪めて綺麗な弧を描く。すっかり張り付いてしまった、剥がしようもない微笑。


「愛してる奴を、守ってた」

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