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レオいず

時計の長針がてっぺんを指したちょうど日付けが変わってすぐの事、先程まで静かだった筈の端末がピコンピコンと音を立て震えた理由は単純で今日11月2日はファンサービスが一番厚いと各方面から話題で今流行りのアイドルグループKnightsのユニットメンバー瀬名泉の誕生日だからだ学院を出て早数年朱桜司の卒業と共に本格的にアイドルデビューを果たした傍ら子供の頃から続けているモデルとしての仕事のほかに、バラエティ番組などそれなりに多忙を極めている。

瀬名はまず最初にSNSを返す事にした、メンバーや今は適度な距離である可愛い弟分他にもあの青春ともいえる時代を共にした面子その他諸々…その沢山の通知の中に目当ての人間は居らず人知れず溜息と共に口から出たのは情けない声音だった

「来る訳が無いよねぇ、あいつが起きてたところで覚えてる筈なんか無いんだから」

端末をベッドサイドへ置き朝も早いことだ、と慰める様自分を言い聞かし寝ようとした所部屋のインターホンが鳴り響いた今の時間は返事等に時間費やした為0:30を過ぎて本来誰もこんな夜中に鳴らすことがないしかしそんな事考えている間にも連続して鳴らされるインターホン執拗さに耐えられなくなり相手の顔くらい見ておこうと怪しむように部屋の中にある画面を覗き込めばそこから見えたのは黄昏のようなオレンジの髪、彼が誰よりも求めてた男だった動揺を悟られない様に得意の澄まし顔を作ればドアを開けた


「Happy Birthday ! セナ」

口を開くよりも先に訪問者である月永レオが声を発したかと思えばまるで自分の家だと言わんばかりに部屋に入っていく瀬名は盛大な溜息零しつつ戸締りしたのを確認したのに追い掛ける様に部屋の奥へと。


「ちょ、っと!いきなり来たと思えばなんなわけぇ、これから寝る所だったのに」

「許してっ!セナに会いたくて来ちゃった、なぁ…こうして会って誕生日祝えたのっておれが最初か?」


会いたかった、その言葉を素直に言えない彼はいつものように可愛げの無い言葉を発するも月永は気にした様子無く向きを変えては自分を追いかけて来た彼の身体を抱き締め確認する様に問われてしまうとそれ以上何も言えず頷くしかできなかった



この後は二人だけが知る物語…そして、次の日Knightsのメンバーだけがシンプルな指輪が互いの薬指に嵌っているのを見て騒いだとか、騒がなかったとか…
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